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小学校の先生。“学びで人生を楽しく”をモットーに日々勉強中。学校現場のことから日常生活…

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小学校の先生。“学びで人生を楽しく”をモットーに日々勉強中。学校現場のことから日常生活のことまで、いま考えていることを綴ります。読んでくださる方々に“学びのきっかけ”を。

最近の記事

『もうじきたべられるぼく』の道徳授業

●はじめに子どもが主体的に学ぶ道徳授業を目指して、私は「発問」・「展開」・「まとめ」の3つを問い直した。道徳授業は、子どもたちが本気で考え、楽しく学べる時間でありたい。 発問においては「考えさせられる発問」から「本気で考えたくなる発問」へ転換する。教師に考えさせられている状況を打破し、子どもたちの頭の中に思わず「?」が生まれる状況をつくり出す。 そのためには、具体的で経験のあることだが、既有知識や経験とは対立していたり、どっちの方がよいのか揺れ動いたりするような発問が望ま

    • 旗は揚がった。

      大学院を修了して7年間。これまで理論と実践の往還を意識しながら学び続けてきた。その時々の興味・関心で教育書を読み漁り、小学校現場では自己研究テーマに沿って実践を積み重ねてきた。 若いうちの努力量でその先の命運は分かれる。その意識をもってからは学生時代よりも学びに向かう姿勢ができている。 ただ私の中でずっと引っかかっていたことがある。それは、所属する研究組織を定めていないことである。 現場の力のある先輩や書籍を出している先生は、所属先を決めている場合が多い。市区町村や都道

      • 低学年からできる!主体的な学び手が育つ算数授業

        ●はじめに 低学年担任は基礎・基本を確実に身に付けさせたいという思いから、授業規律や学習態度に厳しくなってしまう。「子どもを信じて任せよう」と意気込んでも、気付けば細かい指摘ばかりを繰り返すようになる。かくいう私も、年度当初から離席する子が多く、一斉指導重視で指摘ばかりしながら授業を進めていしまっていた。次第に授業に対して後ろ向きな子が増えていった。しかし、低学年こそ主体的な学び手になれる。そう信じて疑わなかった私は、子どもの事実と真っ正面から向き合い、主体的な学び手が育つ授

        • 主体的な学び手が育つ道徳授業

          ●はじめに 現在行われている道徳授業は、子どもたちにとって実りある時間になっているのだろうか。本気で考え、楽しく学べる道徳授業だろうか。  教員2年目で道徳の研究発表の機会に恵まれ、大勢の人に授業を見てもらった。2年目という経験年数を加味した上で、教授や他校の先生方からかなり褒めていただいたことを覚えている。そのときの自信が今の教師人生につながっている。  ただ、私の中ではモヤモヤが残り続けた。たしかに、子どもたちはよく考え、積極的に発表し、想定していた通りの展開になる。

        『もうじきたべられるぼく』の道徳授業

          高校野球でマインドセットしてみる

          高校野球は私たちに色々なことを教えてくれる。一戦一戦に全力を尽くす高校球児の姿は、多くの人の心を動かし、勇気や元気を与える。今日はそんな高校野球を私なりに少し深掘ってみたい。 子どもの頃から高校野球を観るのが好きで、よく甲子園に朝から晩まで行って観戦していた。近所のグラウンドで高校野球ごっこという遊び(高校を決めて選手の真似をしながら行う野球)もした。 甲子園に出場する学校の名前で県庁所在地や地名を覚えたくらいだ。そんな高校野球大好き少年だった頃から、ずっと魅力を感じてい

          高校野球でマインドセットしてみる

          「熟達への渇望」が人を突き動かす

          私の人生で大きな転換点になったのは、大学院への進学である。そのとき初めて、自らの意志で学ぶ経験をした。 子供の頃から基本的に親や先生の敷いたレールの上をひた走ってきた。優等生を演じることが多かった。だから、私にとって勉強は大人から「やらされる」ものだった。  大学3年生の夏休み、映画『ビリギャル』を観に行った。このとき、これまで感じたことのない感情を味うことになる。 有村架純さん演じるさやかさんの変容が、自分も本気で学びに向き合って何かを成し遂げたいという思いが芽生えた

          「熟達への渇望」が人を突き動かす

          その仕事に生き様を反映させているか

          最近お世話になっている美容室がある。そこの美容師さんから並々ならぬ「プロフェッショナル性」を感じるので、少し深掘ってみたいと思う。 なぜ、その方から「プロフェッショナル性」を感じるのか。私なりに三つの要素を抽出した。   まず一つ目に、その美容師さんの手さばき、ハサミさばきが巧みな点は見逃せない。 手で髪の毛の量や質を一瞬で捉え、テンポよく髪を切っていく。いい意味でためらいがない。髪を切っているというより私のヘアスタイルを「創造」していると表現した方がしっくりくる。 ま

          その仕事に生き様を反映させているか

          子どもが輝く授業

          昨日、井本陽久先生の教員向け研修会に行ってきました。井本先生は、元栄光学園の数学教師で現在は「いもいも」を運営されいます。私が井本先生を知ったのは、教員2年目のとき。『いま、ここで輝く』を読み、「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見て、教育観や授業観がグラグラ揺さぶられたのを今でも覚えています。 当時から画一的な一斉指導や教えることがベースになっている授業に違和感がありました。さまざまな書籍やセミナーから学びを得て、授業の在り方を模索していた頃。そんなときに井本先生の生き方

