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【読録】マルシェのつくり方、使い方/脇坂真吏

ふと周りを見渡すと至る所でマルシェが開かれてます。身近な人でマルシェを主催したり出店している人も出てきました。
マルシェにどんな魅力があって、人を惹きつけるのか、まちづくりとはどんな関係があるのか気になってこの本を読んでみました。

マルシェって?

マルシェってなんとなくイメージはできても、はっきり説明するのは難しいですよね。
脇坂さんはこう定義しています。

「コミュニケーション型移動小売業」

コミュニケーションとは例えば農作物のマルシェの場合、販売員(=生産者)と消費者とが直接相対して、こだわりの育成方法だったり、調理方法だったりの質問や回答のやりとりが発生することです。
スーパーマーケットや直売所ではこうはいきませんね。
消費者からすると「国産の野菜って高い」と思いがちですが、農家の方の話を聞くと本当に手塩にかけて育てていて、その値段になるのも納得することが多いです。
だから農家から直接野菜を買うって本来の価値に気付くことだし、そういう意味でもマルシェって有意義ですね。

また、マルシェが各地に展開されていて出店頻度があがると特定の店舗をもたなくても商いができる点がメリットとされています。移動小売業と定義されているのはそういう意味だそうです。

マルシェって手軽にできる?

たしかに不動産としての店舗を構える必要はないし、告知すれば人が集まりそうな気がしてしまいます。
もしかしたら「マルシェを開催する」ことだけを目的にするなら難しくないかもしれません。
ただ、大事なことは「なぜマルシェをやるのか」を明確にして取り組むことが重要とされています。
目的が明確でないと、例えば店舗の種類がバラバラであったり、質に統一感がなかったりしてすぐに飽きられてしまうそうです。
地域に根付くには3年かかると言われているから、まちづくりという視点で考えるなら、継続して取り組む必要がありそうですね。

マルシェは誰でもできる?

この本を読めばマルシェの開催と運営のノウハウはほぼ網羅できると思います。
でもその地域に愛されるマルシェを展開したいなら、かなりの研究と続ける覚悟が必要だし、何なら自分が出店してみるくらいの経験がないと難しいと感じました。

私の勤める藤沢市には魅力的で精力的な農家がたくさんいます。
藤沢駅の周辺ではマルシェなどが定期的に開催されていますが、農業が盛んな北部地域では生産者と地元消費者を直接結びつける場は少ないように感じています。
もう少しマルシェの研究をしながら、出店してくれそうな農家をみつけて、近い将来に藤沢市の北部地域で開催を目指し、この地域のまちづくりに繋げられる取り組みをしてみようと思います。

※ 次は「マーケットでまちを変える: 人が集まる公共空間のつくり方/鈴木美央」を読むつもりです。こちらもマルシェ開催を考えるなら必読かと。

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