カナダ人から見た、日本の就職活動。100社落ちたことが「羨ましい」と本気で言われた。
こんにちは😊
今回は、前回に引き続き、就職活動のお話です。しかし、前回とは少し切り口が違います。
先日、日本の就職活動とカナダの就職活動について、色々旦那さんとお話をしました。意見の不一致もあり、喧嘩腰の話し合いになりましたが😱(笑)学んだことも沢山ありました。
個人的に、日本の就職活動や「働くこと」について思うことはいくつかありますが、カナダからの視点はとてもポジティブで新鮮でした。
今回は、日本の就職活動とカナダの就職活動について、旦那さんと話し合ったことや私が学んだことを全部書きました。また、就職活動のノウハウなどではないですが、就職活動をする方へのメッセージも書きました。
就職活動中の方や、これから就職活動する方には新しい視点になれば嬉しいです。そして、現在、日本の社会を構築している「社会人」の方にも、今後の就職活動のあり方や、日本の「働く」を考えるきっかけになれば嬉しいです😊
カナダの就職活動。
カナダでは、日本の新卒一括採用のようなシステムがありません。大学や短大、高校を卒業後、何をするかは自由です。
私は「いいなぁ… 羨ましい。自由な選択肢があって、世間からも社会からも、何のプレッシャーもないなんて。」と思っていました。しかし、現実はそうではなかったようです。
卒業後、「仕事をしたい」「働きたい」と言う人は就職活動を始めますが、かなり「いばらの道」だそうです。(日本でももちろん、就職活動はいばらの道です。しかし、カナダと日本では少し違いました。)
まず、求人情報がオープンではない。日本で例えるなら、リクナビなどで見る求人情報がゼロで真っ白、もしくはそのサイトすらない、という状態です。
大学などで「ジョブフェア」に参加することもできます。しかし、そこは大学生だけではなく、一般の人も参加可能だそうです。
カナダでは、新卒採用、既卒採用などの概念がありません。つまり、大学でのジョブフェアでも、何十年も経験を積んだ人と一緒に並べられます。日本で言う「新卒」の人には、とても苦しい状態です。
では、カナダでどうやって仕事を探すか。それは「人からの紹介」です。周りの人に「今こういう仕事を探してるから、もし空きが出たとか、誰かが辞めたとか、採用してるとか、そんな話があれば是非私に知らせてほしい。」と伝えます。
また、ボランティアやインターンなどで知り合いを増やす方もいます。「本当にここで働きたい、この業界に興味がある」と行動と態度、そして言葉でも伝えます。
そんな話を周りにしても、タイミング良く面接のチャンスが巡ってくることは少ないそうです。
万が一、学校を卒業後に、運良く内部の人にたどり着けたとしても、よく聞く言葉がこちら。
「この仕事に応募するには、最低5年の経験が必要なんだよ。ごめんね。」
5年?!笑
今学校卒業したばっかりなのに、5年って… チーン😱 となるそうです。笑
採用してそうな会社を周り、履歴書を渡す。街を一日中歩き回る。そんな人は沢山いるそうです。
これも日本の「応募」とは大きく違うなぁと感じました。日本では、その企業が採用していることが前提で応募しますが、カナダでは採用もしていないところに、「是非私の履歴書をみてください」と自分を売り込む。どちらかと言うと無謀ですが、いちまつの望みをかけて、行動するそうです。
そんな状態で、結局大学を卒業しても、オープンで採用をしている仕事、つまりスターバックスやマクドナルドでのアルバイトから始める人が多いそうです。
カナダは、良くも悪くも「コネ社会」なんだなぁと感じました。自分の仕事のスキルよりも、誰を知っているかで就職活動が変わる。誰と仲良くなれるかで、就職活動が決まる。そんな社会だと思いました。
カナダ人から見た、カナダの就職活動。
私の旦那さんはカナダの就職活動について、こう言っていました。
「大学卒業した後は、大きな広い海原にポイっと放り出された気分だった。「自由」という海に呑まれる気分だった。何をしてもいい、と言われても、僕に何ができるって言う?」
ちなみに、彼は学生時代、接客業のアルバイトをしていましたが、それも友人からの紹介だったそうです。
「人には頼りたくない。でも人に頼るしかない。アルバイトをするにも人を頼るしかなかった。」
