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星の出ているうちに帰っておいで*手放し*she said epi40

 ユウが“ツインレイ”の概念を知らないまま“2個で1個”と言っていたと知って驚いた。

 前から、とても次元の高い話しをするなという感覚は時々感じていた。

「一期一会の意味には、俺の中ではもう一つ続きがあって。一生に一度きりの出逢いかもしれない人と同じまで魂が成長していなければ、その大切な出逢いにも気づくことができない。だから、自分の魂を成長させることが大事なんだって思うんだ」
「悪い“気”は、俺のところで止める」
「許したくなかったら、許さなくていい。どうにかしなくていいんだよ」

 私は、ユウに出逢ってから精神世界の概念を知った。ユウはスピリチュアルはとても嫌いタイプだと勝手に感じていて、その話題を出すことを私は怖がっていたけど

 「俺たちはツインレイ」

そう聞いて、私はこれまでユウのことを信じれていなかったんだなと気付かされた。「最愛なる“偽ツインレイ”」と思い込もうとしていたんだ。私なんかが、そんな凄い存在のはずがない。私なんかでは、誰かを救えない。無意識の思い込みの癖がまだ残っていた。

 ユウと再会してから、私の気持ちは決まっていた。
「彼とは別れて、ユウに戻る」

 それしかない。でも、同時に怖さも存在していた。あの時の辛い感情がまた再燃してしまいそう。私の願いは「最愛の人と、一緒に暮らす事」ここがブレることはない。今のままでの状況では…嫉妬でおかしくなっていく自分を想像できて怖かった。だからと言って、彼との関係を続けるなんて思考は微塵もない。気持ちは一つに決まっていた。

 私がどんなにユウの事を気持ちにケリをつけようとしても、結局はユウに戻っていく。強い絆がある二人。

 私たちの関係は、周りに相談しても理解はしてくれない。だから、お互いに誰かに相談もしなくなっていた。

 誰になんと言われても、誰に会おうとも

ユウは私の“特別”

 妥協した方が楽になれると思う時もある。でも、妥協をしても楽にはならない。寂しさを埋めるだけのパートナー探しだったのかもしれない。

 答えはとてもシンプル

私は“最愛”を掴むために生まれてきた。

 子供の頃のまっすぐな気持ちのままで、欲しいと胸を張って無邪気にいれば良かった。

 私は、旅行の次の日の夜にユウに電話で私の思いを告げた。ユウは、一瞬何を言っているのかと思う程、自分から私が離れて行くと思っていた。でも、決心を固めていることが伝わると

「今度は絶対に離さないから安心して。今まで、本当に苦しませてばかりでごめん。でも、急に別れるってなったら、あっちも食い下がってくるかも。もし、カコがもう一度彼とやり直したいと思ってもいいからね。カコの思う幸せを選択して」

 どうしてそんなに自信がないのか、私には全くわからない。
「もう、私はユウとの未来しか考えられないから。ブレるなんてないよ。それに、彼とは、まだ付き合って1カ月くらいしかたってないし。数回会った程度だもん。すぐ了承すると思うよ」
 と思っていた。

 ユウとの電話の後、すぐ彼にお別れのラインをした。電話もかかってこないし、1回のターンで了承してくれた。一瞬気持ちは盛り上がったが、そんなに多く会っていたわけではない。夜の少しの間を、数回繰り返しただけ。未練が残るほど深い付き合いではない。私はそんなもんだろうと思っていたし、実際その通りになっただけ。

 ゴタゴタにならずに私はほっとしていた。逆に、私とユウを再会させるために現れた人だと感じて、感謝もしていたくらいだ。

 でも、ユウは怒りだす。
「急になんで?とか聞かないの?信じられない。何でもっと本気にならない?俺の大事なカコを、無下に扱ってたのかよ!」

 ユウが本当に私を大事に思っていることが嬉しい。でもその反面、元旦那も先生もあっけなく私を手放していることに、自分には価値がないという劣等感も出てきて、悲しい気持ちになっていた。

 誰からも大事にされない私なんかでいいの?そんなエゴが早速暴れだしている。

 再会したと同時に、沢山の揺り戻しを感じていた。これは、テストなんだと思いながらも、エゴがまだ私たちの中には強く残っていた。


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