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児童精神科医として、子どもの音楽療法をしています。子どもの心は非常にデリケートです。なぜなら、大人とは違い自分の感情を表現する術が未熟だからです。
本来、子どもは多くの外部刺激や常に生活を共にする人の影響を強く受け、言葉や動作を覚え成長していきます。しかし、病院では治療が中心となりますので、特定の方とのコミュニケーションや、外部からの刺激がほとんどなくなってしまいます。加えて心の安定化を図るために、音楽療法がとても有効な手段として使用するのです。
集団で行うレクリエーション型の音楽療法では、同年代の他の子どもとふれ合うことができます。他者とのふれあいは、子どもの成長にとって大変重要なことです。それに加え、音楽療法は「一緒に何かを成し遂げる」「目的の為に努力をする」など、忍耐力や達成感を知るきっかけにもなります。そのことにより、孤独からの開放を感じ心身に良い影響を与えます。カラオケをすることで、子どもたちはコミュニケーションの仕方を覚える。そうしてようやく、学校に行くことができるようになる子もいます。
いつか、カラオケへの参加が学校の出席としてカウントされる日が来たら、新しい学校の幕開けになるでしょう。

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