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スープにあられ? ママ・パパの朝のイライラを解消!(アラレ・ジャンピン!開発ビハインドストーリー)


Makuakeに挑戦


ちょうど1年前、私たちはMakuake(マクアケ)でスープに入れて食べるあられ「ARARE JUMPIN(アラレ・ジャンピン)!」を販売しました。

スープに入れて食べる「ARARE JUMPIN(アラレ・ジャンピン)!」



これが私たちにとって初めてのMakuakeチャレンジでした。Makuakeとは、いわゆるクラウドファンディングサービスの一つですが、コロナ禍の中で厳しい状況にある企業やブランドを応援しようという機運もあり、一般の生活者にとってもクラウドファンディングを通して寄付や応援購入をすることが一般化されてきたように思います。ただ、

お煎餅とクラウドファンディング??

交わることがないような、アンマッチにも思われる取り組みになぜ私たちは挑戦しようと考えたのか?まずここからお話をしていきたいと思います。

今弊社では、毎年1月に次の1年をどんな目標に向かって、どんな役割分担をして、どんな行動計画を立てて進んでいくかを丸一日かけて決めています。これをDAY1と呼んでいます。その中では、「こんなことが起きたら最高だな」という基準で目標や行動計画を考えます。その基準を置くことで、自分たちの固定観念から一旦離れて、思考や発想がジャンプできたり、パラダイムシフトが起きたりすることを狙っています。2021年1月24日に行われたDAY1にて商品開発の行動計画を決めていた時に、ある役員が「Makuakeで先行発売することを前提として商品開発を行う」という提案をしました。その時、私(代表取締役・山田 宗)は、この基準で開発したら何かおもしろい商品が生まれてきそうだなとワクワク感を覚えました。Makuakeのチャレンジが決まった瞬間でした。

DAY1でMakuakeのチャレンジが決まった


おやつの域を超えて。その答えは朝食のスープ?


Makuakeでの先行発売を前提に商品開発することが決まりました。それがどうしてスープに入れて食べるあられとなったのか?

実は、DAY1においてMakuakeへの挑戦とは別にもう一つこれまでとは違う視座でチャレンジをしようと決めたことがあります。それは、世の中の問題や人々が困っていることを米菓という手段でもって解決しようというチャレンジです。私たちのミッションには、「社会問題を解決する」という一文があります。これに真正面から取り組んでいこうと決意しました。

では、どんな問題を米菓で解決できるのか?

少し前の記事で、フードロス削減や飢餓問題に対してKakecco(カケッコ)という商品を通して貢献を目指しているとお話しました。このKakeccoの開発を通して、日本のフードロスは開発途上国の飢餓問題につながり、その原因の一つは日本の食料自給率の低さにあるということを知りました。また、そう遠くない未来に世界的な食料危機が起きる可能性も示唆されていますし、最近の異常気象を見聞き・体験する度に現実味を帯びてきているように感じます。日本の食料自給率の低さは、非常に重要な問題であり、そして国産もち米を主原料とする「あられ・おかき」は食料自給率を上げることに貢献できる、この問題は煎餅屋の私たちにとって身近で、重要なものだと思いました。

では、日本の食料自給率を上げるために、私たちに何ができるのか?それはおやつの域を超えて、あられ・おかきの喫食シーンを増やすことだと思います。そこで、朝食というシーンがアイディアに上がってきたのです。

ママ・パパの朝食の悩みを解決!


では、朝食であられ・おかきを食べるという、煎餅屋の私でさえやったことも聞いたこともないことをどうしたら現実にするのか?

ここでもどんな問題や困りごとを解決すればよいのか、食料自給率という国家レベルの視点ではなく、もっと生活者の視点で考えていきました。弊社には幼児を育てているママ・パパが何人も在籍しています。実は私もそのうちの一人で、3歳と5歳の女の子のパパです。

ママ・パパでもある開発チーム(真ん中が山田)

そんなママ・パパの朝食の悩みは、子供がご飯を食べてくれないこと。朝は時間に追われているため、親の焦る気持ちと子供の自我を貫きたい感情がぶつかって、ついついイライラが募ってしまいます。当時、私の次女が絶賛イヤイヤ期に突入していて(今も主張強めで我が道を進んでいます)、我が家でも悩みの種でした。そんなイライラした気持ちで一日をスタートするよりも、家族がキラキラの笑顔で栄養満点の朝食をとって一日をスタートできたらどんなに素晴らしいか、そんな想いを基に、「朝食で食べるあられ・おかき」が「スープに入れるあられ」へとアイディアの展開がされていきました。!!

