見出し画像

PMI速報が示す米経済の底力:ドル高シナリオと経済指標乖離の潜在的リスク  24/6/23

Yan氏で~す。
インパクト!!!

アメリカPMIを見ました
ロイターとかブルームバーグの記事を見まずにあえて原文を見ました

これですね

https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/dab295292d5a444c8f772b2b82587fa2

いつもながら、和訳にして要点をまとめてみました
ここから
S&P グローバルの PMI (購買担当者指数) 速報によると、2024 年 6 月の米国のビジネス活動の成長は 26 カ月ぶりの速さとなり、第 2 四半期の力強い終わりを示唆しています。サービス部門が成長を牽引し、製造業もそれを支えましたが、製造業の回復は勢いをやや失いつつあります。

特にサービス部門において、今年度の事業見通しに対する楽観的な見方が高まり、需要の増加に伴い操業能力への圧力が再び高まったことから、企業は 3 カ月ぶりに雇用数を増やすことを促しました。

一方、調査における販売価格インフレの指標は低下し、これは投入コストの伸びの鈍化と関連しており、インフレ圧力の緩和を示唆しています。

製造業 PMI は、5 月の 51.3 から 6 月には 51.7 に上昇し、2 カ月連続で、そして過去 6 カ月間で 5 回目の景況感の改善を示しました。2 月と 3 月の PMI よりも低いものの、直近の PMI は過去 21 カ月で 3 番目に高い数値です。

新規受注と雇用は、5 月と比較して PMI に対してますますプラスの貢献をし、仕入先の納期と在庫は、PMI に対してマイナスの影響を与えることからプラスの支援を提供するようになりました。しかし、生産からのプラスの貢献は緩和され、他の 4 つの構成要素からの利益の一部を相殺しました。

ここまですね
で、一番注目はこのコメント、最後に記載されているこれです

S&P グローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は、データについて次のようにコメントしています。「PMI の初期データは、6 月に 2 年ぶりの経済成長の加速を示しており、第 2 四半期の力強い終わりを示唆すると同時に、インフレ圧力が冷え込んでいることを示しています。」

「PMI は、経済が年率 2.5%弱で成長している水準で推移しています。需要の高まりが経済全体に浸透し続けているため、この上昇は広範囲に及んでいます。内需の強さを反映してサービス部門が牽引していますが、製造業の回復が続いており、今年のこれまでのところ 2 年ぶりの好調な成長を遂げていることから、この拡大は支えられています。」

「この調査は、雇用についても朗報をもたらしており、見通しに対する企業の楽観的な見方が改善したことで、雇用意欲が再び高まっています。」

「一方、販売価格のインフレは、5 月に上昇した後、再び冷え込み、過去 4 年間で最も低い水準の一つになりました。過去の比較では、今回の低下により、調査の価格指標は FRB の 2%のインフレ目標と一致するようになりました。」

インフレ低下ですね。7月の利下げ確率が上がったかなと思って、Fedwatchを見てみると 

6/23 現在のFedwatch

10.3%ですね。利下げの確率はまだまだですね。9月は約六割で
7月と8月の経済指標次第なのは変わりないです。

PMIを見ていると、疑問に思う方が多いと思います
CPI、PPI、小売り売上の減少はなんだったのかと。

6月のPMI速報では、特にサービス部門を中心に経済活動の成長が加速し、26ヶ月ぶりの高水準に達したことが報告されています。これは、国内需要の増加を反映しており、製造業も回復基調が解ります。
 消費者に関する事項ではないというのがポイントです。
CPI、小売売上高、PPIの低下は、需要の減退やインフレ圧力の緩和を示唆している可能性があります。これらの指標が低下しているにもかかわらず、PMIが好調であるということは、企業の景況感が依然として良好であり、生産活動や雇用が拡大していることを意味します。

つまり、経済全体としては成長を続けているものの、物価上昇圧力や個人消費の勢いは弱まっている可能性があるという解釈になると考えます

株価が下がりきらないのはこの辺りに関係しているのではないかと思います

企業つまり経営陣は裕福になり、労働者は苦しい生活が起こり始めているという、典型的な2極化が進んでいると解釈しました

アメリカはかつて同じようなことが起きています。
レーガン政権からの流れでは今も根強く今日に繋がっているいるようです

1920年代(狂騒の20年代): 第一次世界大戦後の好景気により、一部の富裕層が巨額の富を蓄積する一方で、労働者層の賃金は伸び悩み、格差が拡大しました。これが1929年の世界恐慌の一因となりました。

  • 1980年代以降(新自由主義時代): レーガン政権下で推進された新自由主義政策により、規制緩和や減税が行われ、企業や富裕層の利益が優先されました。一方で、労働組合の弱体化やグローバリゼーションの進展により、労働者層の賃金は停滞し、格差が拡大しました。

