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君の笑顔が見たい

顎を引き、顔を上げ、背筋を伸ばし、
にっこりと笑顔で歩いてみる。



すごく恥ずかしい。
何一人で笑ってんだろう?

なーんてことを少しでも思うと
口元が歪んでしまうので



いやいや、私が笑ってようが
仏頂面だろうが他人は関心がない。

なにより、他人がどうこう思うから
あえて仏頂面でいなければいけない理由がどこにある?


今ここで笑顔でいることも
仏頂面でいることもどちらも選べるのに
あえて仏頂面でいる理由は?




そうやって
ただ笑顔になるためだけに
なんやかんやと逡巡し
やっとこさ笑顔を取りもどす。

笑顔って、意外と難しい。






朝の散歩中どうにも気分がすぐれず

「すべてがいやだ仕事を休み
今から車をぶっ飛ばして
大観峰やら、タデ原湿原やら見に行きたい」

そんな気分の時、
あえてにっこりと微笑んで歩いてみる。

まるでここが大自然の中であるかのよう、
笑顔で心をリラックスしてみせる。


大観峰付近の夕陽


タデ原湿原の散歩道



これはもう完全に個人的な感想に過ぎないのだけど、

笑顔で歩いていると
世の中心は我である(怖)
とでも言いたくなるような、

この人生の主人公は他でもない
私なのだ、という気分になる。



でも気を抜くと
一瞬で仏頂面のしかめっつらに元戻り。


目線はコンクリート、
下を向き、眉間に皺寄せ、
への字口で歩いていると

自分の人生でありながら
モブのような気分になる。






「気分一つで世界は何も変わりゃしないよ」

「私なんかが笑顔でいたって誰も喜びはしないし」

「それよりも他人から舐められないよう、
迂闊に攻撃されないよう、仏頂面をしていなくちゃ」

「よし、誰の視界にも入らないよう気配を消そう」

なんてね、
思ったりする。



たった一人でも楽しそうに
笑っている人がたまにいる。

対向車線を走る運転席で
おじさんが大笑いしていたり、

自転車に乗った女の子が笑顔だったり、

信号待ちのおじさんがニコニコ笑っていたり。
(意図せずおじさま率高し)





あまりに可愛く微笑ましい光景で
こちらまで笑ってしまう。

なになに?何があったのー?と声をかけたくなるけど我慢。

涙は伝染するが笑顔も伝染するらしい。






笑顔になるには
笑顔になろうと言う心構えとか
精神的な余裕が必要だ。

余裕がない時期は
他人の笑顔にさえ悪態をつきたくなる。

なにより、心に伴わない笑顔ほど
辛いことはない。

そんな時は無理せず
せめて悪態はつかないように淡々と過ごす。

まずは自分を癒し
守ることだけに集中してあげる。

笑顔なんて気が向いた時でいいのだ。






接客業でもないので
基本的には面白いことがないと笑わないけど

笑顔の効果は科学的にも実証済みのことなので、もっと積極的に生活の中へ取り入れ
できれば朗らかな人間でいたいと思う。

そっちのほうが楽しいし幸せだしね。



笑顔は元手がいらない。
しかも利益が莫大。
与えても減らず、
与えられたものは豊かになる。

一瞬間、見せればその記憶は永久に続く。

どんな金持ちも、これなしでは暮らせない。
どんな貧乏人も、これによって豊かになる。

家庭に幸福を、
商売に善意をもたらす。友情の合言葉。

疲れた者にとっては休養、
失意の人にとっては光明。

悲しむ者にとっては太陽、
悩める者にとっては自然の解毒剤となる。

買うことも、
強要することも、
借りることも、
盗むこともできない。

無償で与えて初めて値打ちが出る。

デール・カーネギー

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