木庭 千色 /こば ちいろ

文芸創作と手芸とぼんやり/ 書店時代の仲間と、創作サークルHYGGEを結成。詩・小説を…

木庭 千色 /こば ちいろ

文芸創作と手芸とぼんやり/ 書店時代の仲間と、創作サークルHYGGEを結成。詩・小説を中心とした創作活動を行い、文学フリマに出没。/ 1988生滋賀県民/

マガジン

  • 7年後に100年前のチェコ語の日記を翻訳する初学独学者の記録

    7年後に100年前のチェコ語の日記を翻訳する初学独学者の記録です。

  • 感想ログ

    本の感想まとめ。カバー写真は所属サークルHYGGEの合同誌。

  • 猫と炭酸

    本と日常のエトセトラ。書くことが一番のエンパワメントだった。マガジンタイトルは、炭酸水に深淵を見る様な我が家の猫の表情から ※過去の日記も一部修正して公開予定

最近の記事

朴訥という格好の良さ 小林賢太郎「僕がコントや演劇のために考えていること」

ご無沙汰をしております、木庭です。 相変わらずのご挨拶ですが、12月になったので、読書感想を中心に、また少しずつ記事を書いていきたいと思っております。何卒お付合い。 そういうならば、12月1日から始めるべしであったと思うのだけれど、昨日の突然のニュースに驚いて、ずっとそのことばかり考えていた。 『肩書から「パフォーマー」をはずしました。』って言うけれど、『小林賢太郎は、劇場にいます』と自称した人の、肩書からパフォーマーが消えたらどうなるのだろうか。 小林賢太郎さん、基ラ

    • 10月 ハーブティーにハマる。 ストレス対策。

      気がついたら、前回の記事から半月が経っていて驚いてしまう。 10月に入って、こん詰めねばならぬことがあり、その上急に涼しくなったおかげでしっかり風邪も引いたものだから、読書やnoteと言った楽しみに手が回らなくなってしまった。やらねばならぬことが迫るほどに集中力を欠いて成すに成せない子どもだったことを思えば、「やらねば」という気持ち一つでやるべきことに取り組めるオトナになったという事実だけでも、自分をしっかり褒めてやりたい。 ご褒美に何か、と思うけれど、私の趣味は読書や手

      • 9月の読書記録など

        月初の文学フリマ大阪が終わって以降、脱力傾向にあったけれど、少しずつ力を取り戻している。文フリに向けての創作・編集・当日の活動と大きなアウトプットですっかり空っぽになったのだ。 おかげで、先週今週と大変にインプットが捗った。読書も資格勉強も買い物も、私には同列のインプットである。 イェジー・コシンスキ「ペインティッド・バード」、二階堂奥歯「八本脚の蝶」、スティーブン・キング「書くことについて」、リチャード・パワーズ「オーバーストーリー」を楽しく読んだ。 「ペインティッド

        • 文学フリマ大阪 御礼

          久しぶりのイベント、久しぶりの遠出で昨日はあっという間に寝こけてしまった。 1日経って、というタイミングですが、文学フリマ大阪に参加された皆様、お疲れ様でした。そしてHYGGEのブースにお立ち寄りくださった皆様、ありがとうございました。 文学フリマ大阪は、運営Twitterによると大きな事件もなく無事に終了した模様。 このまま何の問題もなく時が過ぎ、次回の開催につながることを切に願っています。 ツイッターを見てきました、と仰ってくださる方もいて、SNSコミュ障を自負す

        朴訥という格好の良さ 小林賢太郎「僕がコントや演劇のために考えていること」

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        • 7年後に100年前のチェコ語の日記を翻訳する初学独学者の記録
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        記事

          文学フリマ大阪 C-03にいます。

          明後日はついに文学フリマ大阪。 他地での開催が取りやめになっている中、大阪では開催されることに嬉しさと緊張の両方を感じている。 とにかく全てが無事に済みますように。 当日は、HYGGEのブースC-03にいます。 メンバー4人で店番を回すことになるので、在席時間はTwitterでご報告します。 木庭千色のTwitter ■ イベント参加告知 ■ 第八回文学フリマ大阪に、HYGGEで参加します。 開催予定日:2020年9月6日(日) 会場:大阪 京阪天満橋駅/地下鉄谷町

          文学フリマ大阪 C-03にいます。

          HYGGE vol.4「SPY」より「ESPION」冒頭

          今週末に迫った文学フリマ大阪。 そこでお披露目となる、私が所属するHYGGEの新刊、「HYGGE vol.4 SPY」より拙作「ESPION」冒頭を一足先に公開します。 ご一読頂けますと幸いです。 ■ イベント参加告知 ■ 第八回文学フリマ大阪に、HYGGEで参加します。 開催予定日:2020年9月6日(日) 会場:大阪 京阪天満橋駅/地下鉄谷町線天満橋駅スグ OMMビル2階 HYGGE ブース:C-03 イベントHP: https://bunfree.net/even

          HYGGE vol.4「SPY」より「ESPION」冒頭

          夏の終わりなど

          9月1日を迎えてなお、暑い。 暦の上ではとっくに秋だけれど、昨日と何も変わらない今日。 しかし、それでも夏は終わる。昨日で、今年の、我が家のいちじくの収穫が終了した。 その記念に。

          文学フリマ大阪 新刊届きました。

          印刷所から小さな小包が届く時、その感動は計り知れない。 実物を手に取って開いてみるまで、自分が作り上げたものがきちんと、思い描いた形になっているのかわからなくて延々ドキドキする。思い描いたものが手の中に納まった時の至福感はその反動だ。 今回の表紙は、HYGGEメンバーの柚月ひろむが描いてくれました。 中身の編集は、私がwordを駆使して頑張りました。 出来上がりを見ての反省点はあるものの、事前に思い描いていたことはきちんとできていたので、いずれここでWordでの小説同

