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【読書】原爆は 「日本人」へ 二十数発 投下せよ!ーー米英の極秘覚書が明かす原爆投下の真相

出版情報

  • タイトル:原爆は 「日本人」へ 二十数発 投下せよ!ーー米英の極秘覚書が明かす原爆投下の真相

  • 著者:林千勝 (著)

  • 出版社 ‏ : ‎ 経営科学出版

  • 発売日 ‏ : ‎ 2024/8/6

  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 232ページ

原爆は「日本人」を対象にしたものだった!!

 原爆にはいろいろな神話がある。
 いわく、戦争を早く終わらせるために必要だった。日本が軍国主義に走ったから落とされた。落とされても仕方なかった、などなど。

 とんでもない!!

 広島の原爆資料館(広島平和記念資料館)には、きちんと原爆がなぜ落とされたのか、説明展示されている。

  • (1)原爆は日本人になら落としていい

  • (2)20億ドル(以上)という開発を米国内向けに正当化する。

  • (3)戦後のソ連の勢力拡大を抑止する。

(以上3項目p105-p106要約抜粋)

 1944年9月、米大統領ルーズベルトと英首相チャーチルはニューヨーク郊外のハイドパークで会談した。その中で恐ろしいことに「原爆は日本人になら落としていい」と新型兵器である原爆の投下目標について話をした。その時の外交メモが『ハイドパーク覚書』だ。

 本書にはこうした原爆投下の経緯が詳しく記述されている。また、エノラゲイの当日の飛行ルートまで、詳細に記載され、原爆がどれほどの残虐性を持って開発され投下されたのか、非常にわかりやすく簡潔に述べられている。
 また、終戦直後のソ連の北方領土侵攻は米国の支援なしにはなされなかったという真実にも触れている。米国は、日本に侵攻させるために潜在的な敵国と認識していたソ連に武器や戦艦を供与し、訓練まで施していたのだ!

 戦後80年経った今、私たちは米国とはどういう国なのか、正面から向き合う必要がある。本書を読むことは、米国その他に関するプロパガンダから抜け出す機会になるだろう。

 私たちは、新たな情報戦・歴史戦の世界にすでに突入していると著者は警告する。そのために、今までの大きな欺瞞から抜け出そう、その欺瞞とは原爆に関することだ、知ることが第一歩だと、私たちをいざなう。そしてその試みは成功している。良書である。すべての日本人にオススメしたい。

原爆は日本人には使っていいな

 本書には先行書籍(先行研究??)ともいうべき、本がある。岡井びん著『「原爆は日本人には使っていいな」』だ。

 原爆資料館は当初、ハイドパーク覚書にある「原爆は日本人になら落としていい」の日本人と訳すべきところを日本と誤訳していた。英文は「 it might perhaps…be used against the Japanese」で明らかな誤訳だった。それを孤軍奮闘して、変更に至らせたのが岡井敏という化学ばけがく系国立研究所の元研究技官だった。
 岡井氏の孤軍奮闘ぶりは書籍「原爆は日本人には使っていいな」に詳しい。私も【読書】「原爆は日本人には使っていいな」という記事で紹介した。原爆資料館はもとより、政治家、言論界(マスコミ含む)の右翼陣営も左翼陣営もこの問題にはスルーを決め込んだ。それでも、岡井氏の努力により誤訳は正された。だが、まだみなが通り過ぎてしまうような、小さな展示のみでの修正だ。大きな、修学旅行生みなが見るような大パネル(大きなタッチパネルでの展示)での変更には至っていない。つまり、原爆投下目標が『日本人』であったことを「極力、日本人に知らせまい」とする歪んだ力は現在も継続して存在している、ということなのだ。(これは原爆資料館の瑕疵を問うものではない。原爆資料館は展示内容も構成も素晴らしく、私も実際に見学させていただいて、原爆に対する理解が深まった。感謝しています)。

