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「若い人は権利ばかり主張する」について

「最近の若い人って、たいして仕事できないのに権利ばっかり主張するから一緒に仕事しててイライラしちゃう。」

母の口癖である。同じ部署に少しでも気に食わない人がいると、すぐなにかと理由をつけて傷病休暇をとってしまう人がいるのだそうだ。そりゃ真面目に仕事している側からしたら頭にくるだろう。

そんな人がなぜクビにならないかというと、ほら、あるでしょ、クビにならない仕事が。じゃあなんでそんな人がその仕事に就けるの?って話だけど、田舎だと未だに親族のコネが使えるらしい。困ったものだと思う。

権利を行使すること自体にはなんの問題もないけれど、権利を盾に周りから何も言えない状況を作って自分の意見を押し通すスタイルをとるのは、卑怯だと感じてしまう。弱者側に敢えて立つことで、誰かに何か言われたとしても、「病気なのに傷病手当とらせてくれないんです!」と言ってしまえば、苦言を呈した側の問題になってしまう。

ただ難しいのは、権利を行使して良いかどうかの境界線は、人によってグラデーションだということだ。母は「心の病気で何回も何回も休む人は仕事に合っていないんだから辞めたらいい」というけど、傷病休暇という仕組みがあるのだから、制度上の問題はないということになる。

母も何度も病気で傷病休暇を取っているし、困った時に休みを取れるようになっているのは、休みが必要な人にとって本当にありがたいことで、「何度も傷病休暇を取れないようにしよう!」ということになれば、母だって困ったと思う。


制度に関することではないが、私も今そのグラデーションで悩んでいる。それも、母が言う「最近の若い人」側で。

先日出社した時に、上長に「今度チームで旅行したいなと思うんですけどどうですか?」と聞かれ、休みの日に会社の人と会いたくない私は、「会社の人と旅行なんてそんなの苦行じゃないか」と思ったのだけど、つっぱねるのも申し訳なくて、「あー、旅行。いいですね……。」と、言葉だけで見れば行きたい人みたいな返事をしてしまった。

これはなにかエビデンスがあるわけではないけど、年齢層が高くなるに従って、会社の人との旅行に対する抵抗感が薄い人が多い気がしている。両親世代まで上に行くと、「若い頃は慰安旅行とかがあって、みんなでわいわい楽しかったんだけどな」という人まで出てくるから驚きだ。

あまりにも考え方にギャップがあるから、会社の人と旅行することに抵抗のない人からしたら「慰安旅行に行きたくない」なんて発想自体がないのだろうし、逆に休みの日まで会社の人と会いたくない人からすれば「会社の人と旅行に行って楽しいという気持ちが一切理解できない」となってしまうのだろう。

できる社員、かわいがられる社員がどっちかと言えば「旅行に行く社員」ということに間違いはないと思うし、「旅行に行くのだって仕事のうちだ」と考える人もいると思う。

でもな〜〜、絶対に行きたくないんだよな〜〜、気を遣って観光地を楽しむこともできなかったら、お金を出して添乗員さんやってるみたいなもんじゃないのさ、なんとか断れないかな〜〜……。

「最近の若い人って、たいして仕事できないのに慰安旅行にも付き合ってくれない。」なんて思われたらどうしよう。いや、それくらい思われても別にいいな?

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