【読書】The Real Anthony Fauci 人類を裏切った男(中)アンソニー・ファウチの正体と大統領医療顧問トップの大罪
出版情報
タイトル:The Real Anthony Fauci 人類を裏切った男(中)アンソニー・ファウチの正体と大統領医療顧問トップの大罪
翻訳:石黒千秋
解説:林千勝
出版社 : 経営科学出版 (2023/11/30)
ハードカバー : 406ページ
紅麹(べにこうじ)のせいじゃないよ!
本読書感想では、現在日本で起きていることと、本書で書かれていることを織り交ぜながら、感じたことなどを綴っている。
前回の記事【読書】The Real Anthony Fauci 人類を裏切った男(上)ではこの2年間で日本の超過死亡は計20万人だが、この尋常じゃない死亡増加の原因を厚生労働省も武見厚労大臣も調べようとしない現状などをお伝えした。
最近では降って湧いたように『紅麹』問題が世間を騒がせている。
だが心ある一部の専門家は「やるせない」とか「そうきたか!」という思いでこの騒動を見ているようだ。
長尾和宏医師は、コロナ騒動当初から「コロナでは一人も死なせない」と綿密な対策方針を立て実行したきた有能な医師(町医者)だ。同時に『コロナ後遺症』や『ワクチン後遺症』で苦しむ方たちを自身の患者として大勢受け入れてきた。書籍も色々執筆されているようだが『ここまでわかった! 「コロナワクチン後遺症」 (TJMOOK) 』というムック本の監修者の一人でもある。私は縁あって『記録映像 ワクチン後遺症(YouTube 映画『記録映像 ワクチン後遺症』予告編)』の東京での上映会で視聴することができた。Amazonプライムでも視聴できた時期があったようであるが、現在は日本では視聴できない。その長尾医師のX(旧Twitter)のスペース(音声のライブ配信:後で聴くこともできる)での投稿は「紅麹報道に思うこと」(2024年4月5日)と題するものだった。要約すると…(あくまで素人の私目線での要約です)。
まあ、随分とはっきりという医師もいたものだ!「これは計画的に、コロナワクチンでの腎機能障害の増加を隠すために画策されたのでは?と私でも誰でも思うことだろう」。だがこれは推測に過ぎない。憶測ではあるのだが見る人が見れば、この騒動は茶番に見えると言うこと。長尾先生は結構テレビにも出ているようではあるが、きちんと空気を読む力はある。そして言える場所、書けるところで、いうことは言う。そう言う在り方もありうると言うことだ。
長尾和宏医師がエイプリルフールだというXの投稿。私は1万回リツイートされたものはわからなかったが、数百回のものは見つけたので、引用してみる。(エイプリールフールとは冗談でありウソであるという意味だろう)
つまりこれがウソだとしても、ある程度以上共感した人が大勢いた、ということだ。「小林製薬がんばれ」のトレンドワード入りもその流れの中にある。
(実はフォローしているnoterさんからも知らせていただいていた。それだけ拡散力のある表現であり、みんなが驚き、真実性があるように思われた(隠蔽を暴く力があると思われた)文言だった。小林製薬社長が言ったわけではなかったようではあるが)。
ウソにばかり力づけられるようでは、危険である。真実を求めるのでなければ。紅麹によって腎臓被害が起きているのかどうかは、結局まだわかっていないのだ。紅麹ではロット番号が調べられている。ワクチン被害では?
前記事では「日本の人口増加を目指す男」藤江氏の資料をたくさん使わせていただいた。藤江氏は相当な苦労をしてロット番号とワクチン被害の突合を行なっている。今回紅麹の被害に遭われたと言われている人々のワクチン接種状況、そしてロット番号なども調べる必要があるのではないだろうか?みなさまはどう思われますか?
以下、本記事の目次である。
HIVで悪事を学びコロナパンデミックで拡大活用
上記、紅麹で進行中の茶番劇のもっと残酷でもっと深刻なものが、米国ではHIVウイルス騒動で経験済みだった、としたら?米国衛生研究所、米国感染学研究所、WHO、米医学会、米大手製薬会社、米各種医大、大手マスコミを巻き込み、アフリカ各国、米国内療育施設などを舞台にして…。アフリカの人々はもとより、誰より米国民を犠牲者にして。(もちろん日本人も巻き込まれている。犠牲者としても加害者としても)。
日本でHIVといえば、どんなことが思い浮かぶだろう?エイズ?HIV=ヒト免疫不全ウイルス?米国や欧州では同性愛カップルの病気?アフリカでは異性カップルの罹患者が多い?日本では血液製剤での血友病患者たちへの感染?あるいは深キョンのドラマ(若い人は知らないよね〜)?
