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都市(まち)に関わる映画のご紹介⑤

こんにちは。
先に申し上げておきますが、本日ご紹介させて頂く題材は非常にセンシティブな内容になります。なので、いつも添付させて頂くTrailerやURLは省かせて頂きます。
まちに潜む伝統を知る。という意味でご紹介をさせて頂くこと、ご了承下さい。

まえがき

今回ご紹介させていただくのは、「Secret of the Sauna」です。
2016年にイギリスのとあるTV番組のドキュメンタリープログラムとして放映されたもので、街に隠れるように点在するGay Saunaの中を覗いて見たドキュメンタリーになります。

今、日本ではサウナブームがきており、海外旅行に行く際にサウナに行きたい!と、Googleで探してみると、Gay Saunaという場所が表示され、好奇心見たさや宿泊代を浮かせるために訪れてみようとされるかもしれません。
私個人としては、ここがどういった人に愛用され、なぜ施設がこのような形となって存在するようになったのか?ちゃんと理解した上で、自己判断で訪れるかどうかの判断をして頂ければと思います。
*Sexualityとして、利用者はGayに限定(システムというより慣習として。 *私が映画で見た限り)されております。


まち視点からみる、この映画の魅力

今でも性的マイノリティに対する差別や偏見というものは、残念ながら根深く存在しております。宗教・信仰・倫理・教育等、様々理由によりそういった事実が今も続いており、彼らが現代社会に何を感じて生きているか?はそうでない人々には計り知れないものもあると思います。

そういった中で、彼らが彼ららしく生きれるかもしれない場所の1つとして秘密裏に作られたのがGay Saunaです。禁酒の時代のもぐり(Speakeasy)や非合法な賭博場と仕組みとしては似ており、外観からは提供内容サービスが推測しにくいように、あえてまちに溶け込ませつつも、知っている人には分かる。というニュアンスをついて設計・配置されております。

違う点は、性的マイノリティが自分らしくあるための手段・行為が法・規律に抵触している。ということは、一部の宗教的理由を持つ国を除けば、ないのでは?という点です。つまり、法的に違法なことをしている訳ではないにも関わらず、非難の目にさらされるのを避けるため・ひっそりと自分らしく生きるためにつくられたもの(エスケープゾーン)と言えます。
Sexualityだけでなく、Gender, Ethnicity, 社会経済的背景、身体的特徴等によって様々な人が息苦しさを感じ、自分たちが避難できる場所をまちに求めており、また避難しなくても快適にまちで過ごせることを願っております。
これは、SDGsにも掲げられている大きなミッションです。

この映画は、彼らがどのように生きているのか?だけでなく、彼らの生活を支えている人や彼らの身近にいる性的多数者とのかかわりなど、個としてだけでなく、社会集団としての捉えられ方にも焦点を当てております。 この映画で切り取られているのはごく一部にはすぎませんが、それでも彼らのライフを知ろうとする意味では有意義なものだと思います。

伝統・しきたりとは何なのか?どうしてできたのか?

そんなことを考えさせられる映画でした。

あとがき

この映画をご紹介すべきかずっと悩んでおりましたが、昨今のサウナブームも背景にあり、誤って意図しない人たちがお店に入ってしまわないように。と思いを込めて、書かせて頂きました。

街中を歩いてみて、通りにある謎の標識やマーク・現象を探してみては、あれはこういう意図がるのではないか?これは実はこういう目的ではないだろうか?などと空想してみると、まち散歩がより楽しくなるかもしれません。
思いがけず、治安の悪いところに入ってしまったとならないように気を付けて下さいね。

最後までお付き合い下さりありがとうございます!
もし映画を見てみたいという方は、ご自身で検索して探してみて下さい!

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