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フィッシュアンドチップス

フィッシュアンドチップス。
たしか中学生の時に英語の教科書「ニューホライズン」か何かで紹介されていて、初めてこの料理のことを知ったのだと思う。

たしか教科書には「フィッシュアンドチップスとは、白身魚のフライにフライドポテトを添えたイギリスの伝統的な料理です」ぐらいの説明は載っていたとは思うが、その説明を見た時「なんて紛らわしい名前なんだ!」と思った覚えがある。

だって「チップス」と来たら、
普通、ポテトチップスが思い浮かぶ。あのパリッと食感。
なぜ「チップス」がフライドポテトなのか?
この場合フィッシュアンドフライドポテトが正解じゃないのか?
さすがにちょっと誤解を生む料理名ではあるまいか?

なんてモヤモヤしたのは、たぶん僕だけじゃない。きっとみんな同じことを思ったはずだ。
そんなこんなで今日までモヤモヤしたままだったので、この機会に「なぜチップスなのか」をネットで調べてみると、理由は意外にシンプルだった。

この料理の発祥国であるイギリスでは、フライドポテトのことを「チップス」と呼ぶ。それゆえ「フィッシュアンドチップス」である、とのことだ。

そうなのね。

なんか「元々はポテトチップスを提供していたのが、時代とともにフライドポテトに変わり、名前だけがそのまま残った」的な裏話をちょっと期待していたのだが、シンプルにフライドポテトの呼び方の問題だったとは。
ちょっと拍子抜けだ。

しかし、なるほど、勉強になった。
(てか、意外とみんな知ってるんか、これ、、)

ま、それはさておき、以来フィッシュアンドチップスはずっと僕の頭の片隅にあり、「一度は食べてみたい」と気になってはいたものの、結局食べる機会もなく今日まで過ごして来てしまった。
正直、魚のフライとフライドポテトを同時に食べるだけだろ?という冷めた気持ちもなくもなかったが、それでも食べてみなきゃ分からないし、試さないことには何も語れない。

そんな訳で、フィッシュアンドチップスを食べるのは僕の長年のささやかな夢の一つであったのだが、ついに先日、その夢が叶った!

人生初フィッシュアンドチップス
バンクーバーのお隣リッチモンド市内の『Pajo's』にて

カナダと言えばサーモンなので、とりあえずサーモンを注文。
タラ、オヒョウなど、王道の白身魚の選択肢もあったが、どうしてもカナダのサーモンが食べたかった。

サーモンのフライというのは実は食べたことがない。そういえば考えてみるとサーモンってあまりフライで食べるイメージがない。ムニエルとか焼き鮭とか、とにかく「焼いて」調理するイメージだ。
なので食べてみると、意外に新鮮さがあり、これはアリだ!と思った。美味しい。衣サクサク、中ホクホク。どこかで聞いたことあるような表現しか出てこないが、まさにそんな感じ。
一方、フライドポテトに関しては、言ってしまえば何の変哲もない普通のフライドポテトなのだが、元々フライドポテトの大ファンということもあり、大喜びでサーモンフライと一緒においしくいただいた。
人生初のフィッシュアンドチップスを大いに満喫し大満足なのだが、今回注文したサーモンはフィッシュアンドチップスの具としてはおそらく邪道である。カナダなのでサーモンを推しているが、フィッシュアンドチップスの王道としてはやはり白身魚だ。
もちろん今回のサーモンフライもとても美味しかったのだが、「次は白身魚を食べてみたい」、そんな余韻を残して完食した。

ということで、別日に別のお店で白身魚も試した。
バンクーバー市内の『Go Fish!』にて

こちらは、タラのフィッシュアンドチップス。
ついに来た。王道の白身魚。
とにかくこちらの店は衣がサックサクでめちゃくちゃ美味かった。『Rojo's』のフライよりもサクサク感をより感じた。もう衣がチップスである。そして、タルタルをつけて食べるともうアレの味である。

マックのフィレオフィッシュ。

こんな例えをするのも何だが、同じタラを使っていて、しかもタルタルソースでいただくので必然的にそうなる。
そして、サーモンと比べると、タラはフライとして食べ慣れているせいもあり全体的に安定感のある味である。
まさにイメージ通りのフィッシュアンドチップスの味って感じ。
あと、こちらの店では、サイドにキャベツのコールスロー風サラダが付いてくるのもうれしいところだ。キャベツは湯通しされているのか適度に柔らかく、おそらく味付けはシンプルに酢と塩コショウ。そこに香り付けでクミン(スパイスの一種)が効いていた。シンプルだけどとても美味しかった。ボウル一杯に食べたいサラダだった。
ちなみに、一緒にお店を訪れたメキシコ出身の友人アーヴィンは、このサラダがあまり気に入らなかったらしく、全部残していたので彼の分までいただいた。
ありがとう、アーヴィン。


以上、人生初フィッシュアンドチップス、結果、大満足だった。
「ただの魚フライとフライドポテトでしょ?」と思う人は機会があればぜひ一度試してほしい。たしかにイメージ通りの味といえば、そうなのだが、間違いなく美味しいし、魚フライとポテトフライを同時に楽しめるのが良いのである。それがこの料理の真髄なのだから。
それに、フィッシュアンドチップスは日本でもある程度、知名度がある料理だと思うので「食べたことありますよ?」と得意げに語れるのもうれしいところだ(ミーハー)

料理を食べることは、ただの「食事」ではない。立派な「経験」でもある。
今回また経験値が増えてうれしい。
そろそろレベルが上がって、進化するかもしれない。

ありがとう、フィッシュアンドチップス。
ごちそうさまでした。

レビューは以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


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