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 渋谷は,100年に1度の再開発が行われている。学生時代から慣れ親しんだ渋谷もすっかり変わったものだ。服を買おうと渋谷を訪れ,服の多さにワクワクしつつも圧倒された,あのビルも海外の家具販売店へと様変わりし,今度はまんがやアニメのビルが立ち並ぶ。そして行き交う人はまさにダイバーシテイに富んでいる。いろいろな年代や国の人が存在する。私も社会人となり,学生時代と違った視点から見た渋谷は,経営資源である人,金,情報が集まる,魅力的な場所だ。しかし,この地は社会人にとっての戦場でもある。能力の優れた人材は,より評価される会社へと招かれ,残された人材もそれを励みに研鑽する。会社名は変わらずとも,わずかな時間で人材がすっかり入れ替わっていることもある。例えば,私の勤務するクリニックも,看護師の入れ替わりが多かった。できれば患者さんのためにも看護師は入れ替わりが少ない方がいいのだが,優秀な人材ともなれば,どこも喉から手が出るほど手に入れたいものである。そうはさせまいと看護部長も必死で引き留めるのだが,やはりなかなかうまくいかない。しかし,3年前から就任した看護部長は,看護師としての能力が高く,教育実績もあったことから,看護師が定着していた。ところが,そのような優秀な看護部長は,他のクリニックからも高い評価を得ることになる。噂を聞いたクリニックから声がかかると,あっさりと辞めてしまった。あれだけ,他の看護師には人材が流出しないように引き留め工作をしていたのにである。しかし,そのような変化は利益も多い。人材が入れ替わると新しく入った人材には,教育指導も必要となるので,負担もあるが,やはり人は人と関わって成長する。様々な人が集まり,いろいろな人と関わるきっかけのある,渋谷は刺激的であり,これからも魅力的な場所であり続けるだろう。

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