もうひとつの物語の世界21, マリーンとあんこう,2/5
マリーンとあんこう
アンコウは、いまいましそうに話しだした。
「いいか、水族館と、海は全く違う世界なのだ。
むかし、お前と同じように、水族館でそだてられたという子魚にあったことがある。
子魚たちは、卵からかえって、海で暮らしていける大きさになると、何千、何万という仲間とともに、海に放されたといっておった。」
「知ってる。」
マリーンは何度も海にかえすところをみていた。
「水族館の飼育員さんが、海の資源をまもるために、子どもたちをふ化させて、海にかえすんだっていってた