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偽ってきた親への想い。

2020年の春。

もうすぐ1歳になる息子の昼寝中に、たまたま開いたinstagram。
子育て支援のお仕事をしている友人と一緒に映っていた女性のページをなんとなく開いたら、ちょうどinstaLiveをしていた。

お仕事前にメイクをしながら配信していて、私は家事をしながらBGMのように手を動かしたり考え事をしながら聞いていたのだ。

ふと耳に「親のこと?嫌いでもいいんです。嫌いでいいじゃん」という言葉が飛び込んできた。すごくドキッとした。「この人、親のこと嫌いって言った。嫌いって言っていいんだ...?」と、不思議な気持ちになった。

私は親が苦手だった。世界で一番苦手で緊張する相手なのだ。
また別の投稿で詳しく書こうと思っているが、私は妊娠をきっかけに、もともと苦手だった母親の顔を見ることができなくなった。会いにいっても目を見れない。触られたくない。心ここに在らずな会話をしてさっさと帰る。これが精一杯だった。

それでも「嫌い」という言葉を使うのにとても抵抗があって、これまで人に説明をしなくてはいけない時には「世界で一番緊張しちゃう」とか、「好きじゃない。」とか「合わない」と言った表現をしてきた。


そんな私にとっては、衝撃のinstaLiveだった。「この人は何者なんだ!?」と彼女に興味が湧いて即フォローし、プロフィールとブログを読んだ。
彼女は「大人の女性の自己肯定力を高めたい」という想いを抱いて活動している「プロコーチ」だった。

いくつかの投稿や記事を読んでみて、「へぇ、こんな仕事もあるんだな。」と思い、スマホを置いた。


それからしばらく経って、なんとなくフォローも外して仕事と子育てに手一杯な日常を、気忙しく過ごしていた。

時折「親のこと?嫌いでもいいんです。嫌いでいいじゃん」と言った彼女の言葉を思い出しながら。




CiTRON

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