あのさ、そこにあるそれ、卵巣だよ!?〜両性具有/半陰陽者の奇妙な生態〜②

忘れ始めている。

昨年の今ごろは、まだスキンヘッドの男性の姿でいたはずなのに、そんなことはほとんど思い出せない。


ほんの1年前のわたしは

鏡を直視することさえ

できなかった。


なのに、その、

『鏡を直視できない』

とは、どのような感じなのか、

いまのわたしには、

もう思い出せないのだ───────。




自分で自分の現実に着いていくのが

難しく思えるくらいに、

予想外の速度で

女性化が進んでいる。



わたしの本名(下の名前)を知らない人からは

女性として認識されるのが

もはや当たり前になってしまい。



自分でも

鏡を見ていて。

いくらなんでも

この姿で男性だと言い張るのは、

どう見ても無理があると感じる、、、、、、、。






医師の診断を受けていないので。

現代的な常識の範囲内で言えば、

半陰陽/両性具有なんて

『すべてはわたしの妄想である』

という可能性も、残る。




とはいえ。

こんな異常な速度で女性化が進行するのは、

どう考えても

女性ホルモンの力だけでは不可能であり。

やはり、

わたしの体内、骨盤の内側には、

わたし自身の実感どおりに、

子宮と卵巣があるのだ───────。






いまは、

毎日欠かさず女性ホルモンを

投与しているから。

いかにわたしは両性具有と言ったところで

男性機能は死んでおり

実態は、ほぼ女性。



それに対して、

男性として生きていた時代は

戸籍上はれっきとした男性でも、

男性ホルモンと女性ホルモンが中途半端にバッティングしてしまい、男性としての性的成熟はほぼ不可能な身体だった。










では

前回のつづきです。




思春期はおろか、

なんと20歳を迎えても

まだ『射精の仕方がわからない』

ままでいたわたしは

同世代の健全な男性たちが

エロ動画やエロ本に熱をあげている

こんな時期に、

なんと、

不妊治療の本を読んでいた。




不妊治療、というだけで

無条件の前提として

女性のほうに原因があるとして、

女性の身体を精査する記述がたくさん。


そんななかに、

一部分だけ、

男性不妊についての記述もあるのだが。


兎にも角にも、

『精液を採取して調べてみましょう』

というものばかりで。


どこをどう探しても

『射精の仕方がわからない』

という症例などなく

もちろん対処法もない。



そんななかで。

(10冊以上読み漁ったうちのほんの1冊のなかの)ほんの1箇所だけ、


精液を採取することが不可能なら

精巣にメスを入れて調べるしかない。


という記述を発見。


あぁぁ!


これを読んだだけで、

トラウマになった💦💦💦




なんというか、

今はもう少しマシなのかもしれないけど。

今から10年前の時点で、

すでに1冊100円の古本になっているような

古い時代の医学書というのはですね。

なんというか、

医者がやたらと態度がデカくて、

患者を実験動物ていどにしか思っていない。

読んでいるだけで、

気分が悪くなってくるほど。



そんな横柄で傲慢な文体で書かれた、

『精巣にメスを入れるしかない』

という記述に

わたしはひどく打ちのめされてしまった。



そうして、

条件反射的に

『それだけは絶対やめて!』

と思い──────。

子どもなんか一生産めなくてもいいから、

勝手にわたしの身体に

メスを入れないでほしい!!!



気持ち悪い医者の気持ち悪い記述に

気持ちの問題としてだけではなく、

身体そのものが気持ち悪くなって。


『メスを入れる』と

宣告された

その場所を、

皮膚のうえから

両手で守るようにして

押さえこむと、

わたしは

その場にしゃがみこんでしまった、、、、






でね。

そのときに

手で押さえて守ろうとした場所が

じつに、

骨盤の内側なんですよ。



いつも、

幼い頃から、

そこにそれがあるという

(触覚的な)実感があって。



少し経って、

冷静さを取り戻してから、

考える。



精巣、がある位置は、

いわゆるおちんちんの玉袋、精嚢だ。

じゃあ、ここにある、これは何??







顕在意識と潜在意識、という区別は

そのジャンルを知らない人には

不必要に難しい専門用語に思えるかもしれないが。



『潜在意識では』

わたしはわたし自身が両性具有者であり、骨盤の内側には卵巣があることを、生まれつき、知っていた。

それに対して、

『顕在意識で』

自分の卵巣をはっきりと知覚したのは

このとき。

不妊治療の本を読んだとき。

─────なのです。



それに、まぁ。

『男性として』

射精の仕方がわからないから

不妊治療の本を読んでいるはずなのに、

条件反射的な反応は、

メスを入れられるくらいなら

一生子どもなんて産めなくてもいい!

って、まったく

『女性として』

の反応なんですよね。

いま思い出してみれば、

男性は射精して種付けして、終わり。

あとはすべて、妊娠→出産は女性の仕事。

という男女のちがいについて、

自分は『種付けだけして終わり』

の側なのだということに、

イマイチ気づいていなかった、、、、、、。



まぁ、

今となっては、

ようするに

どちらも不可能な不具な身体だ、

ということは、理解してますけどね😭



それでも、

いまでも瞬間的な反応は、

まるっきし女性のそれです。

すこし時間が経って、

思考力が追いついて初めて、

『そっか今は男性の身体なんだ!』

と理解が追いつく感じです。





顕在意識/潜在意識という言い方をやめれば、

『心の奥底では』

わたしは自分が両性具有者であることを

初めから知っていた。

それに対して、

そのことを

『頭で理解した』

のが、

この不妊治療の本の一件

だと言えます。



なんだ、

どーせ、治療なんかできねーんじゃん!

ということに憤って、

これらの不妊治療本は、

かなり短期間で、

ぜんぶさっさと処分しました💥💥💥





それにしてもさ。

たとえば

しあわせそうな顔をした、

お腹の大きくなった、

『これからお母さんになる』

女性たちが

いっぱいいる

産婦人科に、

『堕胎のために』

ひとりで行く

女の子の気持ちが、

わたしには、

すこしだけ、

わかるよ。




※※※※※※※※※

いただいたお金は女性ホルモン剤の購入に充てさせていただきます。プレマリン・ヴァージナル・クリーム、シテロン、エチニラ、マレフェetc