また、彼の家族は移民です。彼が幼い時に、フィリピンからカナダへ移住してきました。移住当初、彼のお父さんがカナダで仕事を得るのにとても苦労した話を聞きました。
「フィリピンでは僕の父はエンジニアだった。もちろん資格も、エンジニアとしての経験も、いろんなスキルもあった。その父がカナダでは、履歴書を持って街に出て、採用をしてるかしてないかも分からない会社に頭を下げて回っていた。信じられなかった。」
「父はどんな仕事でもいいと言って街を回り続けた。結局得た仕事は、家具作りだった。結局、父の履歴書なんて誰も見ていなかった。父の経歴や、経験やスキル、それがゼロになった気がした。」
ワーホリや移民としてカナダに来る人が苦労する、一番の理由はここです。知ってる人がいない、ということです。「知り合いだったら助けてもらえるんだけど、知らない人なら助けてもらえない。」就職活動において、カナダはそんな社会です。
私から見た、カナダの就職活動 。
私はカナダでワーホリをした経験があります。しかし、ほとんど就職活動をせずに職に就くことができました。
「さっき言ってたことと違う!履歴書持って街を回ったりしなかったの?」
一度もしなかったです…笑
そうです、コネがあったからです。そして、コネをしっかり駆使したからです。笑 (素直に認めます。笑)
私は学生時代にカナダに留学した経験がありました。ホストファミリーは、当時お世話になった方を頼りました。また、日本人、韓国人、ドイツ人のルームメイトができるのも知っていました。自然な流れでしたが、今考えると、この時点でもう大きなコネクションでした。笑
私のワーホリには、3つ目的がありました。1つ目はTESLという英語を教える資格をとること。2つ目は、ボランティアなどで英語を教える経験を積むこと。3つ目は、精神の安定。笑
まず、資格を取るために学校に行きました。そこで、先生やクラスメイトと仲良くなりました。最後には教育実習があり、私を担当してくださった先生とも仲良くなりました。(これもコネとなります。しかし、当時そんなことは一切考えていませんでした。)
プログラムは4ヶ月で終了。その後、英語を教えるボランティアに応募しました。留学生、難民の方、移民の方に英語を教えるクラスでボランティアを始めました。ここでも、私を担当してくださった先生と色々話す機会を頂き、仲良くなりました。(これもコネとなりました。しかし、当時はボランティアを楽しくしていただけです。笑)
ボランティアだけでは食べていけません。仕事も探さないとなぁと思っていたころ、日本人のルームメイトが日本に帰ることになりました。ルームメイトは、日本食レストランでアルバイトをしていました。
私が「そろそろ仕事を探さないとなぁ」と彼女に話すと、「私日本食レストランもうすぐ辞めるんだ。応募してみたら?」と提案され、応募しました。
面接で「〇〇(私のルームメイト)の知り合いなんだよね?話は聞いてるよ〜」と言われ、即採用でした。笑
その後、日本食レストランのアルバイトと英語を教えるボランティアを続けました。
そんな中、ボランティアをしていたあるクラスの先生から突然、「7月、8月はこっちにいるの?」と聞かれました。います、と答えると、「実は夏限定の仕事の募集が今度あるはずなんだけど、興味ある?」と聞かれました。
とてもあります、と答えると、「じゃあメールに募集要項送っておくよ。僕をレファレンスに使ってくれていいから。推薦するよ。」と…
優しすぎて、嬉しすぎて、涙が出そうになりました。笑
ボランティアをしていなかったら、この情報は私には回ってこなかったと思います。コネを実感した瞬間でした。
その週、お世話になっていた教育実習の先生にも連絡をしました。その先生も「私をレファレンスに使っていいよ。推薦するから。」と言ってくれました。人の温かみを感じたと同時に、やはりここもコネを実感した瞬間でした。
※レファレンスとは、推薦人にあたる人です。「参考にこの方の意見をどうぞ。」という意味で、お名前と連絡先を履歴書に載せる必要があります。
募集要項は、移民や難民の方に英語を教えるお仕事。夏限定でしたが、夢にまで見たお仕事でした。カナダで経験できるとは思ってなかったです。
書類が受かり、面接の日時が送られてきました。
「カナダでこんなプロフェッショナルな面接を受けれる日が来るなんて…!もう面接だけで満足、なんなら落ちてもいい(笑)、これも経験だ。」と思ったのを覚えています。
