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精神科に勤める看護師です! 趣味は筋トレ! 「自分が健康であるからこそ、患者の健康を守ることが出来る」がモットーです(^^) ほのぼのした日常のなかにも役立つ医療の知識、意欲を引き出す啓発など発信していきます。 皆様宜しくお願いします!

最近の記事

アルコール依存症専門病棟②/否認の病という悲しさ。

 アルコール依存症は否認の病と言われている。厚生労働省のe-ヘルスネットには、”自分が依存症になっていると認めないこと”だと記載がある。 ・飲酒の問題を全く認めない。 ・問題を実際よりも軽く考える。 ・飲酒をコントロールできないことを他の原因に求める。 ・最初から諦めて結果的に飲み続ける。 なども含まれるとのこと。否認は自分が深刻な状況にあるということから身を守るための心理的な防衛機制の一種であるとも記載されている。  アルコール依存症治療専門病棟にて、新規に入院してくる患

    • 精神科病棟の闇③/帰れない、動けない、伝わらない、治らない。それでも死なせない。/身体合併症病棟にて。

      ③ADL(日常生活動作能力)を落とすという概念  ADLを向上させる、という言葉は看護学生であればほぼ必ず看護計画として立案し、それについてどうすればよいか自分で勉強したりグループで話し合う機会は何度もあるだろう。医療従事者ではない方に向けて言葉を変えると、ADLとはベッドで体を起こしたり、車椅子に座ったり、食事を自分で食べる動作をしたり、といった本来自立しているのであれば出来る基本的な生活の動作が、その患者がどの程度出来る力があるのか、という話をするときに使われる言葉である

      • アルコール依存症専門病棟①/ベンゾジアゼピン系の認識が異なる

         アルコール依存症専門病棟に異動になって4ヶ月目。急性期に分類されているが、これまでの精神科病棟とは異なることが多く、新たな発見と、認識を改めなければならないことを知る。  その1つに、ベンゾジアゼピン系(脳に鎮静作用として働くマイナー・トランキライザー)薬剤の、ロラゼパムの認識である。定期処方に入っていたり、抗不安薬として頓用薬処方される薬だが、この病棟に来るまでその薬効を感じることはなかった。看護師間では、「ペッツのほうが効く薬」や、「プラセボゼパム」などと揶揄していた。

        • 精神科病棟の闇②/帰れない、動けない、伝わらない、治らない。それでも死なせない。/身体合併症病棟にて。

           精神疾患の長期臥床患者が入院する病棟(精神身体合併症病棟)において、”闇”と形容する状況を説明するため、以下にその要因を挙げる。 ①一般科病棟と比較して配置スタッフが少ない。  精神科特例、という法的な枠組みがある。自立した患者層の病棟であるならばそれが不適切であるとは思わない。自立した患者層でスタッフが行うことは、体温と脈拍を測って記録する、入浴する患者を見守る、食事の摂取や薬の内服を見守る、買い物に行っておやつを代わりに買ってくる、喫煙に行く患者のタバコライターの貸し出

        アルコール依存症専門病棟②/否認の病という悲しさ。

        • 精神科病棟の闇③/帰れない、動けない、伝わらない、治らない。それでも死なせない。/身体合併症病棟にて。

        • アルコール依存症専門病棟①/ベンゾジアゼピン系の認識が異なる

        • 精神科病棟の闇②/帰れない、動けない、伝わらない、治らない。それでも死なせない。/身体合併症病棟にて。

          精神科病棟の闇①/帰れない、動けない、伝わらない、治らない。それでも死なせない。/身体合併症病棟にて。

           東京八王子にある精神科滝山病院での患者虐待事件のニュースを知っているだろうか。NHKの特集番組にもなった。医療従事者も一般の人もそのニュースを知ってかなり衝撃を受けた人が多いと思う。8割が非常勤の看護師で構成された病棟で、映像では看護師からの暴言暴力が患者に向けて行われていた。あり得ない、という感想、あってはいけない、という問題意識が当然の感覚だと思う。仮に医療従事者で、かつ精神科での職務経験を持っている人でも、必ずしもその闇の部分に触れる機会があるとは限らない。自分も知ら

