見出し画像

母のワンピースとスウェーデンの壁紙。花柄と花柄な夏のある日

日が落ちて涼しくなりはじめた時刻。母の手づくりワンピースにビーチサンダルをはいて、会社帰りの父の車を迎えにいく。母とふたり、アイスキャンディーを片手にテクテクと。威勢のよい虫の音は、8月の下旬にもなるとちょっぴりせつなげな秋の虫の音に。そうやって季節の移り変わりを感じていた。どのあたりで父と出くわすかはその日次第。プップと軽いクラクションがいつもの合図。「おかえりなさい」といって車に乗れば、ほんの数分の家族ドライブがはじまる。

「夏のおもいで」というと、この光景がパッと目に浮かびます(ところでこのとき姉はなにをしていたのだろう?とふと思う。部活だったのだろうか。今度聞いておこう)。ほかには盆踊り、花火、プール、かき氷、家族旅行……。おとなになってからの思い出なんてひとつもでてこないのに、幼少期に体験したことは色濃く脳裏に焼きついているなとしみじみ。思い出のなかのわたしはいつも、母がつくった服を着ていました。

小学校の高学年くらいになって、だんだん母お手製の洋服を着なくなったのは、好みというものがでてきたり、お店で選ぶというたのしみを覚えたりしたからなのかしら。子どもの分はつくらずとも、母は晩年までずっと自分の着るワンピースをつくりつづけていたけれど。

それはあるときから、ハットやバッグにまで発展。全身、おなじ柄で統一された姿は、なかなかのインパクトでした。

母が亡くなって遺品整理をしていたときのこと。ずいぶんとほったらかしにされていた箇所がいくつかあるなかで、手入れの行き届いたクローゼットの手づくり品には驚きました。

新品かと思うほどどれもキレイで、アイロンをかけられた状態だったのです。

全部はさすがにムリだけれど、母の大事にしていたワンピースを3着とおそろいのバッグを引き継ぐことにしました。


もう1着は形の異なるジャンパースカートで、柄が秋っぽいからもう少し涼しい季節になったら着ようと思っています。

去年の夏は、今よりももっと気持ちの余裕がなかったからしまいこんだままでしたが、今年は袖をとおしてみることにしました。

母のワンピースを着て、おうちフィーカです。

背景の壁紙と花柄が重なりました。

ここ、実は玄関です。

ゲストが一番さいしょに目につく、玄関あがってすぐのところの壁を、先日DIYしました。

『Boråstapeter(ボラスタペーター)』というブランドで、Made in Swedenのフリース壁紙です。

おさえたグレーとベージュピンク、イエローが主張しすぎなくて、それでいて華やかな雰囲気を醸しだす花柄がお気にいり。

Before
After

元の玄関とはガラッとイメージが変わりました。

「あぢー」


この記事が参加している募集

我が家のDIY

夏の思い出