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ビジュアルプラクティショナーたちの実践#3 ~共創が自発的に生まれる場とは?~

こんにちは。ハーベスティングチームのぶんです。
10月に入ると、なんだか気分が一転、折り返しに来たような気がします。
季節の変わり目に気を付けながら過ごしたいですね。

今回も引き続き、第5期「共創型ビジュアルプラクティショナー養成プログラム(以下、共創VP)」の受講生へのインタビューをお届けします。

受講生の皆さんの実践が、どこかの誰かにも「ピン!」と来るものがありますように。
そんなことを願って、受講生の皆さんへ共創VPから得たこと実践していることをインタビューしました。

第1弾-猫神さんのインタビューはこちら

第2弾-むーちゃんのインタビューはこちら


#2 共創が自発的に生まれる場とは?~くみっきーインタビュー~

くみっきー

インタビュー第3弾は、くみっきーです。
くみっきーは、共創VPを受講しながら、ビジュアライズの可能性を感じられるようになったと言います。


共創VPで響いた学びは?

「共創VPを受講して、ビジュアライズを活用することで出来ることはまだまだあると感じられるようになりました」と話すくみっきー。

(くみっきー)
グラフィックレコーディングをする中で、ファシリテーションについて興味を持つようになり「ワークショップデザイン」を学んだので、グラフィックとファシリテーションの両方の知識はありました。

共創VPを受講する前はワークショップデザインとグラフィックレコーディングを自分の中で紐づけられず、グラフィックは「なくてもいい」「必要ないんじゃないか?」と思っていた時期もありました。

過去にグラフィックレコーディングがなかなか現場で活用できなかった経験があったからです。
普通の文字ベースの議事録と違って、手描きのグラフィックが入ることで参加者が違和感を覚えやすく、まるで英語のように、普段と違う言語が使われているように見えてしまって、あまり伝わらなかったなと思いました。

言葉の共通認識を優先した方が良い集団だったり、ITツールの方が使い慣れている集団だったりする場合には、手描きのグラフィックをノイズとして感じる方もいることを認識し、絵は使わず、文字ベースで情報が伝わる方法(PowerPointによる文書やmiroなど)を優先して使っていました。

共創VPは、これまでの学びが断片的に網羅されていて、今まで学んだことの『間』につながりが見え、さらに知識が再構築されました。
その中で、「グラフィックがなくても良いと私が感じた場は、グラフィックが必要な場所ではなかったこと」、場所が変われば「手描きのグラフィックを使ったビジュアライズでまだまだできることがあるな」それを感じられたのが大きな学びです。


どんなところで、グラフィックの可能性を感じられた?

共創VPを受けて、くみっきーは「初対面のような場面で、関係性をつくり、多様性を広げる。
そんな場面にグラフィックを使ったビジュアライズの可能性を見出した」と言います。

(くみっきー)
一番可能性を感じているのは、関係性を構築する時ですね。
初めましての時は、お互いに言葉も、文化もそれぞれ違う。
そんな時は「これって、○○ですかね?」と聞きづらいと思うんです。

そこでグラフィックを使うと、気兼ねなく聞きあえる雰囲気になります。
例えば、「温かみ」という言葉を使った時に、
「それはどんなかんじですか?」
「何℃くらいのイメージですか?」
と描きながら聞いていくと、話しやすくなったりします。

グラフィックを使ったビジュアライズには、共通言語を見つけていく
違いを分かって、それを楽しめる力があると感じました。
今は「多様性が生まれるなぁ」と感じていて、どんどん使ってみよう!と思っています。

共創VPの講師、出村沙代さんが伝えていた「必要な時に必要な技を出せるように」という言葉。
その言葉がくみっきーに強く響き、使い時をかぎ分け、有効な手段を精度高く持ち出せることを意識するようになったそうです。


~共創が自発的に生まれる場とは?~

「役割をもってチームで共創する関係性を築きたい」
そう考えたくみっきーは、共創VPがはじまる4月、ご自身にいくつかの問いを立てました。

1.必要な時に繰り出せる技を増やすには?
2.「必要な時」を判断するには?
3.共創が自発的に生まれる場とは?
4.余白の作り方

これらの問いには、どんな背景やつながりがあったのでしょうか。

(くみっきー)
私は、スポーツで例えるとMVP(最優秀選手)に選ばれるようなNo.1プレイヤーを目指していたような時期があり、カリスマ性やプレイヤーとしての高い技術や能力が、リーダーシップにつながり、チームとして成果が出せると思っていました。

