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【クラス紹介】ネイチャーダイブクラス(有田 麻梨奈さん・上村徹雄さん)

震災の記憶を持ち、豊かな自然に囲まれたちいさな漁師町・岩手県 陸前高田市にある学び舎、Change Makers' College

こちらは、カレッジで行われているクラスを運営しているコーディネーターが、そのクラスにかける想いをお伝えする記事です。

今回は、「ネイチャーダイブクラス」を担当する有田 麻梨奈さん・上村 徹雄さんです

クラスについての詳しい情報は、こちらの記事をご覧ください ♪ ⇩

【Change Makers' College(CMC)とは】

対話と自己選択を大切にしたクラスやシェアハウスでの共同生活、町の方との関わりなどを通して、多様な仲間と共に、持続可能なライフスタイルを探求する学び舎です。
デンマーク発祥の成人教育機関「フォルケホイスコーレ」とも協働して学び舎づくりをしています。
<Change Makers' College ホームページはこちら

*注意*
この記事の最後に、鹿を解体している様子を写した写真があります。苦手な方は、お手数ですが最後まで見ないようにご注意ください。
(再度、写真を掲載している場所の前に注意書きがあるので、そこまでは是非引き続き読んでください…!)


ー自己紹介

【有田 麻梨奈】

大阪府出身の有田 麻梨奈(ありた まりな)です。

新卒で入社した会社に居ることに違和感を抱き、半年で退職、CMC5期(220年度の冬に開催)に参加しました。

CMC卒業後も、広田がその時の自分にとって一番居心地がよく、暫く広田でこれからの人生選択を考えようと思っていたら、気付けばSETの一員となり、ここで暮らし働くことになりました。

現在は、コミュニティビジネスチームで、パーマカルチャー農園や地元食材配達サービスの運営、企画設計、お菓子づくりなどを行っています。

また、狩猟免許も取得し少しずつ少しずつハンター活動もすすめています。

【上村 徹雄】

はじめまして。
CMCのキャンパスがある、陸前高田市 広田町に移住して2年目の、上村徹雄(うえむらてつお)です。

CMCを運営するNPO法人SETや広田町との出会いは2019年3月、CMSP(Change Maker Study Program)という1週間の町おこしプログラムを大学の後輩に誘われたことでした。
チームで目標に向かっていくプロジェクトを経験したことがなく、そんな熱い経験をしてみたい!という想いが始まりでした。

CMSPの説明会に参加した時、自分が他の誰かには伝えることができなかった、恐怖や恐れを初めて聞いてもらって安心した経験は今でも鮮明に覚えています。
これが自分が生きたい生き方に変えていく転機になっています。

CMSPのスタッフSETメンバーとして1年間活動する中で、今まで20年間感じてきた自分自身や社会への違和感を少しずつ変えていける。変えていくという心持ちになりました。

2020年4月に東京から広田に移住、改めて自分の生き方を捉え直す期間を過ごしました。
考えすぎても仕方ないのにドツボにハマってしまって約二年経ってしまいました(笑)。。

結局自分とは何かと言われると、正直よくわからないし答えも出ない。

なので、私というものを決定するのは周囲の人にしてもらうことにしています。
ただ、決断し、そのラベルによる不自由さも面白がりながら、囚われ続けないよう日々生きていようと思っています。

現在ネイチャーダイブクラス以外では主にNPO法人SETのコミュニティビジネス部にて、3つのことに携わっています。

・パーカルチャー農園【限りなく多様な生態系をデザインする学問】
・地域経済循環を起こすきっかけとしてのマルシェの運営
・市委託の草刈り

広田町に滞在しているデンマークの家族と、
パーマカルチャー農園で一緒に作業をする様子

どれも、環境の資源を生かしながらただ廃棄され使われなくなるものよりも、新たなつながりや資源が生まれたりすることで、視点を変えるとどれも使えるものに見えてくる、そんなところが非常に面白いです。

引率としてクラスコーディネーターたちも参加した、修学旅行での2人

ーなぜこのクラスをしているのか

【有田 麻梨奈】

自然との繋がりが世界の見方を広げてくれ、そして自然が本質を教えてくれると思っています。

私達は自然をあまりに知らないと思います。
実際に、小さなころから自然と共に暮らしている人は少ないのではないでしょうか。

かく言う私も、小学生の頃、近くの小さな森を探検したり公園の木登りをして遊ぶことはあっても、本来自然との繋がりの中で行われていた食べ物の生産や排泄物の処理などは勿論全て家の外で誰か/何かがしてくれていて、沢山の便利な家電と共にあり、日々の暮らしは自然とのつながりの中にはなかったです。

自分のことを考えることはとても大切です。

ですが、自分の内面ばかりを考えていると、どんどん外の世界が見えづらくなっていき、結局自分のことも見えなくなっていくと思っています。

私達は個人の人間である以前に、地球の上で様々な生物と生かし合っていく存在です。

自然は、「私達がどこからきたのか」「私が何が好きなのか」「私が大切にしたいこと」「私が恐れていること」を教えてくれます

遠い昔に人々が暮らしの中で見つけ感じていたものを、今、自分なりの距離・ステップで自然に近づき、触れていくことで、「生と死」をアップデートし、これからの自分を生きるきっかけになるといいなと思っています。

私自身が自分の世界の見方をアップデートしていき、そして、それをCMCに参加してくれるみんなと一緒に探究していきたいです。

森の中で”シェルター”を作り、そこで一晩を過ごす(希望者のみ)
というクラスを行ったときの様子

【上村 徹雄】

先述した、このクラス以外に携わっている他の3つのことの世界観にもつながりますが、
好きな自然の中で生きる力を養いながら、生や死通して世界の見方を問い直しながら生きていたいから」というのが、このクラスを始めた理由です。


