見出し画像

終戦へ向かっていく頃

暑さが増してきた。
じわりじわりと汗をかく。
雨がたくさん降る。
ジメジメとしていて鬱陶しい。

79年前の今頃も、同じような気候だったのだろうか。

雨が降る中、防空壕に入ることもあっただろうな。

戦争をしてはならない。
私たちは戦争をしない。
同じ悲しみを繰り返してはならない。

想像するだけで胸が締め付けられるような過去を
決して忘れてはならない。
傷つけたことも、傷つけられたことも。
忘れるわけがない。
そう思ってきた。

しかし、戦後60年、70年と過ぎた頃
それが遠い昔の話になりつつある危機感を抱き始めた。
経験者がいなくなってしまった世界が想像できない。
経験者が語ってくれなくなる世界が想像できない。

振り返ってみれば、それは大人から教わった唯一絶対の
教訓だ。戦争へ向かっていくような人間の思考。
その思考回路、集団心理は最も自分が嫌う形質だ。

世の中には色々な事情があるだろう。
誰かが喜び誰かが悲しむという構造もいつまで
たっても消えないのだろう。
悲しみが大きい人もいれば小さい人もいるのかも
しれない。過去の憎しみが消えない人もいるのかも
しれない。何かの目的に周囲が見えない人もいるだろう。

色々な『心』が結果として多くの人を悲しませることになるのは残念だ。

日本に限らず、世界であの戦争を経験した人が
減っているという事象が、再び戦争へ向かっていくことになるというシンプルな構造が見えてくる。
そんな単純な構造に愕然とする。

8月の日本の終戦へと向かっていく頃。
日本人として、唯一の被爆国民として
モヤモヤとするジメジメの夜。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?