          精神科病棟の闇①/帰れない、動けない、伝わらない、治らない。それでも死なせない。/身体合併症病棟にて。

          看護師を目指す利点③/”辞める”選択がある人生の強み

           どの仕事だろうと辞める権利はあり、強制的に働かされることはない。正論だけど実情とは異なると思う。辞めたくても辞める選択肢が浮かばない、辞められない事情がある、など。  自分の場合は公務員を辞めてはいけないという育ってきた中で生まれた固定概念と、ある程度の収入があり他でその収入を得ることが出来ないのではないかという発想から辞める選択肢が浮かばなかった。世間知らずだったことは愚かだと思うし、辞めた経験を持つ側、もしくは自分の能力に自信を持っている生き抜く自由がある側の人からした

          看護師を目指す利点③/”辞める”選択がある人生の強み

          看護師を目指す利点②/看護師はいつでもどこでも働ける

          ①看護師はどこでも働ける。 ②ほぼ同じ給与水準で働ける。 ③様々な働き方ができる。  現状と今後数十年に限れば、看護師の需要が下がることはなく、慢性的な人材不足は続くだろう。ある程度の人口がいる都市なら間違いなく、田舎であっても選ばなければ働き口がない状況はあり得ない。  自分が過去看護師資格を取る前に、職探しをした際の状況を踏まえて話したい。学歴は高卒で、年はその当時26歳、公務員を退職したが公務員は雇用保険未加入のため、失職した際の手当や教育支援制度など受けることが出来

          看護師を目指す利点②/看護師はいつでもどこでも働ける

          看護師を目指す利点①/志がないとなってはいけないのか?

           准看護師3年、正看護師3年、計6年間の病棟看護師の経験を終え、次のステップに向けて就職活動中。御礼奉公も終わり、一区切り付いたと自分では思っている。看護師になるまでを振り返りつつ、看護師を目指す人に向けて、看護師になる利点を伝えることが出来たら、と思う。  ちなみに、自分は子供の頃に病院の看護師さんに…とか、親が医療職だったから…とか、看護師という病気の人を助けることができる仕事に憧れて…とか言う綺麗な志からこの仕事を目指したわけではない。なので、そういった方や、今やりがい

          看護師を目指す利点①/志がないとなってはいけないのか?

          看護師賠償責任保険の重要性を伝えたい⑤/顛末/部署異動

           顛末がついてから3ヶ月ほど経った。すぐに書くことが出来なかったのは動揺と環境の変化での消耗からだった。  肩透かしな顛末だが、結局家族からの訴訟は無く、これまでいた精神科身体合併症病棟からアルコール依存症治療病棟へと部署異動の命令が下ったことで終わった。  自宅待機をして1ヶ月経過して、看護部長より呼び出しがあった。”家族は大ごとにしたくないとのことで君本人ではなく病院からの謝罪で納得してくれた。君には明日からアルコール治療病棟へ異動してもらうことになった。”と告げられた。

          看護師賠償責任保険の重要性を伝えたい⑤/顛末/部署異動

          看護師賠償責任保険の重要性を伝えたい④/弁護士への相談・心療内科受診・自宅待機期間開始

           弁護士へ今回の件を相談した。その際のやり取りは省略するが、受けた助言などを要約すると、自宅待機を命じられたのであればその根拠と理由と期間を書面でもらうこと、会話の録音データは合法ではないが仮に裁判になった場合に証拠として有効である、とのものであった。そして、やっていないことを認める書面は出すべきではない、とのことであった。  時間が経過した今だから冷静に考えることができる。看護部長と事務長に脅された、傷害事件になれば看護師免許を失うことになるかもしれない、謝罪して家族への感