驚いたのは、面接に「課題」があったことです。
「このレベルの方に、このテーマで英語を教えるならどのようなレッスンをしますか?レッスンプランを提出して下さい。」
「このレベルの方に、このテーマで課外活動をするとしたら、どんなアクティビティを提案しますか?まとめて提出して下さい。」
面接は1対2でした。(面接官が2人。) 面接内容は、主に私が書いたレッスンプランの話や、アクティビティの話などをしました。志望理由や、英語を教える上で大切にしていること、なども聞かれました。とてもスタンダードな面接だったと思います。
私はカナダ人でもないし、落ちても仕方がない、と感じていましたが、合格を頂きました。
こんな感じで、時間はかかりましたが、日本のような就職活動や、履歴書を持って街を歩き回るような就職活動はせずに、職に就き、英語講師としての経験を得て、ワーホリを終えました。
ビザが切れていなかったら、そのまま正社員として採用されたチャンスもあったかもしれません。また、別の学校での講師としての仕事に応募ができたかもしれません。
考えてみると、この流れは日本の専門学校へ通っている方の就職活動に似ていたのかもしれません。学校で専門的なことを学び、学校と企業や会社とのコネクションを使って、仕事を探す。
カナダではちゃんと経験を積み、自信をつけてから職を得れた私の経験をもとに、「日本の新卒一括採用なんて無くして、カナダ式にすればいい!」と言った私に、旦那さんは真っ向から反対しました。笑
カナダ人から見た、日本の就職活動。100社落ちたことが「羨ましい」と本気で言われた。
旦那さんと話をするまで、私は日本の新卒一括採用に反対でした。大量のESや履歴書、集団面接、個人面接、グループディスカッション。溢れるほどの情報と噂話。
私自身、新卒の就職活動でどんどん自分を見失ってしまいました。大袈裟でも何でもなく、本当に100社ほど落ちました。笑 (自己責任ですが。笑)
社会に出たこともないのに、業界や職種のことを調べても、私に何が向いてるのか、私は何がしたいのか、さっぱり分からなかったです。
また、社会や働くことに対するイメージも良くなかったです。色んな企業を知るのは楽しかったですが、ブラック企業や残業、過労死などへの怖さの方が勝ちました。笑
私は就職活動を通して、どんどん色々見失っていったのだと思います。本音と建前の区別もつかず、溢れる情報に振り回され、履歴書とエントリーシートと面接に追われ、人から判断されることに疲れ、不採用のたびに自信をなくし、どんどん溺れていく感覚でした。
そんな私の暗黒時代の話を旦那さんにしたところ、彼からの反応がこちら。
「正直… 羨ましい。」
… ??? 羨ましい? 私の話、聞いてた?笑
ここから冒頭の喧嘩腰の話し合いがスタートです。 (喧嘩腰というか、もう喧嘩でした。笑)
彼曰く、「まずスーツを着て企業に出向くこと自体、羨ましい。プロフェッショナルなことが、学生時代のうちにできるなんて。」( 私はあの似合わないスーツがあんなに嫌いだったのに…笑)
「その上、書類も見てくれて、面接もしてくれる。そんなチャンス、カナダでは滅多にない。」
「僕の友達全員に、”カナダの就職活動か日本の就職活動、どっちを取る?”と聞くと、全員日本を取るだろう。それだけこっちの人は、チャンスがあること自体を羨ましく思っている。」
でも、でも、でも、日本の就職活動もめちゃめちゃ大変なんだから!と半ギレで反抗しました。笑 すごく感情的になって、最後はなんか悔しくなって泣きました。笑
問題は新卒一括採用ではない…? 日本の縦社会、男尊女卑、イジメ、働き方、過労死。
彼は私の一番の理解者です。彼の物の見方で驚くことは、本当にたくさんあります。彼は泣いてる私を落ち着かせて(笑)こう言いました。
「就職活動のシステムとしては、日本の新卒一括採用はいいと思う。その意見は変えられない。でも問題は、就職活動のシステム自体じゃなくて、企業が実際に面接などをする”やり方”や、就職活動の背景にある日本企業の縦社会や働き方の問題、そして差別や男尊女卑じゃない?」
…そんなところまで考えたことなかった。笑
