「理解のある彼くん」を生贄に得た幸せは、長続きしなかった
女性加害者のための自助グループCo3(シーオースリー)代表・さりたもです。このグループでは、以下のような悩みを抱える女性に向けたプログラムを展開しています。
いわゆる「メンヘラ」と「理解のある彼君」だ/だった
パートナーから離婚や別れを切り出され、パニック状態にある
自分の育児が虐待にあたると児童相談所や警察から伝えられた
誰と付き合っても長続きしない
友達が少ない
自己肯定感が低く、パートナーに暴言や暴力のかたちで意思を伝えてしまう
育児や仕事、家事でいっぱいいっぱいで、自分の感情をコントロールできない
PMSや産後鬱などが理由で、子供やパートナーに情緒不安定な面を見せる
💎
「メンヘラと理解のある彼君」の結婚生活が破綻するまで
Co3代表である私・さりたもは、自他共に認める「メンヘラ」でした。メンヘラだった私は、学生時代に付き合っていた夫と、そのまま結婚。「理解のある彼君」という言葉を初めて目にしたとき、これは夫のことだ、と強く腑に落ちたことを覚えています。
もちろん、メンヘラが籍を入れたからといって、急に言動を変えられるわけではありません。結局、見捨てられ不安や過去のトラウマが刺激されたとき、そして心身の疲労が起こったとき、私は夫にDV行為をしてしまっていました。
💎
私が夫にしてきた加害行為は、以下のようなものです。
殴る
蹴る
家具などを投げつける
包丁を突きつける
無視する
人格を否定する
家族や友人の悪口をいう
怒鳴る
皿や壁、ドアなどを壊す
私物を捨てる
家から閉め出す
仕事に行かせない
自称行為をする
子供を傷つけると脅す
子供の前で喧嘩をする
子供にメンタルケアをさせる
子供を叩く
見捨てられ不安を植え付ける
どうみても、最悪の妻ですね。
警察を呼ばれたことも何度もありますし、離婚の話は幾度となく持ち上がりました。
💎
夫はもちろん「理解のある彼君」ですから、彼が考えつく対策法は全て取ってくれていました。
でも、私自身に変わる意思がないのですから、彼の努力は全て徒労に終わるのです。
甘えさせてもダメ。適度に距離を取ってもダメ。突き放してもダメ。
8年に及ぶ格闘の末、夫はついに、私を置いて子供達と実家に戻ることを決めました。
💎
「夫は、もう私と一緒にいたくないんだ」
「子供とも会えなくなるんだ」
と気づいたときの、足元から世界が崩れていくような感覚、こんなに苦しい思いをするぐらいなら、産まれてきたくなかった、と心から思ったことを覚えています。
そこから私の、暴力や暴言に頼らないコミュニケーション方法への学びが始まりました。
「理解のある彼君」を見つけたら終わり、ではない
メンヘラにとって「理解のある彼君」を見つけることは、一種の白馬の王子様幻想に近いものがあるのかもしれません。
毒親やいじめ、虐待、犯罪被害のトラウマを受けながら、それでも生き延びてきた私たち。「普通」の女性にはどうしてもなれない、いわゆる「社会不適合者」としての自分。
それら全てを受け止めてくれるパートナーの存在に、私自身、どれだけ救われたか分かりません。
💎
ただ、私たちメンヘラは基本的に「誰かが犠牲になることで、誰かが幸せになる」という構造の社会で「犠牲」になることを強いられてきた生き物です。
だから、私たちが幸せになろうと思うとき、そこには常に「誰を犠牲にするか」という思想が見え隠れします。
そうして犠牲になるのは、私たちを全て理解してくれるパートナー、もしくは子供。
「生理中はイライラしてしまうけど、仕方ない」
「産後はイライラするけど、仕方ない」
「育児をしているとイライラするけど、仕方ない」
そんな「仕方ない」をいくつも重ねて、DVを続ける私たち。そして、優しさからDVに耐えてくれるパートナーたち。
でも、理解のある彼君を犠牲にした私たちの「幸せ」は、いつか破綻します。破綻しないならそれは、あなたがかつて受けた苦しみを、同じように再生産しているだけかもしれません。それって本当に、「幸せ」なのだろうか、と私は思うのです。
だから私たちメンヘラは、人生のどこかのタイミングで必ず「誰も犠牲にせず、自分も幸せになるための方法」を学ばねばならないのだと私は考えています。
自助グループへの参加やnoteのフォロー、支援をお待ちしています
日本には現在、DV加害者女性に特化した自助グループは存在しません。
私自身、DV加害者のための自助グループに参加し、とても救われていました。暴力に頼らないコミュニケーション方法を身につけるために、誰かと一緒に支え合ってみませんか。
現在は立ち上げ期間として、自助グループのメンバーを募集しています。興味のある方はnoteのコメントや、以下のメールアドレス、もしくは問い合わせフォームからぜひご連絡ください。
✉️ charmof3rd @ gmail.com
いつもありがとうございます。現在、オンラインコミュニティの立ち上げを予定しております。持続的な活動のため、サポートをお願いいただければ幸いです。