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【ドイツ留学】ドイツのカフェでバイトして学んだこと。

こんにちは。

雪が降りしきる極寒のミュンヘンで留学生活を送る大学生、桜です。


先日「バイトを始めた」という記事を書きました。


あれらというもの、授業のない日は週に2,3日、一日に3~5時間ほどこのカフェで働いています。


ある日の賄い


3か月ほど働いてきて、最近少し思ったことがあります。

それは、私が日本で生きてきた20年間で出来上がった“当たり前”は、実は異常なのかもしれないということ。

留学中にバイトをすること自体ためらっていたころの私に、
あなたの選択は正解だったと言える経験を積むことができている今の考えを、
ここに残しておこうと思います。

※サムネイルは私作・ハリーポッターです
どうでしょうか


お客さんの“品格”


私は日本で大学生活を送っていた頃に、様々な接客業を経験しました。
百貨店のお高めなレストランから個人の小さなカフェ、ドラッグストアのレジからテーマパークのクルーまで。

そして今ミュンヘンのカフェで働いて思うのは、現地のお客さんは特に、
客としての品格が備わり、そして心の余裕があるということ。


たとえばその日忙しくなかなかオーダーを取りにいけない時、彼らは何も言わず、いつまでも談笑して待ってくれます。
その後の対応次第だと思いますが私は、すごく長く待たせてしまった後も苛立った態度をされたことはありません。

ドイツには店員を「すみません!」と呼ぶ習慣はなく、店員の手が空いている時に客からアイコンタクトを取り、店員が席に向かうという文化です。
自分が客として食べに行くとたま~にアジア人差別(私達の卓だけ全然目を合わせてくれないなど)がありますが、

あくまでも客とは店員に給仕してもらう立場であり、忙しそうなときも急かしたりイラついたりせずに待つ、というお客さんの品格がお客さん全員に備わっているような気がします。


それに、ちょうど今日のバイトで感動したのが、
とあるお客さんがティッシュで鼻をかんだ後、そのティッシュを鞄の中にしまったのです。
錠剤のゴミとか、鼻をかんだティッシュとか、よそのレシートとか、百貨店のレストランですら置いて帰るお客さんがそこそこ居たのに、
そういえばこっちでそれらを片付けたことは一度もないです。
ドイツ人のお客さんの考え方だと、相応の代金を支払ってご飯を提供してくれた場所にゴミを残していくのは非常識なのでしょう。

よく考えてみればそうだよな、「ついでだから」とかでなく、
ある程度の品格があれば自分のゴミをお店に捨てさせるなんてしないよな
と私も思うようになりました。


他にも、
忙しそうな私がバッシングをしなくていいように(本来店員がしているのに)帰り際に自分の食器を持ってきてくれたり、
ベビーカーをもったお客さんが来るとほかのお客さんも席を立って椅子の移動を手伝ってくれたり、

帰った後にこちら側が温かい気持ちになる
「素敵なお客さん」
がほとんどです。
もちろん日本でもそういうお客さんはいますが、ここはそういうお客さん“しか”いない、そんな印象です。


店員の“あるべき姿”


先に言ったように日本のいくつかの業種で働いて、すべてに共通していたのは「お客様は神様」という意識でした。

お客様が見ているところではきちっと立ってきびきびと働いていなければいけないし、
“おもてなし”の名の下に値段のつかないサービスをすることが実質的な義務だったし、
不手際はクレームにつながるので少しのことでお客さんに謝ってばかりでした。

でも今はというと、
することがないときはお客さんの前でも普通に座って足を組んでお茶を飲むし、
お釣りを丁寧に両手で渡すこともなくなったし、
鼻歌を歌いながらドリパンをしています。
必要以上に気を遣って、気を張っていることがなくなりました。

本当に自由で良いです。


サボっているわけでも怠けているわけでもなく(もはや、暇なときにある程度怠けることは問題ないとすら言えます)、
私は私として、一人の人間として働くまでなのです。


店員と客は対等の関係


その上で、互いに人としての気遣いを普通にするだけなのです。

友達に接するようにカジュアルに
たとえば雪の日に「寒いね」と話したり、
この和菓子何?と聞かれて日本のお気に入りの観光地の話にまで発展したり、
辛い物好きさんにはこれかけると美味しいよ~と店の七味を渡してあげたり

帰り際、レジ打ちをするときには打ち解けて、あなたドイツで勉強しているの?頑張ってね!と言われることもしばしば。

お客さんにへりくだるなんてせず、敬語も使わないで話す。
そっちのほうがお客さんも楽しいし私たちも楽しく働けます。


チップに対する考え方の変化


そんな風にして楽しい時間を過ごした後に、ご飯代とは別に「ありがとう」の気持ちを表すのが、”チップ”なんです。

チップなしの日本の文化に慣れていた私は当初、
代金に上乗せしてチップまで払うなら最初からチップ分も代金に含んでおいてくれ、と思っていました。

しかし今はそうは思いません。

実際に働くようになってからは客としてサービスを受けるときも、
自由に働いていいからこそ、素敵な接客をしてくれればその店員さんにお礼したい、気持ちばかりのチップを店員に直接払いたい、
という気持ちが理解できるようになりました。



どちらが正しいとかありませんが、
私はここドイツの慣習のほうが好きです。

接客業に対する考え方が変わって、お客さんと話すのを楽しむようになりました。


今のところ、日本に帰るまでここのカフェでバイトを続けるつもりです。

とりあえず、料理の説明をもっとスムーズにできるよう単語を覚えたいと思います!(笑)


最後に、さっき家で作った今日の夕飯を載せておきます。

ジャーマニーに来て初めて作ったジャーマンポテト

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