「日本では新入社員が一番下。新入社員だから多少意地悪をされてもしょうがない。イジメ、パワーハラスメントもある。就職活動をしている学生に対しても、採用する側が上、される側が下。就職活動をしている人に対しての意地悪もある。」
「そんなのカナダじゃ許されないよ。職場で誰かを下に見た発言をしたり、パワハラやセクハラをしたり、差別したりしたら、大問題。即話し合い、裁判、もしくはした人が解雇される。」
「あと、集団面接には賛成できない。というか、考えられない。笑 自己アピールをするのは、相手企業であって、周りの就活生ではないでしょ。」
(これは企業側の都合かなぁと思います。大量の学生を一人一人面接できない、という企業側の言い分はとても分かります… でも私は集団面接が大嫌いでした。笑)
これを聞いた後、なんだかスッキリしました。 (彼の力でスッキリさせられました。笑) 確かに、と納得しました。
私自身の就職活動の頃を深く思い出してみると、確かに、就職活動自体が怖かったわけではなかったです。企業の話や仕事内容を聞くと、ワクワクすることも沢山ありました。それと同時に、緊張する場面も沢山ありましたし、「やだなぁ」と思うこともたくさんありました。
「やだなぁ」と思ったシチュエーションは、大体、就活生を見下した質問や発言をされたりしたからでした。その度に、社会への恐怖が増しました。
また、溢れるほどのブラック企業の情報や過労死のニュースにも恐怖を感じました。「入社して、蓋を開けたら、嫌な人が沢山いた、なんてことになったらどうしよう…」などと考えていました。
(実際には、どんな会社にも嫌な人だけがいる会社なんてほとんどないと思います。いい人も必ずいるはずです。いい大人の集まりなはずなので。)
私は就職活動自体よりも、その先の、働き始めた後に来るかもしれない不幸な出来事に怯えて、就職活動の頃にすでにその恐怖に支配されていたのかもしれません。
こうなると、問題は新卒一括採用ではなく、社会全体のイメージです。働くことに対してのイメージ、縦社会の現状、会社でのハラスメント、いじめ、過労死、差別、男尊女卑などです。社会の嫌なところを目にする、最初の機会が日本の就職活動なのかもしれません。
私自身、実際に働きに出てみると、社会への見方が少し変わりました。確かに「大の大人がこんなことするのか…」とガッカリするようなパワハラには合ったことがあります。しかし、助けてくれる先輩もちゃんと居ました。
カナダのワーホリからの帰国後、2回目の就職活動では、私が何をしたいかもはっきりしており、前向きに仕事探しをすることができました。採用形態はアルバイトだったものの、大手の英会話の非常勤講師になることができました。
いろんな企業を回り、英会話の授業を行いましたが、そこでは楽しく働いている人をたくさん目にすることができました。私にとってはとてもポジティブな経験でした。また、一緒に働く同僚の講師の方、本社の正社員の方も、素敵な人がたくさんいました。
輝いている社会人、ワクワクイキイキ働いている人、そんな人たちが働く企業、新入社員を大切にする企業も実際に存在するんだなぁと感じました。
どうか就活生や求職者の方には、いい企業や会社も実際に存在することを、忘れないで欲しいです。
カナダ社会の働き方。 人事部は「企業の中の警察。」
こうやって彼と話し合い、現実を見比べてみると、日本の新卒一括採用は優しい制度に見えました。みんなにチャンスがあって、情報も比較的ちゃんと行き渡ってる。
しかし、憂鬱な顔をして就職活動をしている学生を見るたびに、自分と重なり、居た堪れない気分になります。(逆にワクワクしている学生をみると、少しホッとします。)
私の旦那さんは、日本でALTをした経験がありますが、こんなことを言っていました。
「僕が知ってる学生はみんな楽しそうだった。すごく楽しい学校生活を送っていた。それが、就職したとたん一転した。働き始めると、あのイキイキした顔が消えてしまった学生がたくさんいた。若い人は日本の未来だろう?それを分かってるのに、どうして社会はそんなことをするんだ?」
どうしてと言われても…😭笑 しがらみです。縦社会です。日本の働く文化です。私もできることならどうにかしたいです。笑
私の頭だけではどうにもなりませんが、少しずつ日本の社会が良い方向に変わっていくことを願います。ここでは少し、カナダの働き方や会社のあり方などを紹介します。少しでも何かが変わるきっかけになれば嬉しいです。
