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コミュニケーションが上手な人が信じているたったひとつのこと。

こんにちは。

コーチングやファシリテーションの技術を使って多様でパフォーマンスが高いチーム作りをすることに興味があるTomoです。

イスラム教の休暇だった今日は、ビジネス&コミュニケーションの古典的名著と呼ばれるこちらの本を読みました。

60年前に出版された本にも関わらず、いまでも使える学びがたくさんありましたので紹介します。

コミュニケーションの前提

この本の前提、それは

そもそも人は他人の話など聞こうとしない

ということ。

だから、コミュニケーションを通じた相互の意思疎通はとっても難しいことだと説きます。

その理由として

  • 人には身についた習慣や固定概念があって、コミュニケーションを通じて変えられることに抵抗がある

  • 話を聞いている間にも自分の考えが浮かび、それが優先される

  • 聞き手は話を自分に都合よく話を解釈しがち

  • 自分の考えや気持ちを人にシェアすることを嫌がる人も多い

などが挙げられています。
つまり、人の中にある様々な感情、願望、思いなどが意思疎通を妨げるのです。

少し自分でも振り返ってみました。
確かに、人の話を聞いているときに頭が空っぽだったことなんてないですね。常に頭の中に「この人偉そうだな」とか、「おなかがすいた」とか、「そこは同意しないな」など、いろんな気持ちや思いが湧いてくることばかりです。

この本では相手はそもそもコミュニケーションに興味がないという前提に立ったうえで、どうすればより効果的に相手にはたらきかけられるかを説明していきます。

コミュニケーションを上手にするアイディア

まず、相手に興味を持ってもらうためのテクニックとして以下のような考え方が紹介されます。

  • 会話の目的を告げてから会話に入る。(なぜその情報が必要なのかわかると、不信感が減る。)

  • 相手に感情を発散させる機会を与える。(会話とは感情を発散させる手段。相手の感情の発散→自覚→受容のプロセスを経る)

  • 特に、相手にある<話したい>という要求を発散させる。話したいと思っているときに相手が聞く確率はとても低い。

  • 自分の話をしないといけないときはは本筋から外れず、簡潔に、相手が知っていることを省いて、新しい情報を加えて話す。

  • 自分の考えを表明したり、相手に質問をすることで相手の思考を刺激する。

プレゼンテーションや会議でのコミュニケーションを上手にするアイディア

さらに難易度が高いコミュニケーションとして、複数の聞き手に伝えるコミュニケーションがあります。プレゼンテーションや会議での発言ですね。

聞き手はさらに多様になり、注意力も散漫になり、感情が抑圧された状態で消極的に話を聞くので、ますますコミュニケーションがとりにくくなります。

そんななかでも聞いている人を置いてきぼりにしないためのアイディアとして、こんなアドバイスがありました。

  • 話の冒頭で話す目的をかいつまんで話し、聞き手の気持ちを誘導する

  • いろんな解釈が生まれる可能性があるので、例を多用する

  • 質問を投げかけてみたり、質問を促したり、質問の内容に踏み込むことで、相手の思考を刺激し、情報が伝わっているか確認する

  • 無関係な発言をある程度許す。

  • 内容を反復しながら話を進め、最後に要約する

とにかく相手が自分の話に興味がなかったり、誤解をしてしまったり、別の感情が生まれていることを前提にして、なるべく同じ方向に話を持っていく工夫をしていく、というスタンスです。

相手からの質問を促す、というポイントでは、具体的に「質問を歓迎していることをはっきりさせる」「質問を褒める」「質問の内容に深入りする」などかなり具体的なテクニックが挙げられています。

著者の主張にとても納得した理由。

この本を通じて著者が訴えていたのは、

コミュニケーションを阻害する要因はたくさんあるから、円滑な意思疎通なんてとっても難しい。それでも、なんとかコミュニケーションを成立させる方法もある。

ということでした。
この部分には特に共感。

僕がいままで聞いてきて退屈だったコミュニケーションは、たしかに

  • こちらの気持ちや考えを勝手に推測されている

  • こちらの興味が前提になっている

  • こちらの気持ちを表現する場所が与えられていない

  • こちらの思考がついていっていないことに気づいていない

みたいな会話やプレゼンテーションが多かったです。

一方で魅了されるプレゼンテーションは、こちらに語り掛けてきて、思考や発言するスペースが与えられるもの。

「相手は自分と話すことに興味がない。」という大前提に立ってコミュニケーションすることの大切さを学んだ一冊でした。


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