 本書『原爆は 「日本人」へ 二十数発 投下せよ』の著者 林千勝も「原爆は日本人には使っていいな」を読み、啓発された一人だった。その結実が本書なのである。

3発目の原爆を憂う

 著者 林千勝の関心は現在、日本を守ることにある。そのためWHOから命をまもる国民運動に注力している。この秋から始まる(2024年秋)レプリコンワクチン(遺伝子製剤)が日本でのみ大した検証もされず、定期接種されることが決まってしまったことを深く憂いている。
 本書の帯には、

3発目の原爆「レプリコン・ワクチン」が
日本人に投下されようとしている
今、
我々はかつての原爆投下の真実を
知らなければならない-----!

原爆は 「日本人」へ 二十数発 投下せよ! 帯より

とある。少し長くなるが、はじめにから引用しよう。

 世界で日本のみで承認された次世代mRNAワクチン、すなわち自己増殖するレプリコンワクチン(遺伝子注射)の全日本人への接種により、今後5年、10年で数百万人が副反応死に至る恐れがあるとも言われている。
 この3発目の原爆は、米国で開発された技術を基に、日本政府、日本の製薬メーカー、日本の医師たちによって日本人に投下される。
 ………
 来年4月には、疾病Xによるパンデミック(プランデミック)を睨んで、武見敬三厚生労働大臣が「世界トップレベル」と誇る日本版CDC(アメリカ疾病予防管理センター)を設立する。
 武見氏はすでに3年前に強制措置の必要性を宣言し、今年7月2日には新型インフルエンザ等対策政府行動計画が閣議決定され体制構築が進む。
 日本政府を含む医産複合体が、膨大な日本人の命を犠牲にすることが懸念されている。
 
 ここ3年間のmRNAワクチンによるとされる数十万人に及ぶ超過死亡も、日本人に対する無差別大規模空襲、あるいは米中(米中日)合同極秘対日本人侵攻作戦と呼んでしかるべきものであったかもしれない。
 
 日本人の命を守るという点で政治は機能していない
 今、日本人は、まず1発目と2発目の原爆投下の真相を知り、歴史に刻まれた「非人道性」の語を再確認しなければならない。

 さらに非情なことに、「日本人が第二の731部隊を世界に仕掛けている」「レプリコンワクチンという生物兵器を内外に流布させている」とのプロパガンダが流され、被害者である日本人が加害者として貶められることを危惧している。
 膨大な犠牲者を出した上に、世界の孤児となり、尊厳が失われる日本人。
 再び日本人が「過ちは繰り返しませぬから」の碑を押し付けられてはならない。

 これは歴史戦の続きだ

原爆は 「日本人」へ 二十数発 投下せよ! p10-p13

 mRNAワクチンが導入されてからの日本の超過死亡は、2021年、2022年と1年あたり10万〜20万人程度。つまり、平常より、これだけ多く日本人が亡くなっているのだ。さらに、これまで数十年にわたるワクチンによる健康被害の3倍ほどの健康被害、予算の100倍もの死亡認定を出しながら、コロナ対策の総括をしようとしない日本政府と厚労省。この超過死亡は原爆1つ落とされた時の犠牲者と同じほどだ。そしてこれほどの犠牲を出しながら、日本政府および厚労省は拙速にワクチンと称する遺伝子製剤(レプリコンワクチン)を導入しようとしている。これは日本政府による第3の原爆投下に他ならない。だからこそ、80年前の原爆投下の真実を知ろうと著者は呼びかけている。

 本書の意義や意味は、上記はじめにに述べ尽くされている。ピンときたら、ぜひ書店へGO!…と言いたいところだが、この出版社は通販(アマゾン含む)のみ扱っているとのこと。今のところポチっていただくしかないようだ。

本書のもくじ

第1章 原爆の真実 --- 原爆投下目標は◯◯◯
第2章 原爆投下目標の変遷
第3章 広島平和記念資料館
第4章 なぜ彼らは長崎で止めたのか
第5章 悪魔のエノラ・ゲイ飛行経路
第6章 『核兵器のない世界へ』の虚構
第7章 「核を持ってこそ独立国」
付録 米ソ合同極秘対日侵攻作戦「プロジェクト・フラ」

