塩で酔う、塩に酔う…初体験、赤ワイン味の塩とは
先日の連休でLiechtensteinへ行った。
マイナーな旅好きの私による厳選、希少価値が高いと勝手に思っている内容ゆえに有料にしたため、読まれていない方が絶対多数だとは思う。しかし美術館や食べ物の一部はイタリアと同様に他国の情報もつらつらと綴りたいと思っているので、今回は、稀だけれども近隣諸国に住んでいて知っているよ、といわれそうな「塩」について書こうと思う。
その塩の名は、「Rotweinsalz」という。
その名の通り、赤ワインの塩、である。
私は大学の二外でドイツ語を選択し、分離動詞と前置詞の識別にかなり戸惑い、「しまった、フランス語にしておけばよかった、大きな過ちを犯した」と思った身で、ドイツ語の試験も4級を満点で通過して以来、早二十数年、今となっては200も単語は覚えていないと思うが、それでも、微かな記憶から掘り起こし、食べ物の単語であれは少しは理解できる。
さて、「Liechtensteinには豊かな農地があり、そこで味の良いワインが作られている」という情報を小耳にはさんだ。それゆえ、アルコールはほぼ受け付けない身体ではあるが、おいしいぶどうジュースがあるかもしれないな、などと思い、ワイン農園の方をぶらぶらしてみた。その農園の話は有料で提供するが、農園併設の店舗と町の土産物屋でも売っていたのが、このRotweinsalzである。
調べてみると、ドイツやイタリアの南チロルでも生産していることがわかった。「だったらイタリアでユーロで買えばもっと安かったに違いない」と一瞬舌打ちしそうになったが、私が購入した塩には、Liechtensteinの首都のVaduzのピノ・ノワール(mit Vaduzer Pinot Noirと書かれてある)とシーソルトフレークが使われており、文字通りLiechtenstein産という箔がつく品のため、高くても損をしたとは思っていない。
まずは私が買ったRotweinsalzの内容物をご紹介しよう。
ネットで見つけたレシピには、タイムやセージの葉も入っていたので、家庭で作る際には(そんな奇特な方がいらっしゃるかどうかは謎)、ローズマリー以外のお好みのハーブを加えても良いようだ。
何に合うかなぁ、と考えあぐねた結果、初回として、リゾット的おじやと野菜サラダに使ってみることにした。
さて、出来栄えは、というと、、、
見た目は、リゾット的おじやの方がイケてるが(花まで振りかければ、IKEAの皿に盛ってもイケてないわけがない)、チーズを入れたせいか、塩の味をそれほど感じはしなかった。時々、ふわっと鼻孔をくすぐる程度、と言っておこうか。
念のため付け加えると、塩の味わいを存分に感じたかったので、今回はコンソメ類は一切使用していない。
一方のサラダの方は、酢をかけなかったためか、かなりしっかりと塩の味を感じることができた。普段の味気ないサラダに一味も二味も深みが加わり、家に何もない時や疲れて作りたくない時にこれを野菜に振りかけてオリーブオイルをかければ、それだけでご馳走になりそうな味だった。
結論としては、あまり調理をしていない、茹でただけ、蒸しただけ、というような食材にかけると、絶妙な高級さとシェフが手を加えたかのような巧さと旨さが生まれ、Rotweinsalzの持ち味をより引き出せるのでは、と思う。
次回は蒸かしいもに振りかけてみようかな、と今から楽しみにしている。
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