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映画『エブエブ』を観て、やたらと『ポリス・ストーリー3』のミシェル・ヨー姉さん思い出した

《本記事には、「タイトル映画」と「タイトル女優さんの過去の出演作」のネタバレがあります。あと「姉さん」→「姐さん」?まあ実弟みたいなもんです》

その人の良さそうな笑顔のおじさんに初めて会ったのは、小学校低学年の頃。

凛としてカッコいいお姉さんに初めて会ったのは、中学生の頃。

どちらも最初の出会いの場は、劇場であった。。。

、、、やや、皆さん、こんにちは。

私は今、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(通称「エブエブ」)を見て、『グーニーズ』『ポリス・ストーリー3』のことを思い出して、しみじみしていたところである。

『グーニーズ』のあの「入れ歯パカッ」の発明少年が、実に優しそうなおじさんになっていた。

『ポリス・ストーリー3』でジャッキー・チェンの頼もしい相棒を演じた超カッコいいお姉さんは、変わらず素敵なお姉さんだった。

『グーニーズ』は、親父に映画館に見に連れて行ってもらった映画である。

内容はさることながら、シンディ・ローパーが歌うテーマ曲『 The Goonies 'R' Good Enough(グーニーズはグッドイナフ) 』が好き過ぎて、後々、家に初めてCDコンポが来たとき、このCDを求めて何件ものレコードショップに電話をかけたことを思い出した(当時、あまり店頭には並んでいたかったのだが、注文したらあっさりと手に入った)

『ポリス・ストーリー3』は、中学生の頃、すでに自分の意志で観に行った映画である。

その頃はすでにジャッキー・チェンサモハンキンポーユンピョウ、、、といった面々の香港アクション映画にもすっかり嵌まっており、同じくらいジャッキー・チェンにド嵌まりしていたクラスメートと2人で観に行った。
(因みに、男友達であり、ロマンティックな映画初デートとかの話ではない)

当時は我々2人ともミシェル・ヨーのことはよく知らず、「今度の『3』は、これまでより凄いらしいぞ。特に、ジャッキー・チェンが高層ビルの屋上からヘリコプターに飛び移るシーンがあるらしくて、、、」と専らジャッキー・チェン狙いであった。

『ポリス・ストーリー3』では、ジャッキー・チェンが「ヘリコプターから垂れ下がるハシゴ」にビルから飛び移るシーンがあり、当時、このアクションが危な過ぎて、多額の保険が掛けられたとか何だとか話題になっていた。

私が子供の頃は、映画は2本立て(セット)で上映されることも多かったのだが、『ポリスストーリー3』は単発上映であり、友達と「ほれ見ろ、ジャッキーは1人でも客呼べるんだよ」みたいなことを生意気に話していた。
実際に、劇場は結構な数の観客が入っていた。

、、、さて、いつも通り快調な脱線具合で、なかなか『エブエブ』の話にならないが、あと少しだけ『ポリス・ストーリー3』回顧録を続けたい。

『ポリス・ストーリー3』が始まり、私と友達は急に黙り込んで映画の中の世界に没入していった。

映画の中のジャッキー・チェンも快調で、子供の私もニヤニヤハラハラしながら観ていたのだが、そのうち「、、、むむ?この姉さん、何かすごくねえか?」みたいにミシェル・ヨーのことが気になり始めた。

子供心に「ただのヒロインではなくて、、、アクションが、、、何か本物だぞ!」と感じたのである。

ジャッキー・チェンが敵にスタンガンで動きを封じられ、攫われるシーンがあって、そこにミシェル・ヨー演じるヤン刑事が助けに来るシーンがある。

そこで、ヤン刑事が腕を思いっきり振り回した後、両側に広げ、片脚立ちになって、鶴みたいなカンフーポーズ「バチッ」と決めるのだが、そこでもう子供の私は最高に痺れて「ヤン刑事~、そしてミシェル姉さん~」みたいに心を奪われた。

ヤン刑事の「鶴みたいなポーズ」のカッコよさは、言葉で表しきれないので、実際に観ていただきたい(伝わる人には伝わっているかもしれないが)。

呼んだ?

