#184【日記】かみのけとかしものけとか
今日もお読みくださってありがとうございます!
タイトル画像はちょうど一年前に髪の毛をヘアドネーションしたときの写真です。くらたは髪が細くて乾燥しやすい&ドライヤーがめんどくさいズボラ民なので、この長さを保持するのは大変でした。でも甲斐あって35cm寄付できました。
先日久しぶりに会ったCちゃんもかつてヘアドネーションをし、さらにまた伸ばしているとのこと。本当にすごい。
及ばずながら、少しでも共通点がうれしかったです。
さて、昨日の続きです。
昨日は、小学生のころ習っていたピアノ教室での思い出話でした。
時は移って先日、八月の舞台のチケット発売日でした。
観たい演目があったので母と、投薬の合間を狙って行きたいね、と前から話していました。
母の投薬には髪の毛が抜ける副作用があります。母はもともと大変ボリューム豊かな髪の持ち主ですが、さすがにここ1週間でかなり脱毛が進んできました。
いざチケットを取る段になったとき母が嘆息交じりに、
「でもこの頭じゃなあ……」
としょんぼり言いました。
事前に脱毛があるとわかってはいました。
「もう歳だからそんなのは大丈夫」とも言っていました。
それでもいざ始まって鏡を見ると、つらいものがあるのでしょう。
床や洗濯物に抜け落ちた髪を目の当たりにすると、本人じゃなくてさえ、つらい。
でも……
でも、あえて言おう!
脱毛が始まって落ち込んで出かけたくないって言われるのなんてくらたは予習済みでとっくに想定の範囲内だ!
どんとこいっての、はっはっはーだ!(虚勢)
観たいものは観たほうがきっといいのだ。
くらたは母との外出をあきらめないのだ。
なんなら、本格的に副作用が始まる前からこの舞台のチラシを見せて、行きたいねと機運を醸成してきたのはそのためだったのだ。
今初めてこの舞台の話をしていたら、行かない、と言われそうだったから。
先日の入院でハキハキした看護師さんに五分刈りを勧められたらしいのだけど、好きな髪型にしておけばいいと思う、と伝えてあって。
五分刈りにしてもいいかな、と思うならそうすればいい。
けど、そうでないならこのままでいい。
家じゅうに髪の毛がごっそり落ちているのも、洗濯物も髪の毛だらけなのも、本人的には落ち込むみたいなのですが、そんなものはいくらでも掃除するよ。
天候不良の部屋干しの生乾き臭や、父がちょいちょい洗濯物に仕込んでくるティッシュやボールペンのシミに比べればなんてことはありません。
毛関連で言えば、大学時代付き合っていた先輩の汚部屋アパートの床は毛髪どころか下の毛がびっしり落ちていて掃除機も壊れていたから、遊びに行って帰るときに自分の服についていないかそれはそれは恐怖でした。
裸眼で運転できるくらい視力がいいのに、見えていないのか気にならないのか……。後輩に貸すMD(懐かしい)のケースに下の毛が混入していたこともあったし、下の毛のついたスーツで就活していたこともありました。OH!
見かねて5,000円かけてクイックルワイパーとかハイターとか(水回りも汚かった)掃除用具を買い揃えてピカピカに掃除したら、「なんで掃除なんかにそんなにお金をかけるの?」と逆に怒られました。いやくらたのお金だし!
その人はNODA・MAPとか第三舞台とか三谷幸喜とか大人計画とか、たくさんの面白いものをわたしに教えてくれましたが、「この人と結婚したらわたしの人生が終了する」と気が付いて別れました。
閑話休題。
並べたら母に怒られそうだが、今の掃除などあの経験に比べれば屁のようなもんだ。
まったく、なんの経験がいつなんの役に立つかわかりません。
少しエレガントな黒いスカーフを購入してきて帽子のように頭に巻く方法を提案したら、似合うし気に入ってももらえたみたい。
もっとも、ここ数日は体調がすぐれず外出できない日が続いているのですが。
治療の妨げにならない範囲で、楽しいことも共有していきたいと思っています。
本来の休職期間の使い方ではなくて申し訳ないけれど、休職期間でよかった。
カウンセラーさんにも、「たとえ今かぐや姫課長がいなくなったとしてもその状態では復職は難しいよね」と言ってもらえたのはありがたかった(そもそもカウンセラーさんはくらたの現職への復職には懐疑的)。
母と話しながら思い出すのはあのピアノ教室の女の子。
70過ぎの母ですら落ち込むのだから、あの年齢でどんな心境だったかと思うと胸が痛みます。
名前も知らないけれど、くらたに大切なことを教えてくれてありがとう。
あなたのいまが幸せであったらいいな。