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昭和から現代まで、武藏小金井

コラム:フェスティバルディレクター 三浦宏之


2024年のClap! 2回目のエリアは武藏小金井です。
今年のCenter line art festival Tokyoの本祭では一番大きなボリュームで展示やパフォーマンスが行われる武藏小金井エリア。今日は展示開催会場を中心にぶらりと歩いてみます。

美味しそうな看板

改札を抜けて、まず北口ロータリーへ出ると目に入ってくるのが、少しくたびれた中華料理やさんの看板。看板から想像するに「少し汚いけれど、店の雰囲気と味にハズレなし」というお店かなとも思うのですが、実はこちらのお店、私が武藏小金井周辺に引っ越してきた頃には既に閉店されていました。空き店舗に新たなお店が入る様子もなく、かれこれ5年以上看板のみが掲示されています。これはこれ、看板だけである意味味わい深いものとなっています。

どんなお店だったのかなあ。食べてみたかった。

北口の商店街、ドンキホーテの裏辺りをフラフラと歩くと、そこには昭和の面影が沢山残されています。

昭和臭が溢れんばかりの路地
古いトタンの壁

その中に小さな立ち食い蕎麦屋があります。
中央線沿線の各駅には(確か)中野区、杉並区、武蔵野市、三鷹市、国分寺市、国立市全ての駅周辺に蕎麦チェーン店の「名代富士そば」があったかと思いますが、何故だか小金井市(東小金井、武藏小金井)だけお店がありません。理由は分かりませんが、なんだか不思議ですね。
ということで、小金井唯一と言ってもいい(?)立ち食い蕎麦屋が「白樺」さんです。
私もたまーに、食べに行きます。

白樺さん、今日はお休みでした

実は冒頭の中華料理屋さんから昭和の路地、白樺さんがある地域一帯の風景は、近々北口の再開発に伴ってなくなってしまうとのことです。
昭和から現代へ、状況の変化とともに、街の風景も大きく変わって行くのですね。

不思議な壁画と立体の組み合わせ

以前から気になっていたのですが、商店街から小金井街道を北に向かって歩いて行ったあたりにボーリング場があります。この機会にということで、少し足を伸ばしてみました。

目線の高さにあるボーリングピンの看板

一人歩きだったので流石に一人でゲームをすることはなく、写真のみを撮影して少しゲームを観戦しただけですが、お客さんも多くとても賑わっていたのでちょっと驚きました。

ボーリングも昭和的ではある

ボーリング場を出て、駅方面に戻ります。
ここから今年のフェスティバルの会場をざっと紹介してゆきます。

フェスティバル開催4年目にして初めて武藏小金井の北口エリアが会場になります。
それが、わくわく都民農園小金井の施設「Plam」と大久保園を会場とした「KOGANEI ART FARM」です。
「Plam」では施設内の展示が行われ、大久保園では広大なさつまいも畑を舞台にした、野外展示が行われます。大久保園の展示は中央線の上り電車の中からも鑑賞ができるので、より沢山の方に楽しんでもらえる仕組みになってます。

Plamさん
中央線が背景になる大久保園さんのさつまいも畑

高架下をくぐって南口エリアへと向かいます。
南口ロータリーの正面にある小金井 宮地楽器ホール。今年もこちらのマルチパーパススペースで現代美術の無料展示「MUSAKO ART GATE」が開催されます。今年はマルチパーパススペースだけでなく、地下の市民ギャラリーと和室も展示会場となっていて、こちらの施設だけで14名のアーティストの作品が展示される予定です。

宮地楽器ホールマルチパーパススペース。今日は市民展示が行われていました。

宮地楽器ホールをでて、お隣のSOCOLA武藏小金井クロス クロスコートでは9月15日(土)に、フェスティバルのオープニングイベントとして、4名のアーティストによるライブイベント「SoCoLArt! LIVE!!」が開催されます。ジャズギターライブや、ライブペイント、パフォーマンスなどに加えて多摩観光のVR体験など、インタラクティブ特性を余す所なく楽しむイベントです。

SOCOLA武藏小金井クロス クロスコート

SOCOLA武藏小金井クロスから3分ばかり歩いたところにあるのが、KOGANEI ART SPOT シャトー2Fです。こちらの会場はフェスティバル初開催時から続く公募展「Space Sharing Program」が行われます。今年から国際公募展となり、国内のアーティストに加え、ロシア、ドイツ、チリ、オーストラリア、中国からアーティストが参加します。ぜひご期待くださいね。

入り口が少し分かりづらいけど、右の扉が目標です!

また、シャトー小金井にある広大な地下スペースでは9月29日(日)に岩渕貞太さんによるパフォーマンス「リバーズ・エッジ」が上演されます。
内装が剥がされコンクリート剥き出しになっている、廃屋イメージの強い広大なスペースでの1日限りのパフォーマンス。ぜひご覧になってくださいね。

シャトー地下スペース(写真は会場下見時のもの)

シャトー2Fから目と鼻の先にあるgallery Cajio。こちらが武藏小金井エリアの終着点と言ってもいいかもしれません。独特な建築構造の素敵なスペースです。こちらの会場では山本アンディ彩果さんの個展「”永遠”に擬態する」が開催されます。
「砂糖漬け」という独特の技法で、記憶や感覚といったものをアーカイブしてゆくというアンディさんの作品世界は必見です。私も今から楽しみにしているところです。

gallery Cajioさん

ざっと駆け足で今年の開催会場を回ってきましたが、各会場の詳細は下記に記載されているオフィシャルサイトに掲載されていますので、是非ご覧になってくださいね。

今年もCenter line art festival Tokyoの開催期間、昭和の面影を残す武藏小金井エリアが、現代アートで彩られます。
みなさま、是非楽しみにしていてください。


Center line art festival Tokyo(中央線芸術祭)2024 は「心象〜Representation of the mind.〜」をテーマとし中央線沿線地域で美術展示やパフォーマンス、ワークショップ、トークイベントなどのプログラムを開催します。
市民生活へと深く浸透する芸術創造の場を創出し、東京中心部における文化圏を西東京地域に緩やかに拡大してゆくためのプラットフォームとして継続することによって、地域コミュニティ、民間を主体とした文化創造を促進してゆくことを目標におきながら、西東京地域から全国に向けた発信を市民とともに行ってゆきます。

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