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運動でうつ病が改善?

はじめに

最近、運動不足だと体調や気分が落ち込みやすくなる…と感じたことはありませんか?

実は、運動不足はうつ病の症状悪化にもつながるんです。

今回は、運動がうつ病症状を改善するメカニズムについてと、予防や改善のための方法を示した論文をご紹介します。

運動がうつ病症状を改善するメカニズム

研究によると、運動はうつ病患者さんの症状を有意に軽減することが示されています。

運動がうつ病症状を改善するメカニズムは以下の通りです。

  • 脳内エンドルフィンの分泌を増やす: 運動をすると、ドーパミンやセロトニンなどの脳内神経伝達物質が分泌されます。これらの神経伝達物質は、気分を良くしたり、リラックス効果をもたらしたりする作用があります。

  • 脳の炎症を減らす: うつ病患者さんは、脳の特定の領域で炎症が発生していることがわかっています。運動は脳内の炎症を抑える効果があり、うつ病症状の改善につながります。

  • 海馬の機能を改善する: 海馬は、記憶や感情に関わる脳の領域です。うつ病患者さんは海馬の機能が低下していることがわかっていますが、運動は海馬の機能を改善し、記憶力や思考力向上に効果があることが示されています。

  • ストレス耐性を高める: 運動は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量を減らし、ストレス耐性を高める効果があります。

  • 睡眠の質を高める: 十分な睡眠は、うつ病症状の改善に重要な役割を果たします。運動は、睡眠の質を高める効果もあり、症状改善につながります。

そのほかの研究

運動がうつ病症状を改善する効果は、他の様々な研究でも証明されています。

例えば、ランダム化比較試験のメタ分析という形の、いろんな試験の結果をもとに総評した論文では運動と薬物療法を組み合わせた治療が、薬物療法のみの治療よりもうつ病症状をより効果的に改善することが示されています。

予防や改善のためにできること

運動を習慣化するには無理のない範囲から!

・ウォーキング: ウォーキングは、最も手軽で続けやすい運動の一つです。毎日の通勤・通学や買い物ついでに、30分程度歩くだけでも効果があります。
・ジョギング: ジョギングは、ウォーキングよりも効果的に心肺機能を鍛えることができます。体力に自信がない場合は、ゆっくりペースから始めてみましょう。
・水泳: 水泳は、全身を使う運動で、関節への負担が少ないので、運動初心者におすすめです。
・ピラティス: ピラティスでは呼吸を大切にし、集中力を求められるため、心と体をリラックスさせる効果があります。同様な理由でストレス解消にも効果があります。
・トレーニング: ジムで行うようなトレーニングは、筋肉を鍛えるだけでなく、脳内神経伝達物質の分泌を増やす効果があります。

まとめ

運動は、うつ病症状を改善する効果的な方法です。

運動は、気分を明るくし、ストレスを解消し、睡眠の質を高める効果があります。
ぜひ一緒に運動しましょう!

参考文献

Hu MX, Turner D, Generaal E, Bos D, Ikram MK, Ikram MA, Cuijpers P, Penninx BWJH. Exercise interventions for the prevention of depression: a systematic review of meta-analyses. BMC Public Health. 2020 Aug 18;20(1):1255. doi: 10.1186/s12889-020-09323-y. PMID: 32811468; PMCID: PMC7436997.

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