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もう一つの世界、22  白うさぎ5/5

白うさぎ、5/5

 次の日の朝、四人は顔をよせて相談(そうだん)していた。
「先生、もううさぎたちと写真(しゃしん)をとってもいい?」
「ああ、いいよ。
 とってどうするんだ?」
「ちいちゃんが寂(さみ)しがらないように、一緒(いっしょ)に飾(かざ)ってもらおうとおもって。」
「それなら、パソコンで印刷してあげるから、撮(と)ったらもっといで。
かえりに、ご両親にわたして帰ればいいよ。」
 四人はうなずくと、うれしそうにうさぎ小屋に走っていった。しかし、しばらくすると、健人(けんと)だけがもどってきた。
「先生、写真を撮(と)ってよ。」
「えっ、どうして?」
「ちゃちゃもいるんだ。
 四人でうさぎをかかえたら、写真を撮(と)る人がいないんだ。」
「そうか、先生は撮(と)るほうか。」
 先生もかり出されて、写真をとらされた。
「ご両親はつかれているとおもうから、写真をわたしたら、すぐ帰るんだよ。」
 先生のやさしい声に見送られて、四人はちいちゃんの家にむかった。
 
 インターホンをおすと、しばらくして、おばさんがでてきた。泣いて眠れなかったのか、目がはれている。
 三咲(みさき)は、写真を手渡し、ちいちゃんが寂(さみ)しがらないように、一緒(いっしょ)にかざってほしいとつたえた。
 おばさんは、一枚一枚写真をみると、
「ありがとう。これでちいもさみしくないよね。」と、よろこんでくれた。
 かえろうとすると、おばさんが、
「主人がね、『うちもうさぎを飼(か)おうか。』だって。
 三咲(みさき)ちゃんのおかげ、ありがとう。」
 さいごに、おばさんが笑った。

 帰り道、奈美(なみ)が、
「三咲(みさき)ちゃん、うさぎ飼(か)ったら、あたし泊まりに行っていい?
きっと、ちいちゃんにあえるよね。」
 健人(けんと)も光司(こうじ)もたずねた。
「おれたちもいっていいかな?」
 三咲(みさき)は、ちょとかんがえて、
「いいけど、ゲーム禁止(きんし)だよ。」
「まってるあいだ、ちょっとだけ。」
 言ったとたんに、三咲(みさき)は、
「だめ!」
 健人(けんと)と光司は、がっかり。
 四人は、眠たい眼をこすりながら、つれだって帰っていった。


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