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昼光色

カーテンのない部屋へ入居して本日で八日目。二段ベッドの上段でヨガしても天井に手が届かないほど高く、部屋の行動スペースはロンドンの十倍だろうか。コロナのおかげでこれを独り占めしているのです。隣室の生活音に邪魔されない生活はどれほど幸せなのか。歌いながら肩甲骨や背骨ストレッチで腕を全力で回しても壁にぶつかる心配はないし、ウォーキングランジが片道六回できる広さをぜひ想像していただきたい。テラゾー床が冷たくて、暖房がないのは衣類でカバーできるけど。廊下の蛍光灯は毎日夜通し。昼光色の空気が容赦無くまぶたを包む。時差ボケと何を企んでるの?おかげさまで毎日三時起きだよ?

毎朝のニュースで聞き飽きたキーワード、SNSでも洗脳してくる。好きな人たちのつぶやきも、投稿も、私は集中して読めなくなった。読んでもいないのにハートを押しては、ただの偽善者でしかない。溢れ出す情報量に溺れ、悲観的なエネルギーに飲み込まれた自分が確かにいる。なので沼からログアウトして、心を整えてから、また日が暖かくなったら。

こんな状況ではあるけれど。ここで綴り続けると約束したから。大丈夫だよ、居場所はあるよと教えてくれた、顔も名前も知らない大切な人がいるから。

一緒に散歩したいな、いつか。目的地のない海流のように。






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