ークラスで何をしているのか

【有田 麻梨奈】

自然の中に自分を見出し、自分の中に自然を見出していくことをします。

そのために、自分の身の回りにある”資本”に触れていきます。
生命それ自体を体感しながら、身の回りにあるものに意識を向けます

パーマカルチャーの考えを取り入れながら、9つの資本「生命、社会、経験、知的、文化、精神、余裕、金融」の観点をベースに探究・体験し、自分と自然について理解を深めていきます。

”パーマカルチャー”とは、パーマネント(永続性)と農業(アグリカルチャー)、そして文化(カルチャー)を組み合わせた言葉で、永続可能な農業をもとに永続可能な文化、即ち、人と自然が共に豊かになるような関係を築いていくためのデザイン手法。

NPO法人SETが行うパーマカルチャー事業をサポートしてくださっている
PERMACULTURE CENTER JAPANさんのホームページより引用 

具体的にクラスで行っている内容は、以下のようなことです。

・自分にとって人生の友となる石を自然の中に入って探す
・鹿を捌く
・森の中で、自分にとって居心地の良い居場所を全て森の中の物から作る。そして夜そこで寝る
・自然の中の命を取り込み可能な形に変換してくれる「土器」を山に土を取りに行って、作る

土器を成形して、カレッジのアトリエにて乾かしている状態

身の回りには、いろんな資本がある中で金融資本に偏りが出ている現状ですが、私たちはいろんな資本に影響を受けながら生きています。

金融資本以外の資本に目を向けて、バランスよく感じ探求することで、自分が生きている状況やこれからどのように生きていきたいのかを選択したりするベースになるといいなという想いがあります。

土器は、カレッジのシェアハウスから徒歩10分ほどのところにある浜で
野焼きしました
野焼き後、熱を冷ましているときの様子

【上村 徹雄】

クラスだけでなく、自分がしている様々なことについても、思い通りにならないことは山ほどありますが、苦労とはあまり感じていない気がします。

あえて苦労とするのなら、言葉を交わすことそれ自体の難しさを感じています。

クラスでは、普段以上に言葉を用いないコミュニケーションや体験を通して僕が見る世界を見てもらったり見せてもらうことをしています

ークラスで大切にしていること

【有田 麻梨奈】

自分たちが楽しむ事。

そして、自分が人間であることを忘れない事。

パーマカルチャー農園で、音や感触などの身体性に集中を向けるクラスを行ったときの様子。

【上村 徹雄】

自分達を含め、それぞれがやりたいことを大切にしたり
個人的な目的は持ちつつも、何かへの到達を求めていないこと。

何より、自然と人が分かれて存在する訳ではなく、そのどちらにも両方の特徴が内在していることを観察し感じ取っていくことです。

つくりたい社会も今は明確にはありません。

それぞれがいつの間にかしてしまっていること。
私たちがいつの間にかそうしていたことに気づき、方向を微調整していけたらいいなと思っています。

寂しさや無力感がありながらも、誰しもがそれを抱えているということに気づき、それを日々忘れずに生きれば、近くに生きる人と豊かに生きられるのではないかなと。

最後に、自分にとっても誰かにとっても一つの問いとしてこの文章が残れば幸いです。

何かを選択する際の間が増えること。
大切にしたいことが大切にできる時間が増えたらいいなと。

お知らせ

今回 コメントを書いてくれたネイチャーダイブクラスの2人もクラスを担当するイベント、「ジャパンホイスコーレDAY 2022 @陸前高田」への参加お申込みを受付中です!

<開催日時>
2022年9月17日(土) 13:00~9月19日(月・祝) 12:30
<場所>
Change Makers' College キャンパス
<費用>
30,000円(1day参加→5000円、東北6県にお住まいの方→ 27,000円)
*宿泊費・プログラム期間中の食費などを含みます。
<人数>
10~15人(最小遂行人数5名)

くわしくは、こちらの特設サイトをご覧ください!
(お申込みも、上記の特設サイトからアクセスいただけるフォームにて受け付けております。)

「ジャパンホイスコーレDAY2022@陸前高田」スケジュール

2人は、2日目のパーマカルチャー講座を担当します。
コンポストづくりなどを計画しています。

少しでも興味がある方、質問や相談がある方などは、是非お気軽にお問合せください!

【お問い合わせ先】
changemakerscollege@gmail.com
(SNSのダイレクトメッセージなどからのお問い合わせでも大丈夫です。)


*注意*
この記事の最後の部分に、鹿を解体している様子を写した写真があります。苦手な方はご覧にならないようにご注意ください。
(これ以降の文章は、他の記事などにも載せている、SNSなどに関する情報です。)


ウェルビーイングの学び舎「Change Makers' College」では、現在 次期(2023年4月~)のプログラムの参加者を募集しています!

1か月に1回、説明会を開催しています。
8月の説明会は、8月31日20:00~開催!

こちらのイベントサイトより、お申込みください♪
(個別の説明会も随時受け付けております!個別日程での参加をご希望の方は、こちらのフォームよりお申込みください。)

Change Makers’ College <HPはこちら>

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クラスで、鹿をさばいたときの写真。
苦手な方もいるかもしれませんが、コーディネーター2人が是非にと提供してくれた写真だったので、せっかくだからと思い、掲載しました。
こちらは去年度の様子

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