具体的には
短期的影響:(おそらく1年以内には)

  • 消費の減少: 貧困層の所得が減少すると、彼らの消費が減少し、経済全体の需要が低下します。

  • 貯蓄の増加: 裕福層は所得が増えても、必ずしも消費を増やすとは限りません。貯蓄に回す傾向が強まると、経済全体のお金の流れが滞ります。

  • 経済成長の鈍化: 消費と投資の減少により、経済全体の成長が鈍化します。

長期的影響:(利下げが終わる頃までには)

  • 格差の固定化: 教育や就業機会の格差により、貧困層が裕福層になることが難しくなり、格差が固定化します。

  • 社会不安の増大: 格差の拡大は、不満や社会不安を増大させ、犯罪や暴動などのリスクを高めます。

  • 経済の不安定化: 消費の減少や投資の停滞により、経済が不安定になり、景気後退や金融危機のリスクが高まります。

  • 技術革新の停滞: 貧困層の教育機会が制限されると、潜在的な才能が活かされず、技術革新が停滞する可能性があります。

生活基準の悪化は経済格差になり、賃金の二極化は社会不安を招くってのが王道の論理です。

当然にFEDメンバーはこんなことは知っているはずですが、なぜか、彼はインフレターゲットから頭を離さないのですね。かつての大失敗を恐れているのは結構言われています。

一応ですがボルカーショックまでの流れですが簡単にまとめました

FRB(連邦準備制度理事会)が過去にインフレ退治に失敗した例として、特に1970年代の「グレート・インフレーション」が挙げられます。

この時代、FRB議長は2名いました。

  • アーサー・バーンズ(Arthur Burns): 1970年から1978年まで議長を務めました。ニクソン大統領やフォード大統領からの政治的圧力を受け、金融引き締めが遅れたことが、インフレを悪化させたとされています。

  • G・ウィリアム・ミラー(G. William Miller): 1978年から1979年まで議長を務めましたが、インフレ抑制に効果的な政策を打ち出せず、短期間で辞任しました。

その後、1979年に就任したポール・ボルカー議長が、強力な金融引き締め政策を実施し、インフレを沈静化させました。しかし、その過程でアメリカ経済は深刻な不況に陥り、失業率も大幅に上昇しました。

1970年代のインフレ退治の失敗は、FRBの政策判断の難しさと、政治的圧力からの独立性の重要性を示す教訓として、現在も語り継がれています。

ってことが、あったので、パウエルさんは頭を抱えているのでしょうね

あとは、政治が絡んでいるのではないかと、もしもトランプ大統領が誕生したら、ドル安になるなら、それまではドル高で少しでもインフレを根絶やしにしたいという考えを、Youtubeとか記事で見ました。
なるほど、大統領選挙はここでも庶民の生活に影響しているのですね

PMIからここまで話を膨らせましたがここからは為替のお話で、ドルは、上昇する可能性があるのではという内容です

 企業景況感がここまで改善しているのは、需要があるからです。経営陣が雇用への意欲が戻って来たのはいいことですが、問題は賃金になるのではないかと思います。労働者側が売り手市場が終わり企業側が選ぶようになってきたのかもしれません。これって一見矛盾するのですが、生活を維持するためにダブルワークをしているのが多いアメリカ。稼ぐためには多少の賃金低下も我慢しないと移民に取られてしまう事態になりかえないです。転職者の数が減ったのもデーターで出ているのですね。賃金上を見越しての転職ではなく、安定志向に入ったと私は考えます。一部のエンジニアとか貴重な人材は変わらず取り合いの状況は変わりませんが、ウォルマートの店長がたしか給料がかなりの高額(日本円で月収100万近いはず)でも不満で止めていくような事態を考えるマネージャークラスになると稼ぎがガラッと変わるのでしょう。この辺りも不満の連鎖になるのではないかと思います。

 話がそれましたが、4月から6月の第二四半期GDP速報を考えながら、紐解いていきます。

アメリカGDP成長率

7月の4~6月のGDPが2.9%を上回るかどうかですね。
確かにCPI、PPI、小売りが探しましたが、大元の企業がまだ元気だとするなら、一時的なものかもしれないです。GDPの7割が内需消費国です
改めて小売りをもう一度見てみます

米国小売推移

単純計算ですが、1~3月の小売りの合計が
1月 -1.1 2月0.7 3月0.5 合計すると 0.1になります
では4月と5月は
4月 -0.2 5月0.1 合計 -0.1です
6月の小売りが0.2以上なら、単純ですが、第1四半期を上回るはずです
本当に単純ですで申し訳ない、実際には複雑な計算があるのは知っていますができないので、何か比較がないかと思った次第です。
7月16日の6月小売りの内容が、今後を左右するのではないかと考えます。そして7月25日のGDPで、ある程度は方向が出る可能性があると私は考えています
 

