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「きょうはなんのひ?」が伝える家族観

「きょうはなんのひ?」(福音館書店) 瀬田貞二・作 林明子・絵 

小さいころ、母に連れられて、遠くの小児科に通っていました。この絵本は、その病院の薄暗い待合室に置いてありました。当時としては珍しくて、キッズスペースのようなものもありました。何で覚えていたかというと、キッズスペースをつくる前に、部屋を明るくしてほしい、とひそかに思っていたから。 

私は、病院がいやで、心細くてたまらなかったけれど、この本が読めることだけはちょっとうれしくて。何度も何度も読んで、内容も覚えてしまったけど、どうしても自分の手元に置いておきたくなりました。 絵本は高いし、内容も知ってるのにもったいないかな、と思ったけど勇気を持って母に「欲しい」と伝えました。結局、買ってもらいました。

 今は、その古くなった本を、子どもたちにときどき、読み聞かせています。 大人になって読み返すと、また違った味わいです。  

「おうせつま」のある立派なお家、きれいに片付けられたお部屋が舞台。 登場人物は、家事が得意そうで、やさしそうな専業主婦のお母さんと、エリートサラリーマン風のお父さん。そして、大事に育てられた、一人娘のまみこ。 絵に描いたような幸せそうな家庭……。

そのため、疲れているときに読むと「わたし、こんな風に母業できない。無理……」と卑屈になったり、「こんな風に完璧に母親を描くから、世の女性を追い詰めるでしょ……」と言いたくなったりします。ときどきですけど! だけど、子どもたちは当時の私と同じように、わくわくしながら読んでいます。絵に描いたような幸せな家庭がまた、子どもに安心感をもたらすようです。家の中が細かく描かれていて、見ていて飽きないようです。宝探しのような感覚なのかな。

現実を知らない息子は、この本を読むようになってから「ぼく、ひろいおうちにひっこす」と言うようになりました。 なかなか外に出られないけど、家の中で、お金をかけなくても、家族でこんなにわくわくできるんだ!っていう気づきもある絵本です。 外出自粛中の今だからこそ、親子で読みたい絵本です。

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最近書いたポテサラツイートの記事も、同じような思いを込めて書きました。