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中年おじさんの転職活動顛末記②

この中年おじさんの転職活動顛末記は、どちらかというと中年おじさんより、これから中年に向かっていく世代向けの記事です。
まずは前回の記事を参照してください。

① 恐怖!デフレ化する労働

信じられないかもしれないが、どんなにハイレベルで高付加価値のある労働も、その価値は日々下落してくものなのです。
実際に自分はそこそこハイレベルなことやってきたと自負していたので、まさか価値が下がるわけねーだろうと思っていたし、40歳になるあたりまでは感じたことはなかった。

でも45歳で転職活動してみたら、あの地獄の日々で手に入れたスキルは見事にその価値が下落していた。

そりゃそうである。
当時50代くらいのおじさんの聖域の仕事が、仕事覚えたきゃ盗みやがれスタイルのスパルタ教育により、40代前半から30代後半の中堅どころに引き継がれ、この中堅の世代がマニュアル化することで次世代の中堅世代まであっとうまに引き継がれていくのである。

そうすると、めっちゃハイレベルな仕事だけど、同じ仕事を同じレベルで50代と30代前半がやることになったりするのである。
双方とも同じ給料ならまだいいが、そうはいかないから問題が発生する。
そうなりゃ会社は50代と同じ仕事をやってくれて、これから先も長く、給料も安い30代を選ぶわけである。
まして時代はIT革命の真っ最中。システムの性能も向上していっておじさんの出番がどんどん減っていくのである。

実際に会社に在籍しているとそんなの感じる機会はあまりないでしょう。
自分もほとんど感じることはなかった。
たまに優秀な若手を前にすると、こいつと比較されるとやばいなって思うことはあったが。

でもね、転職活動するとこれをもろに感じてしまうのです。
だって嫌でも応募先では優秀な若手と一つのポジションを競って戦うのだから。

② 自分の価値の下落に気づけなかった転職活動初期

簡単に自分の経歴を書くと、前々職では経理職でIPOの達成とその後10年以上に渡り、開示業務、税務申告関連をマネジメント含めて行っていた。
経理の部分で行くとやっていないのはIFRSの対応くらいで、やるべきことはほぼやり切っていたと思う。
前職では経理から離れるが、こんだけやってれば45歳でもなんとかなるだろうと、しかも報酬アップも狙えるだろうと
めっちゃ自信満々だった。
でも結論から言うと、6カ月も時間がかかった。

職務経歴書は盛りだくさんな内容なので書類選考の通過は9割を超えていたと思う。
そして1次面接で落ちるというのを何度も繰り返していた。
学歴や大企業勤めなどないから、面接勝負に持ち込めば可能性はあると思っていたが、その面接勝負で負けまくってさすがに病みそうになった。

何がだめなんだろうと思ったとき、どこの面接でも聞かれた質問に苦手なものがあった
「5年後、10年後どのようになってるイメージですか?」
5年後は50歳だし10年後は55歳である。
そんなリタイヤに向かってまっしぐらな頃のイメージなんてまったくないのである。
思ってもみないことを、無理やりひねり出して回答していたので、正直この頃なんて回答していたかよく覚えていない。
そもそも経理のおじさんクラスになるとリアリストなものだ
正直に回答するなら
「5年後?上場して早期開示を頑張ってます。10年後?月内開示できるくらいの体制作ってます。」
そんなとこだろうか
でもこんな回答はそれが実際の目標であっても面接官は望んでいない。
だからって、適当に熱い思いをキラキラさせながら言っても相手からなんの共感も得られず面接は終了してしまうのである。
でも前にも書いたように、いくら自分が高度なことやっていても、同じことができてしまう若手がどんどんと出てくるのである。
やれることが同じなら、他で差別化をしなければ自分の価値はどんどんと落ちていく、そして何度も面接を行い1次面接で落ちるというのを繰り返していると見えてきたことがある。
会社は40代後半のおじさんにはスキルなんてさほど重要視していないのではなかろうか?
スキルは一応見るけど、その経験を持って会社に入ってくれたなら、あなたは会社に何を与えてくれるの?
ってとこを強く問いかけられていることに気づいた。

若手の台頭による自分のスキル価値の下落。
5年後、10年後を語ることのできないビジョンの欠落

中年おじさんの転職活動はこの二つの壁に阻まれるのである。
でも、そこに気づいて克服した結果、最後は4社から内定をいただくことができました。

とりあえず今日はここまで、また後日続きを書きたいと思います。
前回と今回のの内容をまとめて中堅の方達に伝えたいことは

① 10年後の解像度を高めよう
② そのスキルの価値、下落してきます!

ではまた後日




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