ところで、私は以前からランチにインスタントスープを買ってきて、そこに「きりのさかの玄米ちっぷす」をクルトン代わりに入れて食べていました。クルトンより食べ応えがある上に、玉ねぎや桜えびなど練り込まれている副素材によりちょっとした味変を楽しめるところも気に入っていました。また朝食の定番のシリアルとしてあられを提案できないものかとも度々考えていました。ですので、この提案が社内で挙がってきたときは、「やるしかないでしょ!」そんなリアクションでした。

開発における工夫は、スライダー&キャラクター


今回Makuakeにおいて発売する商品は、スープとのセット販売ではなく、あられ単品での販売を当初から計画していました。ところが、ここにハードルがあることに開発の早い段階で気が付きました。商品自体の見た目は、普通の玄米のあられ。玄米ちっぷすと同じような形状です。そのあられをわざわざスープに入れて食べてみようとはなかなかならないのではないか?この商品を購入し、スープに入れるという動作をしてもらうにはどうしたらよいのか?ここに工夫が必要だと思いました。そこで2つの工夫を考えました。題して、スライダー&キャラクター。

一つ目のスライダーとは、ウォータースライダーのこと。スープをプール、あられを人間に見立てて、人間がウォータースライダーを滑ってプールに飛び込むがごとく、あられが小袋からスープに飛び出していったら、思わずやってみてしまうのではないかと考えました。そこで小袋にウォータースライダーの絵をデザインしています。ARARE JUMPIN(アラレ・ジャンピン)!という商品名も、スープにJUMP IN(ジャンプ・イン)するというそのままの名称になっています。

ウォータースライダーを滑るあられを個包装にデザイン

二つ目のキャラクターは、あられ一つ一つにキャラクターの顔を描いています。3人のキャラクターを作り出し、あん、らん、れん(頭文字を繋げると「あられ」)と命名しました。それぞれの表情にも工夫を凝らし、あんは真顔と恐怖の2パターン、らんはスマイル(楽しい)、れんは絶叫というウォータースライダーを滑っている時の表情をつけています。3人がスープにぷかぷか浮いている様子を想像して、きっと子供たちは喜んでくれるのではないかとワクワクしてきたことを覚えています。

あん、らん、れんという3人のキャラクターの顔をあられ一つ一つに描いている

こんなことを社内や外部のクリエイターと色々検討していると、どうしたら購入し、試してくれた人たちをもっと笑顔にできるのか?もっと!もっと!という気持ちになっていました。そんな中で生まれた仕掛けを最後に一つご紹介します。

それはコアラのマーチで私たちが子供の頃に経験した喜びを参考に考えたのですが、いわゆるラッキーアイテムがキャラクターに混じっているというやつです。各袋に1つか2つラッキーアイテムが混じっています。ARARE JUMPIN!のラッキーアイテムは、☆(星)とクローバーの2種を作りました。このクローバーはただの四つ葉のクローバーではなく、「四つ米のクローバー」。煎餅屋らしく、4つの米をクローバーのように描きました。この商品を体験した人が何度も何度も笑顔になるように、楽しんでいただけるようにと心から願って色んな工夫や仕掛けを詰め込んでいきましたが、この頃には開発する自分たちが一番楽しんで、笑顔になっていたように思います。

ラッキーアイテムの☆


これ以外にも100億個のシールド乳酸菌を入れたり、スープとのペアリングを探求したりと商品自体の工夫もたくさん凝らしています。そちらは開発者が投稿した過去のnote記事に記載していますので、そちらも是非ご覧ください。


最後に


ここまで開発のビハインドストーリーについて語ってきましたが、最後にこのARARE JUMPIN!でのMakuakeチャレンジを応援してくださったたくさんの方々への感謝をこの場を借りて改めてお伝えしたいです。

Makuakeでプロジェクトを立ち上げて応援を募った際に、友人、知人、協力会社、得意先、その他多くの方が応援購入をしてくださり、たくさんの期待と応援メッセージもMakuakeサイトを通して、個人的な連絡方法にて送ってくださいました。「ワクワクする」、「楽しみ」、「可愛い」などの言葉にとても勇気づけられました。本当に多くの方々に私たちは日頃から支えられているということを再認識する出来事となりました。私たちの商品から笑顔を生み出すはずが、逆に私たちが笑顔をいただく方が大きかったのでは、とさえ私は感じました。本当に有難いことです。ただただ感謝しかないです。この人の繋がりに対する感謝が、このチャレンジを通しての一番のレッスンのように改めて今感じています。

「期待を胸に、世界中に笑顔を膨らまそう!」