石丸悠介

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あなたにもできる!学校断熱ワークショップのススメ

今、各地で広がりを見せている学校断熱ワークショップの魅力とは何なのか。 実際に進めるにはどのようにしたらよいのか。 2023年3月25日に神奈川県藤沢市で実施した学校断熱ワークショップの体験を元にその魅力とHOW TOをまとめました。 失敗や反省点も全て記載しています。 これを読めばあなたの地域でも学校断熱ワークショップができます! ⒈学校断熱ワークショップってどんなもの? (1)断熱とは その名のとおり「熱を断つ」ことを言います。 建物で言えば屋外からの熱を屋内に伝えに

    • 空家対策に感じる違和感

      新しい仕事の一つとして取り組んでいる空家対策。 任に就いてまだ2ヶ月しか経過していませんが、感じたことを書きました。 数ヶ月後に書いたことを後悔するかもしれませんが、その時はためらわずに消しますw ○全国の空家の実態 総務省が発表した令和5年住宅・土地統計調査の結果では、全国の空家の数が900万戸になったとされ大きな話題となったことは記憶に新しいところです。 この数字はインパクトがあるのでメディアがこぞって見出しに取り上げていますが、世間がイメージしている空家とはずれてい

      • 【同潤会が凄かった件 -住宅政策から居住政策へ-】

        住宅政策課に異動して、はや1ヶ月以上が経過しました。 いやぁ住宅政策は面白い。 なんと言っても衣食住の「住」。 老若男女すべての人間が生活するうえで必ず必要になる「住む」という行為がこんなに重要なことだったのか、と気付かされた1ヶ月でした。 そんな中、現在の住宅を取り巻く状況を学ぶのと同時に、過去の歴史にも目を向けてみました。 注目したのは昔の復興公営住宅。 有名なところで言うと「同潤会」でしょうか。 同潤会は大正13年に当時の内務省がつくった組織で、関東大震災からの復興を

        • 読録「都市をたたむ」饗庭伸

          この本では、「都市をたたむ」という概念を提唱しています。これは、単に既存のインフラを廃止し市街地を無くしてまちを小さくしていくということではなく、人口減少社会に適応した持続可能な都市づくりを目指すことを意味します。 僕は20年前に大学で建築を学びましたが、そのときの都市計画の考え方は、「都市を拡大する」方法論が中心でした。エベネザー・ハワードの「田園都市」、ル・コルビジェの「輝ける都市」など、世界における近代都市計画の理論、すなわち人口が増加して都市がどんどん大きくなるため

        あなたにもできる!学校断熱ワークショップのススメ

          【読録】銭湯から広げるまちづくり/加藤優一

          若い頃は風呂が嫌いでもっぱらシャワーで済ませていましたが、おっさんになるにつれてゆっくり湯に浸かることを幸せに感じるようになりました。 特に、息子と一緒に行く銭湯は最高のコミュニケーションの場になります。 普段話せないことも湯船に浸かりながらなら何となく話せたりします。 良い空間ですよね。 さて、今回読んだ本は『銭湯から広げるまちづくり 小杉湯に学ぶ、場と人のつなぎ方』です。 この本、日本が金とモノに溢れていた時代を知らない40代より下の世代は特に共感しやすい内容で

          【読録】銭湯から広げるまちづくり/加藤優一

          【読録】東大メンタル 「ドラゴン桜」に学ぶやりたくないことでも結果を出す技術/西岡壱誠ほか

          ものすごく久しぶりに読書の記録をつけてみます。 今回は『東大メンタル「ドラゴン桜」に学ぶやりたくないことでも結果を出す技術』を読みました。 この本を選んだ動機は、なかなか進まない語学の学習スピードを上げたいと思ったからです。 この本によると、東大合格に必要な力は「メンタル」。おそらくIQとかはそれほど関係ないということなのでしょう。 自分の語学の学習や仕事に応用できそうな内容を以下に記録しておきます。 ●メタ認知能力 東大受験に必要な能力のひとつに「メタ認知」があるらしい

          【読録】東大メンタル 「ドラゴン桜」に学ぶやりたくないことでも結果を出す技術/西岡壱誠ほか

          倉敷水島「臨鉄ガーデン」インターン録

          私が在学している「都市経営プロフェッショナルスクール」の大先輩・三宅香織さんがプロデュースするナイトマーケット『臨鉄ガーデン』にインターンさせてもらいました!今回のnoteはその内容をレポートします。 臨鉄ガーデンは決して大規模なマーケットではないです。でも、開始時刻が近づくにつれて続々と集まる人、人、人。めっちゃ盛り上がる! ●臨鉄ガーデンてどんなマーケット? 倉敷市内を走る水島臨海鉄道(通称「臨鉄」)栄駅高架下と水島東栄町第一公園を拠点にしたナイトマーケットで、およ