          看護師賠償責任保険の重要性を伝えたい④/弁護士への相談・心療内科受診・自宅待機期間開始

          看護師賠償責任保険の重要性を伝えたい③/ 虐待の冤罪/患者家族へ謝罪文提出指示

           看護部長が一旦退室して、再度今度は事務長と共に入室してきた。事務長より、以降のシフトは白紙とし自宅待機するように指示された。給与は保証するとのことだった。もう月末であり、来月以降のシフトはどうなるのか聞くと、看護部長より、「今はシフトのことを気にしている状況じゃないだろう。家族対応が最優先だ。」と窘められた。しかし、自分にも生活があり、予定もある。混乱している中でも、冤罪のような一件で自身の生活に不安が差すことに理不尽を感じた。  自宅に帰り、待機しているといろいろなことを

          看護師賠償責任保険の重要性を伝えたい③/ 虐待の冤罪/患者家族へ謝罪文提出指示

          看護師賠償責任保険の重要性について②/虐待の冤罪/精神科病棟にて。

           対面している虐待防止委員会のスタッフは公認心理士であるとのことだった。委員会は設立されて間もない。武山病院の事件の報道があった後くらいに設立された。回覧にて知っていたが、自分には正直関わりがないことだと思っていたため、関心が無かった。  公認心理士(以降スタッフA)が言うには、病棟にて勤務しているスタッフが、写真の女性患者(以降患者A)の腕に内出血が見られた、と。そして患者Aに事情を聞いたところ、スタッフに叩かれてできたものであると話したことからヒアリングを行なっているとの

          看護師賠償責任保険の重要性について②/虐待の冤罪/精神科病棟にて。

          看護師賠償責任保険の重要性喚起/虐待の冤罪!精神科にて。

           ある夜勤明け、昼ごろ、自宅に帰って寝ているところに電話がかかって来た。相手は看護部長。今から職場に来るように、と。明け方に急変があって仮眠できず、ひたすら心マした疲れから爆睡してたのに…。    職場に行き、看護部長より、普段使わないような別室へ通された。そこには見たことはあるけど話したことはない、そんな医者とスタッフ1名が待っていた。  なぜ呼ばれたんだろう、と看護部長の電話を受けて職場に来るまで考えていた。もしかしたら、今日朝急変したおばぁちゃん、蘇生処置とかそのあとの

          看護師賠償責任保険の重要性喚起/虐待の冤罪!精神科にて。

          自己肯定感が全て! 構成要素は ①自分を好きでいること ②自信を持っていること ③楽しんでいること

          自己肯定感が全て! 構成要素は ①自分を好きでいること ②自信を持っていること ③楽しんでいること

          精神科身体合併病棟35:小静副師長は美しい

           魔性の女ってB型かO型に多い気がする。なんでだろ。B型は天性のものがあってかつその不安定さに人が惹きつけられるんだろう、O型はその精神のブレなさ、積み上げてきた重みに魅力がでるんだろう、とか思ってる。  一昨年、病棟の副師長だった小静副師長はまさに天然の魔性の女だった。50代、美しい容姿、華やかで優しい雰囲気。誰かに紹介するとき、バファリンとかける。「半分は優しさでできてる。もう半分はなんだと思う?…美しさだよーーー!」って。  フワフワしてる雰囲気、天然で人の話を秒で忘れ

          精神科身体合併病棟35:小静副師長は美しい

          精神科身体合併病棟34:セッちゃんはいじられる

           今年で身体合併病棟3年目。寝たきりになってしまったセッちゃん。一昨年いた病棟では出来るだけ歩かせようとスタッフみんなで関わったが、今いる病棟は出来るだけ転ばせないように、と柵を4つつけて寝たきりにする方向性。身体は衰えていく、けれど事故のリスクは減る、スタッフの労力は減る、もともと意識低い系お婆ちゃんのセッちゃんは今の方が気楽そう、などなど考え出したらキリがないし時間も足りない。正解は分からない。現状はもう歩けないし車椅子にも乗ることがなく寝たきり、食事もほとんど介助になっ

          精神科身体合併病棟34:セッちゃんはいじられる