カナダは横社会です。上司が上で平社員が下、企業が上で従業員が下、という認識は全くないです。「それでうまく仕事が回るの…?」と不安になるかもしれないですが、うまく回っています。
カナダの人が働く際に持っている意識は、上下関係ではなく、役割の意識です。「自分はこの役割を持っている、この役割に責任がある。」という役割分担の意識です。
上司も「自分はこの人達より上の立場だ。」とは考えません。「自分はこの人達が仕事をしやすいように、指示を出す立場だ。」と考える人がほとんどです。
一つの企業で長く働いている人は、それだけの経験がある人として周りから重宝されます。ポジションも上になります。しかし、その人自身が「私はこのポジションだから、誰かに対して権限や権威や「力」を持っている。」と考えることはほとんどありません。繰り返しになりますが、「この役割を担っているだけ」と考える人がほとんどです。
カナダでは、自分に権限や権威があると勘違いして、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントをした場合、逮捕されます。メディアに晒される場合もあり、会社にとっては大損となります。
上下意識を無くし、権威や権限をなくして仕事に取り組むと、ハラスメントや差別、いじめ、人をこき使うなど、しょうもないことに時間を費やすことは減る気がします。
もう一つ、大きく違うかもしれないと感じたのは、人事部のあり方です。カナダでは、企業の人事部は「企業の中の警察」と呼ばれることがあるそうです。
社内でハラスメントが行われたり、無理な残業やいじめなどが万が一発生すると、どんな新入社員、アルバイトでも人事部に報告できるそうです。
報告を受けた人事部は、その報告を元に調査を開始します。実際にハラスメントがあったと決まった場合、人事部は会社に報告して、会社はその人を解雇することもできるそうです。
また、企業のトップがセクシュアルハラスメントをしたケースもあり、された方は証拠を集めてメディアに報告した話を聞きました。そのトップの方は逮捕となったそうです。ハラスメント、差別、いじめなどは社会が許さない姿勢です。
私が日本で働いていた頃、ある上司からパワハラを受けました。「なんか最近目をつけられないな…」と思っていた頃、私の後輩が同じ目に遭っていることがわかりました。これはさすがに、どこかに報告した方がいいんじゃないかと考えました。
しかし、中小企業だったので人事部すらなく、どこに相談していいかも分からず、また証拠も持っていなかったため、諦めるしかありませんでした。後輩が精神を病み会社を辞めてしまった時は、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
もしあの時、カナダの人事部のような存在が身近にあったら、とても心強かっただろうな、結果が違ったかもしれないな、ひと1人、救えたかもしれないな、などと感じました。中小企業も含め、全ての会社に「企業の中の警察」を作ると、パワハラなどが横行したりすることは減り、企業にも従業員にもウィンウィンになる気がします。
就職活動中、これから就職活動をする方へ。
新卒の就職活動をしている方で、社会にネガティブな印象を持ち、働くことに前向きになれない方。そんな、当時の自分のような方に、どんな声かけができるが考えてみました。
① ネットの情報よりも、実際に見たものや経験したこと、感じたこと、自分の直感を信じる。
ネットなどで色々調べると、就職活動について色々な情報が出てきます。この記事もおそらくその一つです。そんな情報の中には、過労死などの悲しい話や、パワハラ、ブラック企業情報など、色々あると思います。
納得できる知識を手に入れるために、ネットを駆使することは悪いことではないと思います。例えば、「ブラック企業の定義」などを調べて、どういう企業をブラック企業と呼ぶのか、などを知ることは大切だと思います。
しかし、どうしても最初に調べてしまうのは「ブラック企業、一覧」や「〇〇業界 ブラック企業」などです。そうなると、そのお目当ての企業をお勧めする人もいれば、絶対就職してはいけない!など色々書かれており、混乱を招きます。
実際に私は、その混乱の末に、ブラック企業に勤める人は全員ハラスメントをする、人をこき使う、人イジメるのだと変に勘違いしていました。笑 集団リンチなどをイメージしておりました。笑
