1000時間の日常授業を変える思考法
こんばんは。“学びで人生を楽しく”と掲げて日々勉強を続けている小学校教員です。このnoteでは、学校現場のことや日常生活のことまで、いま考えていることを綴っています。
今日は「1000時間の日常授業を変える思考法」というテーマで書きたいと思います。
小学校における一年間の授業時数は約1000時間です。1000時間もある日常授業の質を高めることは、学校現場の最重要課題の一つです。
当然ですが、日常授業の質は各担任に委ねられています。初任からベテランまで全員が、校内研究やさまざまな研修を通して授業力向上に努めています。
しかし、授業準備や教材研究にかけられる時間は十分に確保されておらず、その他の業務に追われている教員は多くいます。
また、校内研究で検討・協議したことも、次の日から誰の授業にも活かされないなこともよくあります。そもそも公開される授業が研究のための授業になり、再現性の低いものであるケースも多いです。
そのような学校現場ですから、1000時間の日常授業を変える思考法は身に付けておく必要があると考えています。
私なりの答えは、「自分なりに見出した成功法則の転用」です。まずは、子どもの事実をとらえることからすべては始まります。私は記録を取って言語化することをおすすめします。
学級が安定しない、授業がうまくいかないときほど、子どもの姿を言語化します。何が原因でそのような姿につながったのか、こちらの手立てで改善できることはないか、今の授業スタイルの問題点はないかと分析することができます。
言語化することで、現状を客観的にとらえることができるため、必要以上に思い悩むことがなくなります。むしろ、次はこんなことをしてみよう、○○について学んでみよう等、これからどうするかに焦点を当てることになります。
言語化習慣については以下の記事でも紹介していますので、ご興味あれば覗いてみてください。
記録を取りながら授業改善を続けていくうちに、子どもたちが生き生きと学ぶ瞬間がきます。この瞬間を逃さないことです。
ここにこそ、あなたと目の前の子どもたちが生み出す授業の成功法則があります。成功法則は、次の授業や他の教科にも転用することができます。
つまり、子どもの事実と向き合うことで、転用可能な授業スタイルを帰納的に確立していくということです。
たとえば、昨年度受けもった1年生の学級では、離席や逃避行動が見られる子が複数人いました。当初は授業が成立しない状況でした。しかし、記録を取る中で「活動から入る」と全員が落ち着いて取り組めるという成功法則を見出しました。
そこから、ノート視写を導入の鉄則にし、徐々に【ノート視写→問題提示→自分なりの考えを書く⇄立ち歩き交流】という学習の流れもつくられていきました。算数の授業で軌道に乗り、国語にも転用することができました。
音楽や体育でも、とにかくまずは「活動から入る」ことで、子どもたちが自分で学習モードに切り替わり、気付いたら全員が夢中になって取り組むようになりました。
これはほんの一例ですが、成功法則は子どもの事実からいくらでも見出すことができます。ただし、子どもの成長に伴い、成功法則のチューニングを行う必要はあります。
ちなみに、算数授業は以下の記事で紹介したような形になりました。活動から入らずとも落ち着いて学習に取り組めるようになり、随分と成功法則も変わりました。
1000時間の日常授業を一つ一つ改善することは現実的に不可能です。だからこそ、子どもの事実から授業の成功法則を見出し、他の授業に転用していくことが大切になるだろうと思います。
ぜひ、「1000時間の日常授業が変わるか」という視点で授業改善に取り組んでみてください。
最後にお知らせです。
いま現在、教員や教員志望の方を対象にした学び場『ATTiTUDE』の企画を練っているころです。そこでも、1000時間の日常授業が変わるような学びを分かち合えたらと考えています。
オンライン、オフライン問わず開催していく予定ですので、ご興味ある方はぜひ一緒に学びましょう。詳細が決まり次第、ご報告します。