ファウチとHIVの関係を見てみよう。下記は本書の目次であるが、ところどころ太字で要約を補ってみた。
NIAID所長に就任し悪事を学ぶファウチ
ファウチは1984年NIAID(国立アレルギー・感染症研究所)所長に就任。その頃ちょうどAIDS危機が叫ばれていたp27。それはファウチにとっては間違いなく朗報だった。
というのも、1970年代以降CDC(米国疾病対策センター)やNIAIDは存続の危機にあったからだ。栄養状態や下水道整備、食品を扱うときの衛生状態の改善で感染症は激減。1977年には「ワクチン、手術、抗生物質など、すべての医療介入が死者減少の約1%か、せいぜい3.5%しか寄与していない」という研究結果が発表されるp29一方で、「医療カルテルは、いつかアメリカ国民に根拠のない医療介入(例えばワクチン)を押し付けるため…公衆衛生を改善してきたのは自分たちだと主張するだろう」と懸念され、実際「ワクチン研究者は、20世紀前半の感染症による死亡率が74%減ったという驚異的な成功例をうまく乗っ取った。この成功は…ワクチンのおかげと公言してはばからなかった」p30。こうしてNIAIDとCDCの官僚にとって「定期的なパンデミックに対する国民の恐怖をあおるのは、自分たちの組織…を維持するために当然取るべき手段」となった。
最初にあおられたパンデミックは1976年の豚インフルだった。だがこの病気で実際に亡くなったのは兵士1名。一方でワクチンメーカーの副作用はポリオに似た破壊的な麻痺が起こり、1900万ドルもの賠償を求める訴訟が起きた。マスコミもまだ機能している時代で、保健省(HHS)の腐敗を暴き、ワクチン犠牲者が出たことを激しく非難した。CDCの所長、NIAIDの所長も辞任に追い込まれ、1984年にファウチが所長に就任することになったのだp30-34。
ファウチはこの事件から多くのことを学んだ。「パンデミックは機関の権力と知名度を拡大し、巨大製薬会社との有利なパートナーシップを固め、キャリアアップするための好機」であるとp34。
そして、「伝染病が本格化しないときでも、ファウチ博士はうまく伝染病の重症度を誇張して人々を怖がらせ」た。そして「エイズに感染する危険性がないにも関わらず、そう思い込ませることに成功」したp35。
赤ちゃんさえ金ヅルに
本書は主にエイズでの欺瞞を告発しているのだが、合間合間に「小さなエピソード」として他の薬害やワクチン被害についても記載されている。
ロタウイルスは赤ちゃん(乳幼児)の下痢の原因となるウイルスだ。ファウチと巨大製薬会社は、このウイルスのワクチンを開発し、儲けを企んだ。(もちろん「子どもを助ける」という大義名分のもとに)その結果を見てみよう。
ワクチン導入前は年間20−60名の死亡。導入後は年間953~1689件の副反応。どう見ても犠牲者が多すぎる。「(ロタウイルス)ワクチンは公衆衛生への悪影響しかもたらしていない」p57。どんな親でも子どものため、ましてや赤ちゃんのためなら、どんなことでもしてやりたい、と思うものだ。「この子のため」と思って打つことを選択したワクチンで、子どもが苦しむことになるとは。副反応で苦しむ子供の親たちはどんな気持ちだろう?
