射精の仕方が分からない!!? 〜両性具有/半陰陽者の奇妙な生態〜①
長編シリーズの第1話です。シリーズの途中から有料記事にするかもしれません。
男性嫌悪が染みついているわたしは、
純男性(生まれつきの男性)が何を言っていても、聞こうともしなかったと思うのだが。
性同一性障害をカミングアウトしたことで、
わたしにもトランスジェンダー(MtF)の友人知人ができてくると、
いままでだったら知る余地もなかったいくつかの情報にも、自然と触れることになってしまい。
その結果として、驚愕の事実に直面させられることになった。
わたしのなかでは、
男性時代はもう過去であり、
すでに終わっているので。
こんなこと、
どうでもいいといえば、
どうでもいいんですけど。
重大な発見。
つきつめればあたし、
男性としての性欲を持ったことは、
一度もなかった!?
①女の子が好きで、
②まかりなりにも射精もできた
ので、
男性時代は、
いちおうふつうに
自分も男性のつもりでいたんだけど。
いま思うと、
こんな程度では、
ぜんぜん足りてない。
いまさらながら、
『男として』女の子とつきあうのは、
絶望的に不可能な身体だったのだと、
思い知らされています。
LGBTのなかでも、
①トランスジェンダー(MtF)で、
②同時にレズビアンでもある
という場合(通称:MTFレズビアン)。
これって、一見すると、
(LGBTは異常ではないという声はさておき)
本人が黙っていれば、
ふたつの『異常』が相殺されて、
『正常な』異性愛者を偽装できる、
という利点があるように思える。
ほんの2年前まで、
わたしもそういう立場にいたんだけど。
はっきりいって、これは地獄です。
単純な話、
彼女は純女(生まれつきの女性)である、
という事実に、
だんだん、
耐えられなくなってくるから。
あまりにも羨ましすぎて。
じっさいに、わたしは、男性時代に経験したすべての恋愛(相手は女性)を、最終的には自分から破綻させてしまいました。
彼女と仲良くなればなるほど、
彼女が『女である』という事実が、
耐えがたいものになってくるのです。
MtFレズビアンの当事者のなかには、
『男性として』そーゆー経験をさせられ、
生き地獄を味わった人は、
かなり多くいると思います。
(※お心当たりの方は、よかったらコメントください💖)
でもね、
わたしの場合、
それに加えて、
もうひとつ、むちゃくちゃ過ぎる悪条件が追加されていたことに、いまさらながら、思い知らされてしまいました─────。
性同一性障害、という『病気』は、
基本前提として、
『本人がガマンできるなら』
(人生ぜんぶが偽装だらけのニセモノでいいなら)
客観的には、なにひとつ問題などない。
というところに、難しさがあります。
MtFでいえば、
本人が
『不本意ながらも、男性として生きる』
と決意して、
生涯その誓いを守れれば、
『客観的には』
何の問題も起こらない─────。
ところが、
わたしの場合、
ほかに半陰陽/両性具有という
別の重篤な疾患を抱えており。
それは専門用語では性分化疾患とかインターセックスとか言うらしい。医師の診断を受けてないので、正式名称はわからないのですけど。
ともあれ、
当時のわたしは、
『かろうじて精液らしきものを出せるようになっていた』
とはいえ、
それは、
『男性機能』
と、呼べるものとは、
程遠いものだったのではないかと。
いまさらながら、
思い知らされました。
わたしは自殺願望が激しくて。
いつ死んでしまうか分からないから、そのまえに、わたし自身の『特殊すぎる』境遇について書き遺しておきたい。
という趣旨に照らせば、
両性具有者/半陰陽者だったわたしの、
『男性機能』『射精能力』については、
まさに、
記録に残すべきものだと思います。
こんな特殊な身体、特殊な事例は、
なかなかないでしょうから、、、、。
わたしは1月5日生まれで、
ことしの1月5日で30歳を迎えました。
その前年、29歳の秋ごろに、
女性ホルモン投与の成果で
『射精機能が止まった』ときは、
とても嬉しかったですね。
こんなもの、
生涯二度といらないと思った。
だから、
わたしを『男性として見る』なら、
『20代にして打ち止め』
ということになります。
ちなみに、
生涯最後の発射のときに出てきた液体は、
どう見ても精液と呼べるものではなく、
硬質のローションのようだった。
それはさておき。
20代の始まりの瞬間。
つまり20歳の誕生日の時点では、
『まだ精通しておらず』
どうやったら射精できるのか、
わからない状態でした。
つまり10代の時点では、
どれほど性欲が湧いても、
それをどのように扱ったらよいか、
まったくわからないまま、
ただ悶々として過ごしていたのです。
そりゃあ、『とにかく射精できれば』男としてしあわせなのか、って。そんなことはないことくらいは、わたしにもわかります。
そうは言っても、
射精能力も発現しないままで、
『男として生きていく』とか、
絶対不可能でしょう??!?
『男として』これは自殺したくなる充分な理由にはなり得ると思います。この記事を読んでいる男性の方は、
①射精能力がとつぜん無くなることや
②射精能力がそもそも芽生えなかった場合
について、
ぜひぜひ想像してみてください💕
こんな異常な境遇に置かれていても、
わたしが意外と平然としていられたのは、
とどのつまり『性自認が女性だったから』
つまり
男性であることは仮の姿にすぎない、
と理解していたから、でしょうね。
およそ男に生まれて、思春期を過ぎても射精の仕方がわからないなんて、これは死んだほうがマシな事態だと言えるのではないでしょうか。まさに、気が狂いそうになる、という表現が相応しいと思います。
でも実際のところ、このときは抑鬱感は酷かったものの、気が狂いそう、という感じではなかったのです。
21歳か22歳、一生そのままかと諦め切っていた頃に、とつぜん精液の出し方がわかってしまい、それからしばらくの間は当然のように毎日オナニーしてましたが、その時期がいちばん錯乱しており、人生の危機でした。
『どうせわたしは男ではない』
と覚悟を決めた頃に、
何の因果か、何の悪意か。
とつぜん『わたしは男だ』ということになってしまったからです。つづく。
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