アーベン

日本のものづくりがこれまでにない新たな価値をもとうとしています。某全国展開の百貨店で4…

アーベン

日本のものづくりがこれまでにない新たな価値をもとうとしています。某全国展開の百貨店で40年働いた後も、新しい価値を求めて展示販売を企画運営しています。ものづくりを通して文化を見つめ、歴史をたどり、地域と社会を考えることが好きです。今も全国の工芸、アートと仕事をしています。

最近の記事

縁は繋がる

 友禅作家の眞鍋沙智さんとシンコレ作家の渡辺真由美さんの思い出 京友禅作家、眞鍋沙智さんのタイルプレート。タイルに銅板で掘り起こした型紙を何枚も使って印刷したアートタイル。側面まで柄を写した丁寧な作品。4枚ひと組で絵にもなり、一枚でも使えるアートタイル。この作品が生まれた背景にも、さまざまな人との縁と作家さんたちのものづくりに対する想いがありました。ヴェネチア在住の版画作家渡辺真由美さんと友禅作家眞鍋沙智さんに縁が繋がる話です。  ヴェネチア在住の日本人アーティスト渡辺真

    • 丹後に出かけました

       私の担当するギャラリーにもう10年余出店を続けている女性作家がいる。オン歳82歳。チャキチャキの江戸っ子で、生まれは東京の三田。私の母親と同じ世代だから、昭和初年の生まれ。「東京なんて何もなかったんだからー。小さい頃、家でカボチャを作ってたんだけど、大きくならないうちに全部食べてしまったから、カボチャが甘いなんて知らなかった。」と大きな声でガラガラと笑いながら話されます。昭和の初期の貧しい日本の時代。東京でも食べ物に苦労したそうです。「同じ日本の話とは思えない話ですねー

      • 京丹後で二人の若者と出会いました。

        京丹後で二人の若者と出会いました。 一人は高質なresin(樹脂)で、テーブルはじめインテリアを作る事業をスタートさせたSくん。もう一人は、最近、東京で刀鍛冶の修行を終えて、仲間3人と工房を立ち上げるために移住してきたYくん。二人の奮闘する姿を見ていると元気つけられます。 京丹後に出かけるようになって、知り合うことができた二人なのだが、私の丹後に出かけるきっかけは、丹後ちりめん。丹後ちりめんを新しく企画してた催事に出店してもらえないかと尋ねた土地でした。京都の北に日本海を臨

        • 近江八幡の人たち

           仲屋町(すわいちょう)って読めますか?近江八幡市の旧市街地、八幡神社の近くにある町の名前です。滋賀県のほぼ中間、琵琶湖のほとりの古い町です。近くには、時代劇でよくロケ地として使われる八幡堀、琵琶湖に続く西の湖の自然に恵まれた地域です。豊臣秀次によって開かれた町で、近江商人発祥の地としても知られている土地です。  旧市街の中心とも言える町が仲屋町。ここで6年ほど前に、町おこしを目指していた二人を紹介してもらいました。町屋倶楽部を運営する宮村さんと、ナッツ専門店を経営する道城

        縁は繋がる

          ロボット陶器!?

          知多半島の美浜。気候が温暖で、夏は名古屋からの海水浴客で賑わう観光地。ここの山間の地に、日本でも最初の福祉を専門とする大学が市内から移転してきたのが40年ほど前。この大学で教える陶芸家を訪ねてやってきました。 陶器でロボットを作っていると知り、興味津々で訪問しました。大学の教室兼アトリエに作品を並べて江村教授は迎えてくれました。52歳とは見えぬ若々しさとフランクさ。いつも学生に囲まれ、想像力を刺激する仕事をしている故かも知れません。専門はこども発達学科と保育と幼児教育。保育

          ロボット陶器!?

          心を取り戻す

          先日の出張で、大阪から京都まで国道1号線を走ってみました。1時間半。そして京都から近江八幡まで国道1号から8号線を走って見ました。1時間半。先日書いた「都市近郊」という地域と文化がはっきりと見えました。都市から溢れ出した家と道とビルが野を削り山を潰して広がってました。大阪を出て守口、門真、寝屋川、枚方、八幡まで来るとようやく、緑が多く感じられました。京都を出て山科、大津、石山、草津。京都から大津に溢れ、遂には草津まで広がったコンクリートの町並みを見ました。 ヨーロッパの街は

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          扇子プロジェクト

          先日、新しい価値ある工芸品を作りたいと、同じ志の皆さんとプロジェクトを組んで、ほぼ一年かけて扇子ヲ作成しました。その時の企画説明文です。第一回の催事が終わりこれから発展させていきたいと思ってます。 扇子プロジェクト 発案の背景について ① 「新しい価値の創造」という意味 現代、日本において忘れ去られようとしている、長い歴史に培われてきた技と美の再発見を行うこと。その技を現代の生活様式に合うように変革して、次の時代につながる新たな価値ある作品として伝えること。伝統の継承であ

          扇子プロジェクト

          it's alright it's okay

          BBCの連続ドラマ「New tricks」をシーズン11までみました。1シーズン8話として88。長い。テレビでは「北の国から」以来、映画では「寅さん」シリーズ以来です。 New tricksは日本タイトルでは「退職刑事の事件簿」。退社した刑事たちが、敏腕女性警部に率いられたロンドン警視庁の未解決事件の特別捜査チームで活躍するとういうお話。個性豊かな元刑事が、長年の経験と勘を武器に科学的捜査で行き詰まってた未解決事件を解決していきます。日本と同じようにヨーロッパも社会が高齢化し

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          つらつらと

          小田和正の「言葉にできない」、lalala,…..言葉にできない〜♪。 ちょっと古いか。でもどっかで聞かれたことがあるかと。 人は言葉にできないことを伝えるために、詩や音楽や、絵や彫刻などなどを使って表現して来たそうです。まさに芸術、アートと言われるものは、まさに「言葉にできない」ことの表現であるようで。 このアートと呼ばれるものも、近代ヨーロッパを中心に形作られてきた芸術の概念が、ここにきて大きく変化して来ているようです。アジアアフリカを含め、世界の文化の発展を取り込んで

          つらつらと