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【note部】k_higashiyama #ブックカバーチャレンジ part 3 乱反射


前回に引き続き折り紙のお話になってしまいますが、個人的に折り紙の1番の魅力はたった一枚の紙から驚くほど精巧な作品を作ることができるところだと思っています。
また、難しい作品を折れた時の快感も言葉に表し難いものです。
子供の遊びだと思うかもしれませんが、大人でも十分楽しめると思います。


ブックカバーチャレンジPart3

「乱反射」 貫井徳郎

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■概要
2011年に文庫本第1刷が発行された本作は、一見全く関係が無い、個人のマナーやモラル違反、エゴ、プライド、思い込み、自分勝手な行動などが連鎖し、主人公の息子が事故死してしまう社会的なミステリー小説です。
この事件は事故なのか、殺人なのか…?

■読んだ感想
この作品は読み進めるにつれて辛くなり、苦しくなり気持ちが沈んでいきます。そしてイライラや憤りも溜まっていきます。

しかし中盤から全く関係無さそうな出来事が悪い方向に繋がっていく緻密な構造は圧巻で、比類の無い面白さも兼ね備えているように思います。

自分の非を認めず開き直る人たちに良心から憤りを覚えますが、果たして自分に彼らを叱責できる権利はあるのか…

最終章の主人公の最後の一言にこの作品の全てが詰まっている気がします。

あなたのもとに現れたその糸もどこに繋がっているのか分かりません。
もしかしたらあなたも知らないうちに他人を殺めているかもしれません…

読後に残る何とも言えない不思議な感じを味わっていただきたいです。


ぜひ一度、読んでみてください。

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