          文学フリマ大阪 新刊届きました。

          神さまを待っている / 畑野智美

          希望のある終わりを迎えた主人公を、もう私は羨ましいとは思わない。それは、私の成長であり、物語を真正面から受け止める若さを失ったということかもしれない。小説の始終を「これは創作だから」と割り切り自分への負荷を軽減する一方で、物語の結末が「一人でも多くの人の希望になりますように」と一読者の立場として願っている。 これは、貧困女子の再生の物語ではなく、人間関係への不信からの再生の物語だ。 主人公の愛は、26歳でホームレスになる。派遣切りにあってからの約1年半、最貧困層の住人とな

          神さまを待っている / 畑野智美

          夏の宿題と文学フリマ

          気が付けば、文学フリマ大阪まで、あと3週間を切っている。 所属している創作サークル・HYGGEの新刊は来週届くのを待つばかりだけれど、自身の作品集『私の古い言葉たち/寝惚草紙』の手直しをしなくていけないことを忘れていた。 加えて、noteの有料マガジンに作っている『私の古い言葉たち/寝惚草紙』も、8月末までに全作品の掲載を終えようと思っていたのに、いつの間にやら後12日しかない。 やり切らねば。 第八回文学フリマ大阪に、HYGGEで参加します。 開催予定日:2020年

          夏の宿題と文学フリマ

          おいしいコーヒーの入れ方 Second season Ⅸ ありふれた祈り 村山由佳

          待ち焦がれた最新刊が、最終巻で、四半世紀の恋が、ここに完結した。 私がおいコーに出会ったのは、高校生の時。図書室の司書教諭から、 「ほろほろの砂糖菓子のような」 といって勧められたのがきっかけだった。 寝ても覚めても恋愛ごとに飢えている JK には絶大なパワーワードだった。この推薦言葉は、その後、今日に至るまで、いや、今後もおいコーの表紙を見るたびに、私の「おいコーとは」を表す一言として刻み続けられる。 おいコー基、「おいしいコーヒーの入れ方」はシリーズ全19巻の長

          おいしいコーヒーの入れ方 Second season Ⅸ ありふれた祈り 村山由佳

          謎の毒親 姫野カオルコ

          意識しているわけではないけれど、多読していると似通った雰囲気の作品を手に取っていることが多い。一定の感情階層に浸ることで、多読が原因で起こる混乱を無意識に避けているのかもしれない。 先日記事にした「隠された悲鳴」に続き、これも、ノンフィクションのようなフィクションだ。ノンフィクションに基づいたフィクションと言った方がより正しいのだろうか。姫野カオルコさんの実体験を基に、姫野カオルコさん自身が小説として仕立てている。 とても不思議な読感だった。 姫野さんの実体験だと前情報

          謎の毒親 姫野カオルコ

          隠された悲鳴 ユニティ・ダウ

          『事実は小説より奇なり』 そして、『人間が想像できることはたいてい現実化できる』 この二つの言葉は、これまでの私の本読み人生を通し、間違いないだろうと思っていることだ。 小説というものは、そのほとんどがフィクション、創作であって、現実にあったことではなく、平たく言えば作者の頭の中で生まれ、練られ、作り物として世に放たれたものである。 殺人鬼が暗躍するサスペンスも、夜眠れなくなるホラーも、星空をユニコーンと駆けるファンタジーも、1000年後の未来を見てきたかのようなSFも

          隠された悲鳴 ユニティ・ダウ

          エコバッグにおすすめの風呂敷 10年以上風呂敷を愛用する私がオススメの、オンラインで買える京都ブランド

          レジ袋が有料化してはや1ヶ月。 大手コンビニ3社(ファミマ、セブン、ローソン)では、いずれもレジ袋辞退率が70%を超えたとニュースになっていた。ファミリーマートだけでも、このペースで行くと、年間で約9,000トンの石油系プラスチックの削減効果が見込まれるとのこと。(PRTIMES 2020年8月3日更新記事参照) 有料化する直前まで、いろいろ懸念はあったけれど、始まってしまうと変わった環境・社会を楽しむためにたくさんの工夫も生まれていて、上記の結果予測と合わせて、良いニュ

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          bechoriのカラフルハンドレタリング シンプルで美しい手書き文字レッスン

          大阪か、京都で、レタリング用のモノライン(Bスタイルと呼ばれる丸いラインの書ける付けペン先)を購入できる場所はないだろうか。 御存じの方、コメントでお知らせいただけると幸いです。 ※ 文房具が好きで好きで、文具の仕事をしていた私の好みど真ん中の一冊。 レタリング技術の指南書としてもとても分かりやすい。 フルカラーで、サンプル掲載されているレタリングデザインもとても美しい。 説明文は簡潔で、お飾りめいたキャラクターの演出もなく、その分「似ているようでこんなに違う、レタリ

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          Wordで本を作る。

          昨日、9月に開かれる文学フリマ大阪に向けて製作していたHYGGEの合同誌が仮完成した。これで4作目になる。 今回、拙いながら私が編集・装丁を担当している。装丁画はメンバーの柚月ひろむだ。手前味噌だけれど、今回も、なかなかいい感じに仕上がりつつある。 個人作品として出している詩集もそうだけれど、私は製本データはWordで作製している。 最初は、Wordで本が作れるとはちっとも思っていなかった。立派なデスクトップのPCと高価な編集ソフトでないと、何もできないと思い込んでいた