実は、私と友人は映画が終わっても映画館から立ち去ることなく、その日、劇場に居座り、3回続けて(!)『ポリス・ストーリー3』を観た!
(当時は子供であり、あまり不適切な行為とも思っていなかったので、ご容赦いただきたい)

観客は3回入れ替わったのだが(当然だ)、客の反応を今でも明確に覚えている。

変装をしたヤン刑事が、車のボンネットに飛び乗り、逃げようと走り出す護送車に飛び移るシーンがあるのだが、そこでは3回とも観客が「ウォ~ッ!」と大きくどよめいた。

終盤で、バイクに乗ったヤン刑事が丘から走行中の電車の屋根に飛び乗るシーンがあるが、そのシーンのことではない(このシーンも実にカッコいいのだが)。

街中を走り回る護送車にぶら下がった格好のミシェル・ヨーは、それこそ『ポリス・ストーリー』第1作目のジャッキー先輩の如く、傘なし「ハンティウォ~♪」的な展開になった。

さて!

話が少しマニアックになってきたが、どうせなら『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』のことも書きたいが、え~と、、、そうか、エブエブの話をした方がいいのか。。。

今さらであるが、本作は第95回アカデミー賞において、作品賞、監督賞、主演女優賞など7部門を受賞し、話題の作品である。

主演女優賞を受賞したミシェル・ヨーや助演男優賞を受賞したキー・ホイ・クァンのスピーチも話題となり、私も少し胸が熱くなった。

本作は、現実で仕事や家庭の問題に悩むエブリン(ミシェル・ヨー)と、彼女の夫であるウェイモンド(キー・ホイ・クァン)が、実は全宇宙の命運を託された救世主であり、、、みたいな設定のSF的な話である。

「現実の世界」と「マルチバース(多元宇宙?)」みたいな世界を行ったり来たりしながらストーリーが進んでゆき、最後に「オール・アット・ワンス」的にあらゆる次元がシンクロしてゆく。

設定としては、『マトリックス』とか『アバター』とか『インセプション』とかに似ている気がするが、あれより「他の世界」がもっと色々出てきて、何と言うか、、、もっとブッ飛んでいる感じである(そう言えば、ジャッキーパイセン繋がりで、パイセンも『THE MYTH/神話』とかで、結構似たような設定でやってるな)。

元来、「頭を使わない映画」を好む私としては、正直、あまり得意な分野ではない。

ただし、大マジメなSF作品とはしておらず、結構みんなでおバカなこともやったりしていて、飽きさせない工夫をしていると感じた。

ただ、あまりにも荒唐無稽な設定であり、私の勘違いかもしれないが、途中、何度か劇場内の多くの観客が「ポカーン。。。」と取り残されているような気もした。。。

よくもこんなにイ〇れた映画を考えたな、といい意味で呆れたりもした。
そこそこ「観客を選ぶ」映画かもしれないとも感じた。

私も途中でストーリーから振り落とされそうになり、何度か別のマルチバースに行きそうになったが、何とかミシェル姉さんに根気よく付いていった。

最後の方は、もう闘ったり、愛を確かめ合ったり、なかなかに忙しい展開となりながらも、少しほっこりする場面もある映画であった。

まあ、私としては、これまでのミシェル・ヨーを思い出しながら、彼女が今でもカンフーやってくれているのを見ているだけで、結構、感慨深いものがあった。

そうか、これは私にとっては『ポリス・ストーリー3』のヤン刑事の面影を心の片隅に置いて、しみじみと悦に入る映画なのかも。。。

そして、おぉ~っ、これは!

『ポリスストーリー3』で私を痺れさせた、あの「鶴みたいなポーズ」もやってくれた!

ミシェル姉さん、ありがとう ToT
私は、それ覚えてるよ~ ToT

それと、これまでミシェル・ヨーに何となく「凛としたカッコいい姉さん」みたいなイメージが強かったが、本作ではおバカなこともやりながら、何か可愛らしいキャラになっていた。

最後に本当に余談だが、本作も言語面では、私の好きな「英語+北京語+広東語」の『ラッシュアワー』的な3言語ちゃんぽんだった。

ミシェル・ヨーは基本的に「英語」で話し、キー・ホイ・クァンとは「普通語(標準中国語)」で話し、お父さんとは「広東語」で話していて、この組み合わせの映画が個人的に好きだったりもする。

何か『エブエブ』の話より『ポリス・ストーリー3』の方が熱くなった。

そんなこんなで、本記事もミシェル・ヨー姉さん寄りのタイトルにしておいた。

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