          倉敷水島「臨鉄ガーデン」インターン録

          【読録】わしの目は十年先が見える-大原孫三郎の生涯-/城山三郎

          明治から昭和初期にかけて活躍した繊維製品大手メーカー『クラボウ』の社長で、現『クラレ』の創業者の生涯を描いた本です。 大原が様々な人との出会いによって影響を受けながら、経営者としての顔と社会奉仕者としての顔を併せ持つに至った経緯が記されています。 〇石井十次の言葉 大原は、日本で最初に孤児院を創設し「日本児童福祉の父」と呼ばれる石井十次と出会い、そのビジョンに感銘を受け、活動の支援をし続けます。 その石井が言ったとされる言葉にはハッとさせられるものがありました。 「ぐず

          【読録】わしの目は十年先が見える-大原孫三郎の生涯-/城山三郎

          【読録】あおいけあ物語/加藤忠相

          世の中は超高齢化社会が到来しているけど、介護の世界ってまだ40代の僕にはどこか他人事でした。 数年前に父が他界しましたが、それまで訪問介護員の方がとってもよくしてくださって、父もその方と会うのを楽しみにしていました。 この漫画を読んでふとその時の光景を思い出しました。 ○知らなかった介護の常識 ごく一部の施設で利用者への虐待などが問題化しているけれど、一般的な介護施設は利用者に寄り添った介護がなされているものだと思っていました。 でも「寄り添った介護」の本質を考えるとき、

          【読録】あおいけあ物語/加藤忠相

          【読録】マルシェのつくり方、使い方/脇坂真吏

          ふと周りを見渡すと至る所でマルシェが開かれてます。身近な人でマルシェを主催したり出店している人も出てきました。 マルシェにどんな魅力があって、人を惹きつけるのか、まちづくりとはどんな関係があるのか気になってこの本を読んでみました。 マルシェって? マルシェってなんとなくイメージはできても、はっきり説明するのは難しいですよね。 脇坂さんはこう定義しています。 「コミュニケーション型移動小売業」 コミュニケーションとは例えば農作物のマルシェの場合、販売員(=生産者)と消費

          【読録】マルシェのつくり方、使い方/脇坂真吏

          熱海を歩いて思うこと

          以前、『熱海の奇跡』市来広一郎著を読み、熱海がアツい街だとnoteに書きましたが、今回、お盆の熱海に突入してきました! さあ、はたして実際の熱海はどうだったか。そこを記してみます。 ■現実は厳しい?  とにかくすごい人の数。繁忙期とはいえ昼食どきを過ぎても飲食店には人の列、コンビニでおにぎり買うのに10分以上待ちました。 それに、ひと昔前の熱海の印象とはガラッと変わっていました。若者向けや大衆向けの店舗が思ったより多く感じました。 目抜き通りに車座になってタムロする若者

          熱海を歩いて思うこと

          【読録】熱海の奇跡/市来広一郎

          雰囲気や熱量で人を惹き付ける街ってありませんか? 私は自分自身はまったくイケてないくせに、イケてる人たちが集まる街に惹かれやすいタチです。「この街をみんなで盛り上げよう」っていう意識を持った人たちがいる場所って何故だかわかるんですよね。理由はうまく説明できませんが。 熱海はそんな街のひとつなのではないかと思っています。ほとんど行ったことないのにそう思うのは『熱海の奇跡』を読んだから。この本は読むと胸アツでオススメです。 この夏に熱海に行って自分の目で確かめてきますが事前

          【読録】熱海の奇跡/市来広一郎

          【読録】ホームレス農園/小島希世子

          藤沢市の葛原(くずはら)にはホームレスと農業をつなぐ農園があります。運営するのは「NPO法人農スクール」。その代表の小島希世子さんが書いた本がこちら。 ○ホームレス農園って? ホームレスの人が経営している農園のことではないです。小島さんが運営している「農スクール」のことです。 小島さんは、生活困窮者を支援するボランティアなどと連携して、ホームレスを農園で受け入れ、就農を支援しています。 小島さんは、「農」をとことん愛していて、日本の「農」の未来のためにホームレスなどの

          【読録】ホームレス農園/小島希世子