見出し画像

ビジュアルプラクティショナーたちの実践#1 ~みんなが自分らしく力を発揮できる組織作り~前編

こんにちは。ハーベスティングチームのぶんです。
風が少し気持ちいい季節になってきましたね。

第5期「共創型ビジュアルプラクティショナー養成プログラム(以下、共創VP)」の、大きなブレスが閉じられました。

共創VPってなに?ビジュアルプラクティショナーってなに?という方はこちらの記事をご覧ください。

第5期共創VPの受講生は、日々ご自分のコミュニティや、会社、地域など様々なフィールドでビジュアライズを実践している方たちです。

そんな皆さんの実践は、ご自身やコミュニティに響くだけでなく、きっとどこかの誰かにも「ピン!」と来るものがあるはず。

そのようなことを願い、受講生の皆さんへ、共創VPを通じて得てきたこと、実践していることをインタビューしました。


(こちらの記事は、共創型ビジュアルプラクティショナー養成プログラムの実践の一環として作成しています。)

#1 みんなが自分らしく力を発揮できる組織作り~猫神さんインタビュー~

猫神さん(仮名)

インタビュー第1弾は、猫神さんです。
猫神さんはご自身の経験から『心理的安全性』を追求し、勤め先の会社で実践し続けています。

どうして心理的安全性を追求しているのか。
ビジュアルプラクティスとは、どんな関係があるのか。
共創VPがはじまる前、2023年4月に開催された1DAYワークショップ「ビジュアルプラクティスへの入り口」で猫神さんが自ら立てた「みんなが自分らしく力を発揮できる組織作り」という想いを中心に、伺ってみました。

ワークショップ詳細についてはこちら

『心理的安全性』と『ビジュアライズ』には親和性がある

(猫神さん)
4月のワークショップを受けてみて、「やっぱりそうだな」と感じました。

ワークショップ参加者同士の対話から、心理的安全性がない場面に遭遇し苦しんだ経験の声が多くあがったことには驚きました。
ひょっとしてここに集まってきた参加者たちは、実は心理的に安全な環境で働きたい!と、過去の自身の経験から強く思っているメンバーが多いのかもしれないなと感じました。
共創VPでフリートークを重ねていくうちに、『ビジュアライズ』も、『心理的安全性』も最終的には同じような場所を目指しているように思えてきて。
今は、両者には親和性があるという確信を深めてきています。

心理的安全性とは、

・対人関係においてリスクのある行動を取っても、「このチームなら馬鹿にされたり罰せられたりしない」と信じられる状態
・メンバーがネガティブなプレッシャーを受けずに自分らしくいられる状態
・お互いに高め合える関係を持って、建設的な意見の対立が奨励されること

心理的安全性 最強の教科書-ピョートル・フェリクス・グジバチ (著)

のことを指します。
なぜ、猫神さんは心理的安全性を追求し、ビジュアライズに親和性を見出したのでしょうか。

自分らしくいられるって、すごいこと。

(猫神さん)
なぜ心理的安全性に強い思いを持っているのかというと、私生活での過去の体験がきっかけです。

結婚して数年たったころ、パートナーとちょっとしたことで始まる諍いが絶えず、毎日のように喧嘩してしまっていて。
だんだんと自分の意見や自分の本心を出さなくなっていきました。
それは、まるで檻の中にいるような感覚で、本当の自分を押し殺し、自分らしい自分が出せなくて辛い・・と感じながら生活していました。
(今は楽しく過ごしています)

今は、当時に比べたら本当の自分らしく毎日を過ごせるようになって。
自分らしくいられるって、すごいことなんだと。ありがたいことなんだなあって思いました。
今、私の周りにはそのように、仕事や家庭で自分らしい自分でいることができず、苦しんでいるように見える人たちがいます。
また、海外のメンバーと心理的安全性について対話した時に、どの国でも同じような経験、「特に上司との関係において心理的安全性で『ない』」場面を経験している実情が見えてきました。

それなら、私自身が行動しよう!と思うようになって。
自分が行動しないと、変わらない。
思い切って上司に、「毎月の部門全体会議で、もっと多くの人が声を発したり、対話をしたりする機会を増やし、部門を活性化するための全体会議設計をしてみたいのですが」と提案し、OKがもらえたので早速行動に移すことにしたんです。

社内でのビジュアライズの実践

(猫神さん)
まず、部門全体会議の中で少人数のブレイクアウトセッションを多く実施し、その時々の色々なテーマを部門メンバー同士で繰り返し対話する機会を持つようにしました。

以前は、あまり積極的に皆の前で自分の考えを話さなかったメンバーも、だんだんと「自分の意見を言っていいんだ」と感じてもらえるような雰囲気作りができたと思います。
以前は、もしかすると閉鎖的なオフラインコミュニケーションでの愚痴・不満だったようなものが、皆それぞれが考えていることについて、声をあげる・対話をする取り組みを継続したことで、「組織をもっと自分らしく楽しく働ける組織に変えていきたい」という想いをお互いが持っていることを感じられた安心感が生まれ、会議などオープンな場所での建設的な意見、本音ベースでコメントが多くなっていきました。

次に、パートナー会社の力をお借りして、ビジュアライズを活用しながら、部門の課題について小グループで対話をしてもらい、それをグラフィックレコーディングを描いてもらう取り組みを実施しました。

そして、そこで作成された模造紙を部門のリーダーシップチーム会議に持ち込み、メンバーとそれを眺めながら、何が部門の課題なのかについて対話を行いました。
その際に、私自身が当時グラフィックレコーディングに挑戦し始めていたので、グラフィックレコーディングで対話の様子を描きました

その結果、「皆が個人個人で働いていてメンバー同士の連携がない」「リーダーシップチームとその他の部門メンバーそれぞれの想いにボタンの掛け違いがある」など、部門の課題が具体的にビジュアルとして可視化されました。
それをきっかけに、「コンサルティング会社に入ってもらい、第三者的にアセスメントしてもらい、根本的に改善していこう」という話になったのです。

当初は「個人それぞれでの働き方となっていて連携がない=業務プロセス非効率や業務分担の曖昧さの改善」という目的設定でしたが、プロジェクトを進めるにつれ、「みんなの自主的な行動につながるような、みんなが本当に腹落ちする目標がない」「それぞれのメンバーの言動・行動に対して実はお互いに不満を抱えている」など、別の側面が見えてきました。
そこに向けて、さらに深く切り込んでいきましょうという流れになってきています。

このような現在の取り組みにつながった転機を振り返ると、ビジュアライズの存在がとても大きかったと感じています。
全体会議のグループワークでのパートナー会社のグラフィックレコーディングと、リーダーシップチーム会議での私自身が実施したグラフィックレコーディング。
もしこの2つのビジュアライズの実践がなければ、今行っている変革の道のりは、これほど上手くは進んでいなかったと感じています


猫神さんの実践、後編(リンク)へ続きます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?