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「誰も置き去りにしない」を目指せるコミュニティはあり得るか?

2015年に国連で策定されたSDGs(持続可能な開発目標)は、「誰ひとり置き去りにしない」と言う意思のもと、17の目標を掲げている。

個人的に、SDGsが始まる前から、世界中の誰も置き去りにされないを常に意識していろんなことを構想して足下から行動しようとしてきた。

正直、それはうまく行っているとは言い難い... けど、コロナショックという文脈でも、今こそ「誰も置き去りにしない」を実現する方法を、僕の得意分野(のはず)の「コミュニティ」で考えてみたいと思い、筆を取りました。

誰も置き去りにされない「網羅性」を確保するには?

従来の会社のようなコミュニティや、近年盛り上がっている「趣味型」や「目的型」のコミュニティには、誰も置き去りにしない「網羅性」を確保することは出来るだろうか?

答えはNoだ。

私的な意思で人工的に作られたコミュニティだと「誰も置き去りにしない」と言う目標を達成することはほぼ不可能で、そもそも趣味型や目的型のコミュニティは網羅性を目標にして作られる訳ではない。

それに、コミュニティづくりがマーケティング的な手法で行われると、コミュニティ疲れが起きやすいと言うことを以下のnoteに書いた。(乱立するコミュニティがマーケティング的なメンバーの奪い合いをすると、そこから離れたり距離を置いたりする人が出てくる)

では、どういったタイプのコミュニティだと網羅性を確保出来るかと言うと...

物理的な「地域コミュニティ」であれば、「誰も置き去りにしない」という網羅性を目指せるかもしれない。僕が10年以上前からコミュニティの中でも特に「地域コミュニティ」にこだわっているのはこの点から。

「地域コミュニティへの所属」をどう考えるか?

皆さんは「地域コミュニティ」って意識したことはあるだろうか?

地域コミュニティは意識しようが意識しまいが存在するコミュニティだと思う。ご近所とか自治体とか境界が曖昧な上にレイヤーが幾層にも重なりあっているけど、物理的にそこに住んでいるだけで他の住人と切っても切れない関係になる。治安の悪化や災害時などには、本当の意味で運命を共にする共同体になるかもしれない。

そして、会社や趣味型や目的型のコミュニティは辞めたければ辞められるけど、地域コミュニティの場合は、引っ越してその地域コミュニティを離れたとしても、引越し先で新たな地域コミュニティに所属することになる。(人里離れた森で自給自足生活をするとかなら免れるかもしれないけど)

誰もがこの条件でそれぞれの地域コミュニティに自動的に所属することになれば、その時点で世界規模で「網羅性」が達成されてることになるのかもしれない。

「地域コミュニティへの参加率」をどう考えるか?

地域コミュニティに所属してることになったとしても、置き去りにされる人は出てくるかもしれないけど、それをどう考えるか?

また、共産主義のように参加や貢献を義務化・強制することによって参加率を高めるパターンもあり得る。強制しない場合でも、コミュニティを機能させたり維持させたりする為には出来るだけ多くのメンバーの参加とコミュニティへの関わりを呼び起こす必要がある。

でも、リベラル(自由主義)な僕は、参加を強制することやメンバーをコントロールすることは可能な限りしたくないので、テクノロジーを駆使して、仕組みや運用でどこまでカバーできるのかを考えてみたいと思った。

仕組みや運用でどこまで参加率を確保出来るか?

目標は以下の4点。

* まずは参加への「アクセス」を確保する(あくまで積極的に参加するかどうかは個人の自由)
* コミュニティの状態がデータ化されて蓄積される
* 世界中の他の地域と相対的にデータの比較ができる
* コミュニティの状態のデータが誰にでも目にも触れやすいところに掲示される

コミュニティの状態のデータの蓄積して「コミュニティの価値」を数値化する仕組みは、ご近所SNSのPIAZZACommunity Value(CV)という取り組みで展開されている。

すごく興味深い取り組みで、以前、代表の矢野さんに話を聞きに行ったことがある。

ただ、この方法で限界を感じるのは、スマホやPCなどの情報端末がないと参加(アクセス)出来ないと言うこと。それに加えて、情報端末を持ってたとしても、アプリを入れてアカウントを作って使い方を覚えてアプリでアクティビティを持って...と言うのはかなりハードルが高く、かなりの積極性がないと出来ないことだ。

個人で参加ではなく、「コレクティブに参加」で考える

結論に誘導するような記事になってしまったけど、そうやって考えると、以前noteにまとめた、以下の近所の公園のモニターから参加出来て、しかもAIが自動でコミュニティの状態を蓄積してくれる仕組みが使えるのではないかと考えた。

この構想に追記したい内容をついでに書いておく。

以下の条件を満たせば、モニターの前に行かなくてもリアルタイム参加出来るようにする。(コンセプトは、あくまでその近所エリアに物理的にいる人にオープンにする)

* 予めモニターとペアリングしてアプリ登録した情報端末
* モニター周辺のご近所エリア内に物理的にいる場合(GPSの位置情報で判断)

上記の条件を満たせば、自宅にいても、モニターの前でコレクティブな入力にリアルタイム参加が出来る。

この仕組みの優れているところは以下の四点だと思う。

* スマホやPCなどの情報端末が必ずしも必要ない(公園のモニターの前に行けば使えるので、参加のハードルが低くなり、アクセスの格差が縮まる)
* モニターの中で動いているAIが、個人を特定しない範囲で存在を認識してデータを蓄積してくれる(個人情報保護などの情報セキュリティを考慮する必要があまりない)
* (仮想)プライベートネットワークで世界の公園と接続して、データを共有・比較が出来るようになる
* データが蓄積されコミュニティはアップデートされるが、それはあくまでそのモニターの周辺住民によるコレクティブな参加の結果と見做される

自分の地域コミュニティに積極的に参加しなくてもコミュニティの情報がデータ化されて他の地域と比較できるようになっており、参加したくなったらいつでも参加できる状態になっていると言うのが重要だと思う。

どれだけ「誰も置き去りにしない」を実現出来ているか?

これが、僕が考えうる「誰も置き去りにしない」を目指せるコミュニティの姿なんだけど、どれだけその目標を達成できるだろうか?

これは、あくまで僕が個人的に構想(妄想)している世界に過ぎず、いろんな人と話す中で仕組みをアップデートしていきながら、行動に移していきたいなと思っている。

もし少しでも興味を持った方はぜひZoomとかで語り合いましょう!

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