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読んで良かった本5冊(異性とのかかわり編)

Photo by yuriponzuuさん


恋愛・性という言葉がうまく説明できないので異性とのかかわりを主に描いた本、というカテゴリで紹介する。
※Amazonのハイパーリンクを埋めてあります。

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
森見 登美彦

古風な文体と物語の軽快さが非常にくすぐったく、読んでいて楽しい。
人間のしょうもない煩悩をここまでやるかというくらいに難解に表現する。カオスである。
”侃侃諤諤(かんかんがくがく)”という単語が小説の中で使われているのを初めて見て興奮した。作者の知性が遺憾なく流れ出していてずっと溺れていたい。
本書に限らず、彼の著書の舞台は京都であることが多いのだが、森見さんの文体と京都は最高のマッチング。四畳半神話大系もおすすめである。

僕の好きな人が、よく眠れますように (角川文庫) 
中村 航

 これが、きっと愛なのだろう、という感覚を持てた。
大事な人を大事にしたいと思わせる力がある。
似た雰囲気の本は、きみはポラリス (三浦 しをん)パラレルワールド・ラブストーリー (東野 圭吾)ぼくは明日、昨日のきみとデートする (七月隆文 )



ボクたちはみんな大人になれなかった
燃え殻

いわゆる切なめの恋愛もの。ベタ感は否めないが若い恋愛の痛々しい感じがリアルに伝わってくる。


恋愛学で読みとく文豪の恋 (光文社新書)
森川友義

こちらは小説/エッセイではなく新書である。過去の名著を取り上げ、彼らの恋愛傾向や裏に隠された意図を考察していく。
取り上げられている作品は、森鷗外『舞姫』、川端康成『伊豆の踊子』、田山花袋『蒲団』、武者小路実篤『友情』など。個人的には、『蒲団』『伊豆の踊子』が非常に興味深かった。
その時代ならではの事情と描写の整合性をうまくとりながらも、現代の私たちにも非常にわかりやすく面白く書いてくださっている。これを読んだ後、もう一度あの名著を手に取りたくなる。



少女ABCDEFGHIJKLMN(河出書房新社)
最果タヒ

詩で有名な最果さんだが、小説もとっても素敵である。昨年末に渋谷で開催された「最果タヒ展」では最果さんの言葉に囲まれてすごく神聖な時間を過ごすことができた。散財した。
私の好きな詩が2つある。

詩そのものカード

【画像】最果タヒ展 「われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。」詩そのものカード「望遠鏡の詩」より

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でも私はきみが絵なら、
冬の寒い日に薪代わりに燃やしていたと思うよ。
【画像】最果タヒ展 「われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。」モビールそのものブックマーク「優しさ編」より


最果さんのほかのおすすめは、かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。愛の縫い目はここあたり。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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