後は米金利10年物が低下している理由ですが、確かに、一般的に長期金利の低下は、将来の経済成長に対する期待の低下や安全資産への逃避を示唆し、経済減速の兆候と解釈される私もそう思っています。
 しかし、今回のPMI速報において、サービス部門の将来見通しに対する楽観的な見方が5ヶ月ぶりの高水準に達し、長期平均を上回っている点は注目に値します。

もしかしたら、生活費圧力の緩和や金利低下への期待が背景にあるとされているのではないかと考えます。
 つまり、将来のインフレや金利上昇への懸念が後退している可能性があり、必ずしも経済減速の兆候ではなく、アメリカ人的なとても前向きな考えでは、ソフトランディングの成功を見ているのかもしれないですね。
そういったセンチが6月に出ているなら、小売りの改善も起きているのではないかと

また、金利低下は、量的緩和政策や景気刺激策などの金融政策の結果である可能性もあります。金利も下がり、アメリカ経済は加速する可能性が出てきたのではないか思う次第です

もう一つは、雇用統計です。今回のPMIのレポートが本当なら、雇用統計は悪化はしていないはずです。
おそらく、欧米のマーケット参加者の分析はあるていど、ドル買いに傾いていると思案致します。
 ユーロ、スイス、カナダが利下げしているのも大きい。利回りは低下しているのはドルだけではない。政策金利を下げている時点でドルが圧倒的優位であることも忘れていけない。
そうなると利上げスルスル詐欺の円も総合的に考えても円は160円オーバーも容易に想像できます。ユーロは6月のアノマリーが終わればドルにしばらくの間売られてもおかしくない状態ではないかと思います。ポンドも政権交代での通説で労働党ではポンド安になるという流れができるならって感じですが、財政出資が大きくなるようなので苦しいのではないかと。スイスは1.25%の政策金利です、となると利下げしたスイスフランは大きなリスクオフイベントがないかぎり弱いと考えます。
 ちょっと失敗しましたね。失業保険が悪化すると思って、USDCHFのロングを利確したのは早計でしたね

PMIの結果でここまで大きく変わるとは思えないですが、色々と思案しました。私なんかより頭の良いFEDの面々はもっと分析しているのでしょう。株価が上がってもインフレのが上がらないのであれば、ようやく利下げを選ぶのではないかと思います。CPIとPPIに注目が行くわけですね

いろいろと景気後退のお話が多くなったアメリカですが、雇用が無ければ賃金はもらえない。お金がないと消費できない。繰り返しますが失業率が4%になったのと消費が下がったので景気後退懸念が出始めました。
FOMCではそれらこと全て踏まえて据え置き
ブルームバーグ 6/13

年内予想は1回になったのですね。
となると現在はドルが優位な状況だと思えます。
6月の最後の日、私は金沢ですが、ドルを仕込めるタイミングを探します。
期間ですが、長くはなく、雇用統計は乗り切れても、CPIはキツイと思います。6月29日のリバランスが終わった後からISMを乗り切れば7月10日まではドルは好調かなと考えています。

あれ、またまたドルを書いてしまった
こんな変則的なアプローチはユーちぇるさんもYEN蔵さんもしないと思うのでいいかなと。1週回ってドルが強いって論法です

外れても文句はなしです。私の考えです。実際には月曜日にはあっさりとドルを売るかもしれないのですからね。タイミングも重要です

そんな感じです

あとがき
 PMIだけで相当に時間を使ってしまった。ドル安って考えが先行していたので、頭の切り替えに時間がかかったのかなと。26日23時の米国住宅新築販売が悪化を期待しているのですね。ここで押し目を作ってくれるとドル買いをしやすいなと。雇用は良い結果になるようなきがするのです。

あ~。日経オプションを書きたいのですがいつになるのか。と、小麦を調べたいのですが時間が足りない(笑)、猛暑が来ている。

以上

宣伝
NOTEフォローは100人でYOUTUBEデビューを考えています
モチベーションアップにもつながりますので
こんな記事ですが、フォローをお願い致します

ついでにXもお願い致します。

よろしくお願いします。

#やん #ヤン #Yan氏 #Yan #ファンダメンタルズ #fx #フォロワー #ロング #ポンド #BOE #スイング #ベイリー #政策金利 #UK #ショート #ロング #EUR #ECB #ドル #経済指標 #PMI #スイス #スイスフラン #SNB #利下げ #ドルスイ #USDCHF




 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?