学級内に心理的安全性はあるか

おはようございます、coaaachです。

昨日初めて投稿したにも関わらず、何人もの方が読んでくださりました。noteは温かい空間だなと実感しております。本当にありがとうございます!

今日は最近読んだ本をもとに、「学級内の心理的安全性」について考えてみたいと思います。本はこちらの『自立する子の育て方』です。

青砥さんによる脳科学の知見と工藤先生の教育論が掛け合わさり、とても読み応えのある本でした。興味のある方はぜひ読んでみてください!


1.心理的安全性とは

さて、本屋さんでもよく目にするようになった「心理的安全性」という言葉。

漢字が並んでめっちゃ専門用語っぽいですが、意味はそのまま、心理的に安全な状態のことです。これは、ハーバードビジネススクールのエドモンドソン教授が初めて提唱し、Google社が使ったことで有名になったそうです。

教授は、職場で個々の能力を引き出すには、心理的安全性の確保が重要であり、そのために「否定されない環境」をチーム内につくることが大切だと訴えました。

そのような環境では、思考や意思決定、感情抑制などの機能を担う前頭前皮質がのびのびと活動するからだそうです。つまり、否定されない「認め合える環境」だと、思考が活発になり、感情のコントロールもしやすいのです。


2.学級内の心理的安全性

これを学級経営に当てはめて考えると、教師がいかに学級内の心理的安全性を確保していくかが大切になると思いました。

「認め合える環境」こそが、子どもたちのアクティブな思考や落ち着いて学習に向かう態度につながるからです。

自分自身、この本を読んでいて反省することが多くありました。自分を見つめ直すためにもいくつか挙げてみます。


<心理的安全性の確保に反すること>

・いじめ、命、けじめ以外で厳しく叱った

・言葉遣いの乱れをスルーした

・承認の言葉がけが少なかった


<これからどうするか>

・3点以外は叱らず、どうした?どうしたい?と聞く

・言葉遣いの乱れは見逃さず指導

・承認の言葉がけを1日5回以上する


みなさんも心理的安全性の確保ができているか、ふり返ってみてください。威圧的な先生、必要以上に厳しい先生になっていないでしょうか。それに、ついついできて当たり前のことは、承認の言葉がけをせずに済ませてしまいますよね。


3.おすすめの実践

最後に、認め合う関係性をつくるために、学級で取り組めるおすすめの実践をまとめておきます。書籍やTwitter、ブログなどから学んだものばかりです。


(1) GWT グループワーク・トレーニング

1つ目は、GWT グループワーク・トレーニングです。昨年、先生マンションや謎のマラソンランナー、それらにアレンジを加えたものに取り組んでいました。

子どもたちの反応もよく、同じ目的に向かって協力する体験は、とても大切だと感じました。

体験後にふり返りをすることで、お互いの意見を聞いたり、協力したりすることの大切さを再確認できます。

興味のある方はこちらのシリーズを買ってみてください。お金かけたくない…という方は、ネットに上がっているものもたくさんあるので「GWT」で検索してみてください!


(2) PA プロジェクトアドベンチャー

2つ目は、PA プロジェクトアドベンチャーです。これまで単発でいくつかのゲームをやりましたが、力を入れて実践したことはありません。今年は定期的にPAを取り入れていこうと思っています。

ここでも大切なのは、活動後のふり返り。やるたびに「何を学んだのか」と考える機会をつくります。ふり返って初めて、認め合うことのよさを実感できるからです。


(3)振り返りジャーナル

3つ目は、振り返りジャーナルです。教員2年目から毎年取り組んでいます。

授業ではふり返りをするのに、日々の生活や学活、行事はやりっぱなし。(先ほどのGWTやPAも同じですね)それではもったいないと思い、A4ノートを半分に裁断したものに、欠かさずふり返りを書いてもらっています。

本来の目的は体験的な学びから気付きを得るためなのですが、子ども一人ひとりとのコミュニケーションツールとしても重宝しています。担任の先生とのつながりはやっぱり子どもにとって安心を得る上で大切なことですよね。

ふり返った後、雑談も書いてOKにしているので、話題がたくさん集まります。ここでの話題をそのまま、その子との会話につなげています。保護者面談でも、○○が好きですよねぇ!とよく話題にあげています。

こちら入手が困難でかなり高額になっているようです…

入手しやすいこちらの本も参考になりますので、ぜひ。


(4)ペアトーク

4つ目は、ペアトークです。毎朝、トランプでくじを引き、その日限りのペアをつくっています。朝の時間に、決められたテーマに沿ってペアで会話を楽しみます。

高学年になると、知らず知らずのうちに関係性は固定化されていきます。せっかく学級内にたくさんの友達がいるのに、それではもったいない。いろいろな人と関わり、ともに学び、ともに成長していってほしいと思っています。

そんな思いから、今年ペアトークを取り入れました。やり始めて1ヶ月ですが、すでに人間関係が流動的になり、いろいろな人と関わるようになったと感じています。

また、聞き手が質問することを条件にしているので、お互いに質問し合って会話しています。認め合う関係性をつくる目的もありますが、同時に対話力を鍛えてほしいと思っているからです。

この力がやがて授業中のペアやグループでの話し合い活動に生かされることをねらっています。継続することで、どこまで子どもたちが伸びていくか、今から楽しみです。

ペアトークに関しては、こちらのあおさんのブログがめっちゃ参考になります。他の記事も勉強になるものばかりなので、ぜひ読んでみてください。


(5)振り返りムービー

5つ目は、振り返りムービーです。少々手間はかかるのです、学期ごとに撮りためた写真をムービーにして上映しています。

日々の生活や行事などをふり返りながら、「あんなことあったね」「これまたやりたいね」なんて話しながらみんなで見ます。

この時間、本当に温かい雰囲気に包まれて、担任の自分がしみじみしています。子どもたちからも大好評の取り組みですので、ぜひやってみてください。



ということで、今日は「学級内の心理的安全性」について考えてみました。自らの反省点はGW明け早速改善していきたいと思います。

また、これまで取り組んでいた実践に、根拠付けができたことは大きかったです。どんな実践もやっぱり「何のため」が必要です。この姿勢は常にもち続けたいですね。

今回のお話が、少しでもみなさんのお役に立っていれば嬉しいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




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