見出し画像

熱海を歩いて思うこと

以前、『熱海の奇跡』市来広一郎著を読み、熱海がアツい街だとnoteに書きましたが、今回、お盆の熱海に突入してきました!
さあ、はたして実際の熱海はどうだったか。そこを記してみます。

■現実は厳しい? 

とにかくすごい人の数。繁忙期とはいえ昼食どきを過ぎても飲食店には人の列、コンビニでおにぎり買うのに10分以上待ちました。

それに、ひと昔前の熱海の印象とはガラッと変わっていました。若者向けや大衆向けの店舗が思ったより多く感じました。
目抜き通りに車座になってタムロする若者。元気なのはいいけどちょっとマナーがね。

海沿いの通りには無惨にもポイ捨てゴミが散乱。地元の方の話ではゴミ捨て場を厳重に管理しないと、すぐ不法投棄されてしまうとのこと。藤沢の江ノ島や海岸沿いでも同じような話を聞いたことがある。観光地あるあるなんでしょう。

別の地元の方はこう言っていました。
「賑わいの創出とか活性化と言うけれど、それが地域の人の幸せや暮らしやすさにすべて直結するわけではない。観光客や宿泊者が増えること=成功した姿ではないかもしれない。」

当事者のとてもリアルな話でした。
どこの自治体も大好きな「賑わいの創出」「活性化」というマジックワード。これが何故必要なのか。結果として何を生むのかをよく考える必要がありますね。

■それでも熱海はアツい

たしかに現実は厳しい。ほんの数年で街が生まれ変わって地域の人がみんな幸せ、みたいな魔法はないということです。

それでも市来さんやまちづくりに関わってきた人達の活動や取組の成果は確実に生き続け、進化し続けていました。

今回、熱海のリノベーションまちづくりの中心的な存在として活躍された熱海市役所の職員の方々とリノベーションスクールを経て熱海で起業された方のお話を伺うことができたので、忘れず記憶に留めておきたいと感じた点を記しておきます。

①まちづくりは「人」
関わる人がどれだけ街に想いがあって、お互いに信頼しあえるかが何より重要、そう思いました。行政とか民間とか関係なく同じマインドを持つ者同士が絆で結ばれて、一緒になって行動し、実践していく。そんな姿を見せてもらいました。
まちづくりは決して金でもないし、インフラでもない。また、「手法」でもなくて人と人の繋がりなんだと気付きました。

②街の声を聴け
まちづくりに関わるなら街に住む人の声に耳を傾けなければ、地域の本当の課題は見つけられない。地縁がない人間なら、なおのこと地元の人以上に地元に関わって顔なじみになり、腹を割って話せる関係性が築けないと街のホンネを理解することはできない。
この熱海で起業された方は、ほかの地域からの移住者で新参者だったそうです。実践したことは地域の掃除、イベントに参加して毎回片付けまでやる、商工会にも参画する、街に立って地域の人にあいさつをするなどなど。ここまでやってようやく街に溶け込みはじめることができたそうです。
たしかにこの方は熱海の人のこと、お店、歴史、イベント、とにかくいろんなことを知っているし、とにかく知り合いや仲間が多い素敵な人でした。

③軸は変わらない
まちづくりは時間がかかるものだそうです。しかも終わりがない。
そうすると、街への関わり方や自分の立場、一緒に活動する人など環境がどんどん変化するそうです。それもあっという間に。
そのとき、自分の中に確固たる軸が存在していれば迷わず、いや、迷ったとしてもすべきことが見いだせる、ということを教えられた気がします。
いまの自分の置かれた状況や立ち位置でできることをやる、そんな思考でまちづくりに関わっていきたいですね。


結果として熱海は素敵な街でした。何より人が。
もちろん今回お会いした方々が熱海でも抜きんでた存在であるからかもしれません。でも、きっとこの方々の周りには同じくらい魅力的な人がたくさんいるんだろうな、そう思わせるくらい良い出会いでした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?