毒をも薬と見せかけるスキーム
問題の薬アジドチミジンは、HIVウイルスへの使用を期待されていたが、毒性が高く、どんなにベテランのお抱え「治験責任医師」をしてもこの薬が「安全性で効果的である」という研究プロトコル(研究?検証?手順)を出すことができなかったp83。一方、エイズの罹患者たちに寄り添う医師たちは既存薬での治療法で有効な結果を出していたp83。「HIV感染者たちは何年にもわたってこうした既存薬の使用を懇願していた」p83が、ファウチによって拒否され続けていた。NCI(国立がん研究所)きってのウイルス学者は当時を振り返り下記のように述べた。
だがファウチは、アジドチミジンのライバル薬への臨床試験の枠は10%ほどに設定しp84、アジドチミジンの承認を早めるためにFDAとNIHは霊長類での長期試験を免除した。これは今回のコロナ騒動でレムデシビルやワクチンの認可を早めたのと同じ手法だp85。そしてアジドチミジンの価格が患者1人当たり年間1万ドルであることを支持し、NIAIDの臨床試験で使われる薬剤に最高値の小売価格を支払うことに同意したp85。こうして「数億ドルの税金が、なぜか国の生物医学の研究機関に消え、新薬はひとつも生まれなかった」。不思議なことに、さらにファウチはマスコミを通じてエイズの恐怖をあおり、「これにより、博士の権力は自然に拡大し、知名度が上がり、影響力が広がった」。患者団体や心ある医師たち、一部のマスコミは既存薬の使用を認めるよう働きかけ続けていた。だがファウチの対応は冷たいものだった。
結局このときの医師や患者らは資金を集め、2年がかりで自分たちで「無作為盲検プラセボ対照試験」のデータを収集した。この2年間で1万7000人の命が奪われたと見積もられているp94。
ファウチ博士の所属しているNIHやNIAIDはいうまでもなく米国国立の研究所であり多額の税金が投入されている。不正などの疑惑があれば米議会での追及は免れ得ない。著者ロバート・ケネディ・ジュニアの叔父エドワード・ケネディ上院議員は同僚たちと共に議会でファウチを追い詰めた一人であるp96。当時ゲイは少数者で、貧しいゲイの患者が大勢いた。民主党員として病を抱えた貧しいゲイの代弁者となっていたのだ。ファウチはとうとう「もし自分がエイズであるなら(ゲイ・コミュニティの推す既存薬を)使うだろう」と既存薬の有効性を自ら証言してしまう事態に陥ったp100。ファウチの態度はそこから二転三転する。ゲイ・コミュニティに擦り寄るように既存薬の承認プロセスを始めるような発言をしたりp104-p105、それによって製薬会社らの怒りを買えば「いやその薬は承認させない」と内輪で発言したりp108-p109。そして結局は、既存薬の承認プロセスは途中でサボタージュを繰り返しp109-p112、追求するジャーナリストのマスコミへの出演機会を潰すなど嫌がらせp128をして難を逃れた。やっと製薬会社の推すアジドチミジンが怪しくも数字の上ではよい結果を出した時点で、査読論文が掲載される前に、エイズの治療薬として華々しくアジドチミジンを推奨し、自らの功績として宣伝した。これを「プレスリリースによる科学」と呼ぶp 113。もちろん告発があり、それはイギリスでは報道され、翌日慈善団体であるウエルカム財団はウエルカム社の株を売却した。アジドチミジンを作っているバローズ・ウエルカム社の親会社の株だ。だが米国で報道されることはなく、1987年~2019年までで33万人が亡くなったと推定されているp133。
アジドチミジンには強い毒がある。臨床試験の時には患者には、対照群に対して6倍もの輸血を行っていたp122。みな一時的には顔色が良くなるp123。症状が出ていない健康な人に使用することで予防になる、と言う触れ込みであったがp130、実際には服用した人はほぼ4年以内に亡くなっているというp 133。どうして訴訟などが起こらなかったのだろう?みな弱者でお金もかかる裁判には踏み切れなかったと言うことなのだろうか。
ファウチが自分の間違いを告白したのは33年後である。それもよりにもよって、新型コロナ治療薬レムデシビルのホワイトハウスでの発表時にp129。誰が大統領によって権威づけられ、みなが待ちわびた薬剤の発表時にネガティブなケチをつけられるだろう?そんなことをすれば、ホワイトハウスを出禁にされ、高まった期待をぺしゃんこにされた世論に潰されかねない。かくして誰にも指摘もケチもつけられないまま、ファウチの間違いはスルーされる。
