No.8

主にファンタジーもののライトノベルを書きます。現代モノもごく稀に。 「創作大賞2023…

No.8

主にファンタジーもののライトノベルを書きます。現代モノもごく稀に。 「創作大賞2023」 ファンタジー小説部門に挑戦中です!応援していただけたら嬉しいです! SNSもぜひご覧ください!

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「災禍に誓うサルベージ」最終話

第一話はこちら↓ 最終話:神の愛を浴びる騎士、未来に星を見るカラミティ 「ロネル、ロネルッ……!」  首を斬られた衝撃と共に倒れるロネルを支え、首を元の位置に戻してやる。厄災の再生能力は本当に凄まじいようで、首を近づけると何もなかったかのようにさっきまでの姿に元通りだ。 「問題ない。それより敵は?」  その『敵』が察知できない。遥か遠くにいるのか、もしくはなんらかの方法で姿を隠しているのか。何が厄介かといえば、ロネルが首を斬られたということは、おそらく相手は遺産を持

    • 「災禍に誓うサルベージ」第七話

      第一話はこちら↓ 第七話:神と人の棄てしアーキテクチャ  あまりにも自然だから、忘れていた。俺は魔力封じの拘束具をつけられているのだ。魔術を使わないから大丈夫、なんて思っていたが、魔導具も魔力を注がなければ動かないのだ。  暗いところでの活動は慣れている、とはいえ光源もなく遺跡を歩くなんて自殺行為だ。完全に失敗した。あたふたしていると、ふとあることを思い出す。 「ロネル、お前俺から血と一緒に魔力吸ったよな。これに通してくれないか?」 「おう、任せろ」  結局照明魔

      • 「災禍に誓うサルベージ」第六話

        第一話はこちら↓ 第六話:王都にて、秘密のランデヴ 「ココを出るんじゃないかったのか、ノーウィ」 「出るにしたって準備が必要なんだよ。そんな格好で遺跡は歩かせられん」  力を封じられていたロネルの服装は、簡素なワンピース一枚だ。俺の上着があるとはいえ、遺跡を歩くのに長いスカートはご法度だ。ひらひらしてその辺りに引っ掛かるし、うっかり踏んでコケてしまったりする。  だからぴったりロネルに合う服を買わなければいけないのだが。とはいえ服を売っているような店は一日中店を開け

        • 「災禍に誓うサルベージ」第五話

          第一話はこちら↓ 第五話:報復と断罪のロンド  こんなことを言うと犯罪者の言い訳みたいだが、出来心だった。1日でいろんな事がありすぎて、わかっていなかったのだ。俺が解き放たれたということを。  人生のほとんどを誰かの支配下で過ごしてきたから、それに慣れてしまったのだ。波風を立てず、自分の目の前にある仕事と楽しみをこなせれば、それでいいと。  だが今は違う。雇い主に見捨てられ、死罪になり、そして脱獄までしてしまった。俺を縛るものはもうない。  最初は投げやりだった。ど

        「災禍に誓うサルベージ」最終話

          「災禍に誓うサルベージ」第四話

          第一話はこちら↓ 第四話:いつか来る、救済のエンゲージ 「おう、そうだ」  あまりにも軽い返答に、こちらも気が抜けてしまう。もう少し重い話、切実な願いだと思っていたのだが、そういうものではないのだろうか。 「私たちの仕事なんて、やってても楽しくもない。ヘンな武器持った人間に追いかけ回されてぶった斬られて、痛いのなんの。こんなのすぐにでも止めてやりたいね」 「じゃあ、人を殺さなければいいのでは?」  破災騎士に追いかけられているのは厄災という存在が人に仇なすものだと

          「災禍に誓うサルベージ」第四話

          「災禍に誓うサルベージ」第三話

          第一話はこちら↓ 第三話:天と地と、災禍を刻むアポカリプス 「ロネル、奴は……」 「知ってる。破災騎士とか言ったか」  当たり前か。ロネルを封じていたのは、おそらくこの国で伝説的存在として語り継がれている騎士、レイロウだ。彼もまた破災騎士だったという。  ならばその警戒も当然。しかし、さっきのロネルの力さえあればこの程度の敵なら容易いのではないだろうか。俺だって人を巻き込むのは本意ではないが、それよりもなによりも助かりたい。 「おい、さっきみたいにやっちまってくれ

          「災禍に誓うサルベージ」第三話

          「災禍に誓うサルベージ」 第二話

          第一話はこちら↓ 第二話:蒼穹を望むイノセンス 「やっぱ、人の血なんか啜るモンじゃないなぁ」  勝手にやっておいて、酷い言い草だ。俺は血を吸えなんて頼んだ覚えはない。 「おい、ここはどこだ?」  人形のように均整で、無機質な視線。それは、何度もライトリック卿に投げかけられてきたようなそれとは根本的に違う。  人間を道具か何かのように見る目ではなく、人類種そのものが道具か何かのように思っている、そういう目だ。俺が生きているのは、ただの気まぐれ、今必要だからだ。 「

          「災禍に誓うサルベージ」 第二話

          「災禍に誓うサルベージ」 第一話

          あらすじ  世界を滅ぼす厄災を祓う唯一の手段、『遺産』を発掘するサルベージャーのノーウィ。しかし彼は裏切りによって死刑を宣告される。残された希望に縋るように脱獄した彼が地の底で出会ったのは、かつて『遺産』によって封印された厄災の少女、ロネルだった。  『遺産』を得るため彼女の封印を解いたノーウィは、人類の敵、厄災と一時的な協力関係を築き脱獄に成功する。自身の死のため人類を滅ぼしたいと願うロネルに、ノーウィはある提案を持ちかける。もしも彼女を殺せる《救える》遺産を見つけたのな

          「災禍に誓うサルベージ」 第一話