          子どもが輝く授業

          自分を育てるのは自分

          横田富信さんの書かれた『子どもの自己調整スキルを磨く』を読んだ。横田さんの専門は社会科で、これまで2冊社会科に関する本も読んだが、とても分かりやすく書かれている。社会科を学び始めたい方は、ぜひそちらも読んでみてほしい。 前回紹介した庄子さんの『子どもに「任せる」がうまくいかないあなたへ』とも根幹の部分は共通している。以下、本書より得た私の学びを簡単に述べる。 私も「自立した学び手を育てる」を軸に、様々な実践の追試をし、目の前の子供たちの実態に合わせて修正してきた。その中で

          自分を育てるのは自分

          授業力にこだわれ!

          教師のプロフェッショナル性はどこにあるのか。多くの人が「授業力」だと答えるのではないだろうか。仕事の大部分を占めるのが、まさに授業である。授業力がものを言う世界であるはずだ。 しかし学校現場では、授業力を向上させることが喫緊の課題にはなっていない。やらなければいけない業務は山積みだし、多様な子供たちを相手にして、それどころではないと言うのが教師の本音かもしれない。それは間違いのないことなのだが、私は教師になってずっと「授業力」にこだわって生きている。 まだまだ授業力は未熟

          授業力にこだわれ!

          子どもに任せる

          庄子寛之さんの書かれた『子どもに「任せる」がうまくいかないあなたへ』を読んだ。庄子さんの著者紹介を拝見すると、東京都公立小学校指導教諭と書かれている。調べてみると現在は、ベネッセの研究員をされているようだ。以前、研究主任の本を読んで感銘を受けたこともあり、今回このテーマの本にとてもワクワクして購入した。 私も公立小学校の教員として日々、子供たちと関わっている。そして、今回のテーマはまさに私の教育観、授業観に合致するもの。「子どもに任せる」は初任の頃よりブレることなく私の中に

          子どもに任せる

          パパ先生が保育園にやってきた

          ●いざ、保育士体験へ 保育士体験のお知らせが来た。内容を読んでみると、我が子の様子を見ながら一日保育士体験ができるとのこと。こんな機会はないと思い、即座に参加希望を出した。我が子の保育園での姿を見られる嬉しさと保育現場を見られる喜びから、ワクワクして保育園に向かった。登場シーンでは、「私のパパ!」と驚きと喜びの気持ちを思い切り表現していた。我が子が保育園で奮闘する姿を見て、親バカだと承知の上で、感動してしまった。子育てしていると甘えん坊だなと感じることも多々あるが、保育園で頑

          パパ先生が保育園にやってきた

          これからの教師の学び方〜今ある仕事に「ちょい負荷」をかける〜

          ●はじめにVUCAの時代と言われる現代を生きる私たちにとって、問題意識をもって学び続け、自らを成長させていくことは必要不可欠である。これは当然、子供たちだけではなく、教師自身にも当てはまる。 しかし、周りを見渡すと、どんな問題意識をもち、どのようにして学んでいけばよいのか分からずに困っている教師は、想像以上に多い。 本稿はこれからの教師に求められる学び方について、私自身の経験を踏まえてまとめたものである。 ●問題の所在まず、経験の浅い教師は、目の前の仕事に追われ、自らの

          これからの教師の学び方〜今ある仕事に「ちょい負荷」をかける〜

          井の中の蛙大海を知る

          激動の1学期が終了。今年もエネルギーを蓄える夏がやってきました。 この夏休みはいつも以上に成長にこだわっていきたい、そう考えています。 ズバリ、夏休みのテーマは「井の中の蛙大海を知る」です。外に出て学び、井の中の蛙である自分に意図的ショックをお見舞いし、奮い立たせたいと思います。 長くなりましたが、夏休み成長計画は以下の通りです。 □1  カフェで自己研鑽する。とことん深掘ることを楽しむ。自分軸を見直す。 □2  読書30冊。メモで抽象化し転用する。 □3  読書

          井の中の蛙大海を知る

          掃除時間を変える。

          掃除をやらずに遊んだり、他の人の邪魔をしたりしている子。毎年、一定数はそのような子がいました。 また、掃除時間によくトラブルが起こっていました。遊んでいる子を注意し、逆上されて揉める。邪魔をした、してないと言い合って揉める。一緒にふざけ合っていて揉める。 などなど、理由は様々ですが、とにかく掃除時間はトラブルが起こりやすいです。そのため、こちらも遊んだり邪魔をしたりする子を注意して回り、監視の目で見るようになってしまいます。 ただ結局、先生が見ていないときには乱れるため

          掃除時間を変える。

          低学年からできる!考え議論する道徳授業『ダメ!』

          1年生の道徳をやっていく中で、難しさを感じていることがある。 それは、課題設定の難しさである。道徳では、発問(主発問)が課題にあたると考える。課題の難易度を高めて、どんどん考えさせればいいという発想は通用せず、1年生という発達段階に合った質を追究していかなければならない。 そうでなければ、子どもたちがポカーンとして、何も議論が生まれないという事態になる。よくよく考えれば、発達段階に即した課題を設定することは当然のことだ。しかし、それが発問となると、そこまで学年を考慮せず同

          低学年からできる!考え議論する道徳授業『ダメ!』