その後のエピソードについても、未熟な私は「えええ〜」とか「ぎゃ〜」などの驚きの心の声を漏らさずに読めたものはひとつもなかった。本当に散々な目にあった患者、治験者、国、人々などの話ばかりだ。尊い命、尊い健康、血税。すべてを犠牲にし、大統領の権威までも利用する。お金のために。どれもこれもが詐欺まがい…。
次に記述する、幼い可愛らしい治験者のありえないほど残酷なエピソードをもって、本記事を終わろうと思う。
花のようなシャイアン
ファウチ博士とその一味は、米国内および他国、主にアフリカ諸国で治験を行っている。その出鱈目ぶり、残酷ぶりは、目にあまる。そして幾人ものジャーナリストが告発しているのである!だが、それが一般の米国民の目に触れることはほとんどないようだ。あるいは正常性バイアスによって自らに目隠しをしているのか。下記は本書p327-p340のエピソードである。
シェフの報告は、巨大製薬会社やファウチ博士のNIAIDが、黒人やヒスパニック系の孤児を実験台にし、薬やワクチンの研究という名目でおこなった拷問や虐待の様子を浮き彫りにしているp327。下記はシェフの記事の続きである。
でっちあげと思う人もいるかもしれない。だがBBCが被害児たちの視点で同テーマのドキュメンタリーを制作しているp330。1000人規模の犠牲者の墓(とも呼べないような共同墓地)の無惨な様子を映し出した。さらに2年後、BBCはウガンダでファウチ博士のエイズ治療研究部(NIAID)の犠牲になった子どもたちを追い、アフリカ人母子に対する虐待を暴いているp331。またBBCの放映後、AP通信の記者が独自にファウチ博士の治療薬の実験で亡くなった児童の数を算出した。それによると少なくともニューヨーク市の孤児465人がNIAIDの被験者となったというp331-p332。
シェフの記事から、ファウチ博士と彼の治験責任医師は、医療施設ではないICCを意図的に利用したと推測している。経験を積んだプロの看護婦や医師がいれば、非倫理的で違法だとして止められていただろう。だが治験責任医師はやりたい放題だったp337。下記はシェフが記録したICCの職員による証言のようだ。
シャイアンをはじめ、この件で犠牲になったすべての人々の(アフリカの人々、そのほかすべての人々)のご冥福を祈りたい。
医療が科学からかけ離れてしまった米国
本書を読んだ後で、私はそう結論せざるを得ない。いや私にはそんなことを言う資格めいたものはないけれど、ね。それでも私の『常識』が「米国では医療が科学から、随分と離れてしまった」と叫んでいる。
もちろん扇情的と判断される方もいるだろう。だが、筆者はできるだけ感情的にならずに、そしてたっぷり文献もつけて、読者に「知ってほしい」と提示している。多分、筆者も「米国では医療が科学からかけ離れてしまった」と結論づけた上で、どこかに希望を見出そうと大統領選にチャレンジしているのかもしれない。
恐ろしいことに日本国政府や厚労省は、その米国の後を率先してついていっているのである。崩壊した医療システムを日本に導入して金儲け医療システムに塗り替えようとして。日本人は本書を読んで、その現状をぜひ知った方がいい。いや知るべきなのだ…と私は思う。
引用内、引用外に関わらず、太字、並字の区別は、本稿作者がつけました。
文中数字については、引用内、引用外に関わらず、漢数字、ローマ数字は、その時々で読みやすいと判断した方を本稿作者の判断で使用しています。
おまけ:さらに見識を広げたり知識を深めたい方のために
ちょっと検索して気持ちに引っかかったものを載せてみます。
私もまだ読んでいない本もありますが、もしお役に立つようであればご参考までに。
本書の上巻と下巻
ワクチン後遺症に朗報
・高画質版(ニコニコチャンネル+)
https://nicochannel.jp/fujie/video/sm...
Lizzy
https://www.nicovideo.jp/watch/so4358...
医療ジャーナリスト 鳥集徹氏
日本の人口増加を目指す男 藤江成光氏
京大名誉教授が執筆
【コロナワクチン 後遺症の真実】
帯状疱疹、リウマチ、心筋炎、頭痛、新型ヤコブ病……
◎福島雅典(京都大学名誉教授)
Lizzy氏と鳥集氏対談
ジャーナリストも一般人も自分の常識を信じて、賢く強くならんとあかん、と。
noteにお祝いをいただきました。よかったら、読んでみてください。