看護師を目指す利点③/”辞める”選択がある人生の強み

 どの仕事だろうと辞める権利はあり、強制的に働かされることはない。正論だけど実情とは異なると思う。辞めたくても辞める選択肢が浮かばない、辞められない事情がある、など。
 自分の場合は公務員を辞めてはいけないという育ってきた中で生まれた固定概念と、ある程度の収入があり他でその収入を得ることが出来ないのではないかという発想から辞める選択肢が浮かばなかった。世間知らずだったことは愚かだと思うし、辞めた経験を持つ側、もしくは自分の能力に自信を持っている生き抜く自由がある側の人からしたら馬鹿馬鹿しい考えだろうと思う。だけど実際、周囲にはメンタル疾患に罹るまで出勤してある日休職する人や、昔自殺してしまった先輩もいた。だから仕事を辞める権利を身近に感じることができる環境は人生において本当に強みとなると思っている。自衛隊にいた頃、理不尽な暴力は日常だったし、酒の席では宴会芸を強要された。刑務官であった頃、人間性を否定されるような叱責で自信を失った。それでも公務員は一度辞めたら戻れないし、辞めたら自分の価値が無くなってしまうような感覚があった。仕事に自分の価値や尊厳を依存して今思い返して異常だな、と思うが、同じような人は今の時代においてもいるのではないか。
 看護師になって本当に良かったと思うことは、表題の通り辞める自由が身近にあるということ。それは圧倒的な求人の多さと同じような待遇、どの領域においても誰かのためになれるという意識に裏付けされている。人間関係で悩む人や仕事の質や量で悩む人が看護師の仕事の悩みで周囲に多いように感じるが、人間関係で悩むなら転職すればいいし、仕事に自分の能力が追いついていないなら勉強するか領域を変えればいい。
 自分の意思で辞めることができる、それは自分の意思で今働くことを選択していると認識できることと同じ。数年看護学校に通うことでその自由を享受できることを伝えたい。たとえ看護師の資格を取って数年働いて辞めても、いつかいつでも戻れる。その権利だけでも十分なコスパだと確信している。
 
 

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