でも答えがない不確実な課題に取り組む場合に、自ら問いを立てて、0(ゼロ)から1(イチ)を生み出す時に必要なのは、多様な人が集まり、役割をもってチームで共創することだと気付きました。

リーダーの能力の限界がチームの活動限界になってしまうと、出来ることの範囲が限られてしまうと思います。

1が10になり、100になる時には、一人だけではゴールにたどり着けません。
そこには、役割をもってチームで共創することが必要になってくると思います。
多様な人たちと共創するために、私自身はその人たちが動きやすくなるように、監督目線を持つようにしています。
そのためには、『作業分担』ではなく、『役割分担』が必要なのだと、共創VPを通じて感じました。

『作業分担』と『役割分担』の違い

(くみっきー)
共創VPでは、場をホストする人、オーガナイズする人、その場の対話の実りを収穫し、参加者にお返し(ハーベスト)する人がチームとなって動いていました。
けれど、その役割は固定ではなくて、時によって役割がスイッチしたり「この役割に挑戦したいです!」といって立候補できたりする。

私は、仕事をするうえでその人にとってプラスになるギフトをしたいと思っています。

ですが、今までの仕事では、役割分担したくても時間がなくてタスクしか渡せないことがたびたびありました。
それってある意味、「信頼していないのと同じなのかな?」と思っていて、
作業分担だけでは、タスクをこなすことばかり優先されてしまい、挑戦や成長など育成的な持続する関係性が築けません。

これからは、役割分担をして、もう少し人の想いを聴きあいたいと思っています。

現在、若手社員を育成する立場でもあります。
これから成長する若者たちには、その人たちが挑戦してみたいことに立候補できるように、「どんなキャリアにしたい?」「どういうことをやりたい?」と事前に確認することで、手を挙げやすい環境を作るなど、その人の挑戦が後押しされたり、一回り成長できるギフトを渡したいと思っています。

また、その人へのプラスのギフトだけでなく、私自身の眠っていた能力が目覚めたり、いつか挑戦したいと思って温めていたことが、誰かの手によってブラッシュアップされ、実現された経験があります。

その、お互いへのプラスのギフトが生まれることが、共創なのかなと。
だからこそ、関わる人たちとタスクだけでつながるのではなく、想いを聴きあい、役割を分担する。

想いを共有しているから、縦割りではなく、必要な時に自在に役をとれる。
そんな共創の形が「素敵だな」と思っていて、そんな関係性を築いていきたいと思っています。


ご自身の問いから見えてきたこと、探求したいこと

多様性の中で、その人の役割の違いや特徴がビジュアライズされ、多くの人に伝わるように。
それが実現するように、必要なものを見極めるためにも、ビジュアライズを活用していきたいと、くみっきーは話します。

(くみっきー)
多様な人に伝えるためには、自分自身が多様性を知っている必要があります。
そのために、いろんな人に会い続けること、そして、1回で諦めないことを大事にしています。

その人からいただくメッセージにどう応えるか。
メールの文章やテキストもビジュアライズのひとつだと思っています。
時間がない方が、パッと見て伝わるように、1枚にまとめるのもビジュアライズの特性だと思っているので、瞬時に視覚的に理解できるような見せ方も探求していきたいです。

また、やり取りの窓口になってくれている方のバックグラウンドについても、なるべく想像するようにしています。
このメッセージには、もしかしたらこんな背景や事情があるかもしれない。
そう考えるだけで、答え方の準備や選択肢が広がります。

一つ一つのやりとりの中に、いろんな返し方があってもいいかな。
その中で、共創VPで学んだことを生かしていきたいなと思います。


共に共創する人の「やりたい」が生まれるよう、ビジュアライズを実践していくくみっきー。

必要な時に、必要な技を出すという彼女の実践から、多様性のある共創の大きな輪が生み出されつつあるように感じられました。

今回は、第5期共創VP受講生のくみっきーインタビューをお届けしました。

今回で、『ビジュアルプラクティショナーたちの実践』インタビューレポートは終了です。
三者三様の実践に、皆さんはどんな可能性を見つけられたでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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