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ツルツルのエロティシズム

先日、Museo Poldi Pezzoliという邸宅美術館(※)で最近始まったGinoriの展示会「Oro Bianco(White Gold)」を見に行った。

※ミラノには現在、4軒の邸宅美術館があるので、まずはその情報を。


-邸宅美術館について-

-Bagatti Valsecchi: FaustoとGiuseppeの兄弟により蒐集されたコレクションを保有するネオルネサンススタイルの邸宅美術館。15~16世紀のイタリア美術・装飾美術のコレクションを豊富に展示。
ちなみに私が数年前に訪れた際、傘の持ち込みが禁止で、約7000円した日傘を外に置くことを余儀なくされず、その美しさ(⁈)から誰かに盗まれ、返金してもらったことがあった。先方の責任で盗まれたのだからそれなりの対応をしてもらうのは当然だが、ここはイタリア・・・しかし丁寧な対応をしてくれるイメージ。邸宅内の薄暗い雰囲気と装飾はミラノにきたら必見。

-Casa Boschi di Stefano: Antonio BoschiとMarieda Di Stefano夫妻が収集・保管していた2000点以上展示物から、20世紀初頭~1960年代末までの絵画、彫刻、素描など、約300点を選りすぐって展示した美術館。入場無料。
個人的には、展示物よりも回廊が素敵だと思っている。

-Villa Necchi Campiglio: 1930年代の産業ブルジョワNecchi Campiglioのお屋敷。内部もさることながら、庭園内にあるプールや、プールに面したサロンの窓の大きさは、まさに優雅な貴族的要素たっぷりで、展示されている遺品よりもお屋敷そのものが見どころ、というのが個人的意見である。実際、主にイベントに使われ、屋敷は併せて見学される印象が強い。

-Museo Poldi Pezzoli: 貴族コレクターのGian Giacomo Poldi Pezzoliの情熱から生まれた邸宅美術館。中世〜18世紀、現代美術まで、多様なコレクションを所有。特に太陽時計のコレクションの豊富さは圧巻。5000点以上の素晴らしい品々が、幻想的な雰囲気の中に展示されている。
ランキングを付けるなら、ここが断然一位だろう。
屋敷内部の、特に螺旋階段のフォルムはいくら見ていても飽きない美しさで、コレクションも膨大のため、2~3時間は有に過ごせる。

-Oro Bianco(White Gold)の展示について-

Ginoriの発祥と今回の展示物
トスカーナ大公領がメディチ家からロレーヌ家に譲渡されたことを機に幾つかの領地を手に入れたCarlo Ginoriが、Firenze近郊の町Docciaで1737年に設立。ヨーロッパで4番目に設立され、現在もなお稼働している数少ない工場である。設立当初から、アンティークの彫像を模倣した彫刻を製造し、特にバロック後期のFirenzeのブロンズ像を模写した彫刻を制作することでその名を知られるようになった。
今回はこの、Ginoriの3世紀に渡る陶器のコレクション60点を展示。
期間→25/10/2023 - 19/02/2024
(開館日: 水~月曜、10~18時、火曜休 入場料は14Euro)

-展示物の紹介-

Venere de'Medici(The Medici Venus)
1747年頃の陶器の作品
Sacrificio d’Isacco(The Sacrifice of Isaac)、テラコッタ製
Anfitrite(Amphitrite)
1573年のブロンズの作品
美しい食器類1
美しい食器類2
巨大な花瓶
テーブルセットの一部
装飾的な花瓶とテーブルセット
近年の作品
Ginoriの直筆の手紙

ついでに、少しPoldi Pezzoli 美術館の内部も紹介しよう。

-Poldi Pezzoli 美術館の内部-

美し過ぎる螺旋階段
懐中時計1
懐中時計2
懐中時計3
航海用具一式
日本のタバコ入れも
言わずと知れたHayez 
オリエンタルなモザイクにうっとり

Ginoriの展示も勿論素晴らしいものの、この美術館の凝った内観や展示物には全くかなわない感じ。つまり、常設展の方が断然いいという珍しいタイプだ。これからイタリアに来る予定のある方には是非お勧めしたい。


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