実際は、会社がそういうシステムになっており、会社にそういう風習があるだけで、全員が全員、悪人なわけじゃないはずです。(そのシステムや風習があること自体、ひどいですが…)
一番大切なことは、ネット情報よりも、実際に見た物や感じたこと、自分の直感を信じることです。
企業説明会などで、企業の情報を知ることはもちろん大切ですが、それプラス、実際に働いている人が楽しそうだったなぁ、と感じたり、仕事に前向きだったなぁと感じたりすることもとても大切です。
働いている人同士の会話や、表情などにも注目するといいかもしれません。
実際に見て自分が感じたことを信じて、自分の直感を信じて、自分のワクワク度に従う。そうすると、いい会社に巡り会える気がします。
② 採用する側と、採用される側は、同等。こちらが企業を選んでいる自覚と自信を持つこと。
採用する企業が上で、採用される就職活動生は下。それを感じ始めると、就職活動が嫌になり疲れてきます。「企業が私を選ぶんじゃない。私が企業を選ぶんだ。」という意識は、とても重要だと思います。
ブラック企業や、若い人をこき使うような企業は、こちらからお断り。嫌な雰囲気を感じてしまった場合、こちらから選考途中で辞退したほうが賢明だと思います。
現在就職活動をしている方や、これから就職活動に臨む方は、日本の未来です。大切にしたいと思う人や企業は沢山いるはずです。自分は価値があるんだと自信を持って欲しいです。
③ 色んなオプションを考える。
私は大学生の頃に、周りに流されるまま就職活動をしてしまいました。周りも全員してるものだと、なんとなく思っていました。
蓋を開ければ、就職活動をしない選択をした同級生もいました。就職活動なんてしなければよかったなぁ、楽しかったアルバイトを続けて、お金を貯めて海外に出ればよかった、と思うこともあります。
実際に、就職活動以外にも色んなオプションがあります。
•大学卒業→正社員(新卒一括採用)
•大学卒業→専門学校→正社員
•大学卒業→アルバイトや派遣社員→正社員
•大学卒業→第二新卒として就職活動→正社員
•大学卒業→アルバイト→ワーホリ→正社員
•大学卒業→正社員(新卒一括採用)→ワーホリ
などなど。
新卒一括採用の波に乗れなくても、焦る必要なんて全くないと思います。ゆっくり、これからの自分の人生について冷静に考える時間も必要です。
大学卒業したからと言って、正社員にならなくてはいけないわけでもないです。アルバイトも立派な仕事です。働くことや、生計を立てていくことに関して、まずは信頼できる周りの大人や、先輩へ相談するのもいい事だと思います。
また、いつでも退職出来ることを忘れないでください。「新卒一括採用で採用されたから、これが私の人生全てだ」と考えると、不確かな未来過ぎて、身動きが取れなくなります。
お時間があれば、こちらもどうぞ💁♀️こちらは主に、就職活動をしている方へのメッセージとなっております。
この漫画は知っている人も多いかもしれません。過労死について、なぜ死んでしまうのかが分かりやすく説明されています。
まとめ。
今回はカナダの就職活動と日本の就職活動について書きました。また、カナダの働き方についてもご紹介しました。
就職活動や働き方について、私の旦那さんと話す時、彼がよく言うフレーズがあります。
仕事が少なければ少ないほど、
ストレスが少なくなる。
ストレスが少なければ少ないほど、人は幸せである。
人は幸せあればあるほど、
仕事においてモチベーションが上がり、
生産的になる。
これは科学的に証明されつつあるそうです。
一生懸命働くことは楽しいですが、やはりライフラークバランスの大切さを実感します。
日本の未来である今の若い方たちが、少なくとも安心して就職活動をできる社会になることを願います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
Never be so busy as not to think of others.
- Mother Teresa
他人を思いやれないほど忙しくなるな。
- マザー・テレサ
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