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『月曜日がワクワクする』〜父から学ぶポジティブ思考〜

「それ、サザエさん症候群って言うとよ。」

電話の向こうから父が言った。

友人や親しい人と過ごした週末に思いを馳せる日曜の夕方、18時半から放送される「サザエさん」。サザエさん一家の賑やかな声で現実に引き戻され、明日から始まる1週間を思い、憂鬱な気持ちになることを表す言葉である。

このnoteを読んでいる方の中には、近しい経験をした人も少なくないかもしれない。

かつてわたしも、月曜を迎えるのがイヤでイヤでしょうがなかった。
そんなわたしが憂鬱な日曜とどう向き合い、どうやって乗り越えたのか。

これは、日曜の夜が憂鬱だったわたしと、いつでも明るい父親の話である。

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とある日曜の夜、明日から始まる月曜に対するやるせない思いに耐えきれず、わたしは胸がギュッと苦しくなっていた。
以前のnoteでも書いたが、わたしは「企業で働く自分」をよりイメージするために大学に通いながら、ある企業で長期インターンとして働いていた。

別に会社が嫌いなわけではない。会社の人たちはみんないい人だし、通勤時間も20分と悪くはない。
でもなんとなく、明日からの出勤に対するモヤモヤが心の中を占めていた。

「はあ、また明日から働かないと…。」

画面の前でお酒をたしなむ父との電話の中で、つい本音がこぼれた。

すると、ふと返ってきた言葉に、わたしは耳を疑った。

「明日からまた働けて、よかやん。お父さんはワクワクすっよ。」

、、、、

何も言えず固まったわたしに、父は続ける。

「きはる、自分の考え方次第よ。なんでも楽しまんば。」

、、、、、、、、

そうだ。父はいつもこうだった。

「どんな時も楽しみなさい。」
それが父の教えだった。

幼少期のわたしと父

父的ポジティブのススメ

わたしの父は、九州の金融機関で働く、普通のおじさんだ。
趣味は、スポーツだとサッカー、フットサル、ソフトテニスなど。他にもDIY、映画鑑賞、お酒を飲むことも好きだ。
毎日仕事を定時に切り上げて家に帰ると、そこから趣味の時間が始まる。

娘のわたしから見ても、いつも楽しそうな父である。そして、いつでもポジティブだ。

仕事や人間関係の愚痴は聞いたことがないし(母もほとんど聞いたことはないという、すごい)、基本的にいつも元気で明るい。

そんな父を、わたしはとても尊敬している。

逆にわたしはというと、何か壁にぶち当たると、ついつい難しく考えてしまうし、よく立ち止まる。父に比べると、物事の捉え方がたぶんネガティブな方だ。

あるとき、父にその性格について聞いてみたことがある。

「お父さんってなんで、そんなにいつもポジティブなの?」

父は数秒間考え込んだあと、こう答えた。

「ポジティブでおった方が得たい。自分の状況はなんも変わらんばってん、自分の考え方次第で楽しくなる。どうせ同じなら楽しかほうが、よかやん。」

「コップの水が半分しか入っとらんって考えるか、半分も入っとるって考えるか。大事なのは考え方やけん。」

なるほど、たしかに。

でも、しんどい時に「楽しくしないと!」って考えると、もっとしんどくなる気がするんだけど?

「練習あるのみ。どんな時でも見方を変えて考える癖をつける。そうすると自然とものごとの見方が変わって、毎日が楽しくなる。お父さんは、今が一番楽しかよ。」

たしかに、毎日楽しい方がいい。

詳しく聞いてみると、この考え方を意識するようになったのは、社会人になってからだとか。
20代の頃、ある本(タイトルはもう忘れてしまったみたいだ)を読んで感銘を受け、実践。その考え方がどうやら父のポジティブさの一端を形づくったようだ。

どんな時も常に意識的に考えるようにしたことで、最初は難しく思えていたが、できるようになったという。

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ここで、「そんな簡単に実践できたら苦労しないよ」って思う人もいるかもしれない。

うん、わたしだってそう思う。

「そりゃあ、毎日楽しい方がいいのはわかる。わかるけどやっぱり、しんどい時に楽しく考えるのは無理だよ。」

聞いてみると、実は父も以前はそう思っていたという。

仕事でうまくいかなかったときや人間関係に悩んだとき、自分で自分を責めて、負のループに陥っていたそうだ。

「あの時は何もかもうまくいかないと思っとった。そんな自分がいやで、でもどがんしたら良かかわからんやった時に、この考え方を知って、ずっと意識するようにしたとよ。」

そんな父いわく、常に物事をポジティブに考えるようになるためには、やっぱり"慣れる"しかないようだ。

たとえば、机のかどで小指をぶつけて涙が出そうになっても、はたまた就職活動がうまくいかなくて絶望しかけても。

こういう時に視点を変えてポジティブに考えてみると、無理矢理にでも思考を巡らしてみる。

少し考えただけで、大変な訓練だ。

だけど・・・人生いつどうなるかわからない。

と考えると、しんどいことを数えるよりも、そこにある楽しみを見出せる方が幸せな気がするのは、わたしだけだろうか?

そんなわけで、わたしも絶賛実践中。

とは言ったものの・・・。わたしは器用な方では全くなく、その上自他ともに認める真面目人間なので、落ち込むことばかりだ。

仕事の小さなミスでもテンションが下がるし、よく忘れ物するし、今年だけでもう4枚以上お皿を割った。
まただ、と思い、もうーーーーと独り言を呟く。

ただ、父の考え方を意識してからは、小さなミスにクヨクヨしなくなったり、逆に今の状況を面白がるという気持ちがより強くなった気がする。

ミスなんてみんなするものだから、次から気をつければいいや!
またお皿割ってしまった。けど話のネタにできるからラッキー!

少し考え方を変えただけで、生きることが前より楽になった気がする。

もうひとつの父の教え

もうひとつ、わたしが働きたくなくてなんとなく悶々としていた時に、父と決めた合言葉がある。

「ワクワクと感謝」

朝起きる時に「今日はどんなワクワクがあるだろう」という気持ちで起きる。
毎日のさまざまなことに感謝する。

父が実践していることをただ短くまとめただけだが、わたしはこの言葉を大切にしている。

月曜からのワクワクを胸に

ここまでお読みいただきありがとうございました。

小さなことから意識的に見方を変えてみる。
ワクワクする気持ちと周りへの感謝を忘れない。

これらを少しだけ意識してみると、何気ない毎日がより楽しくなって、
あの「サザエでございます」が待ち遠しくなるかも。

日曜の夜の憂鬱が少しでも晴れますように。

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