原爆は 「日本人」へ 二十数発 投下せよ! もくじ

 私にとって、特に衝撃的だったのは第5章のエノラ・ゲイ飛行経路。その他「プロジェクト・フラ」についてもここまで詳しくは知らなかった。
 そこで、以降は、私にとって特に新しかったこと、特記したいことを中心に記載し感想など書いていく。
 その前に、簡単に各章の要約を述べる。
 第2章 原爆投下目標の変遷では、最初はドイツ軍が原爆目標であったものが、どのようにして日本軍、さらに日本の民間人へと変化していったのか、文字通り詳細に追いかけている。第3章 広島平和記念資料館では20年前の岡井氏の頃とまったく変わらない。原爆投下目標が『日本人』であったことを「極力、日本人に知らせまい」とする歪んだ力は現在も継続して存在していることを知らせてくれる。第4章 なぜ彼らは長崎で止めたのかでは、通常発せられる「なぜ2発の原爆を落としたのか」という問いではなく、「なぜ彼らは長崎で止めたのか」という問いをこそ、発さなければならないと訴えている。なぜなら、彼らは実際に二十数発の原爆が製造できるだけの準備を整え、実際に投下する計画だったのだから。それが現実となったなら、どれほどの日本人が犠牲になっただろう?空恐ろしい。

エノラ・ゲイ飛行経路

 詳しくは本書を読んでいただきたいのだが、結論から言ってしまうと、米軍が記録している飛行経路とは違う経路を通って、原爆搭載機であるエノラ・ゲイは広島にやってきた。それは当時ボランティアの人々が日本の空を交代で目視で確認していたので、ほぼ間違いはないことだそうだ。

広島市への原爆機「エノラ・ゲイ」の飛行経路
原爆は 「日本人」へ 二十数発 投下せよ! p161

 上記写真で、米軍公式記録による飛行経路は細い線、日本のボランティア観察員によって観察された飛行経路は太い線で表されている。
 この行きつ戻りつの飛行経路は、日本の人々の警戒行動、朝の通勤通学行動を研究し尽くした結果とられたもののようなのだ。人々が朝、活動し出して、しかも、いったん防空壕に避難して、警戒警報が解除され、人々が出てきたところを狙った、としか思えないような。この飛行経路の意図は米軍の記録に残っていない。いや、実際に取った経路と異なる経路を記録として残してまで、「効率的に虐殺する」意図を隠したかった。そう推測?邪推?せざるを得ない…。この飛行経路が本当であれば、まさに鬼畜の所業としか、思えない…。

『核兵器のない世界へ』の虚構

 広島の平和記念公園にある碑。その文章を知らない人はいないだろう。

安らかに眠って下さい
過ちは
繰返しませぬから

原爆は 「日本人」へ 二十数発 投下せよ! p182

 この碑には主語がない。東京裁判においてA級戦犯すべてを無罪とする判決を書いたパール判事は「原爆を落としたのは日本人でないことは明瞭。落としたものの手はまだ清められていない」と率直な感想を述べたp181。
 それに対してこの碑文を揮毫した広島大教授 雑賀忠義氏は「広島市民であると共に世界市民である我々が、過ちを繰り返さないと誓う。これは全人類の過去、現在、未来に通ずる広島市民の感情であり良心の叫びである。『原爆投下は広島市民の過ちではない』とは世界市民に通じない言葉だ」と抗議文を書いた。
 つまり、「加害者:米国 被害者:日本人」という事実を、この碑文は、「加害者:人類 被害者:人類」であると覆い隠すためのプロパガンダであるp182-p183と、著者はいう。その通りだと思う。

「核を持ってこそ独立国」

 このことに関する本書の内容は、ぜひ、本書に当たってほしい。佐藤栄作など、歴代の総理大臣が何を思っていたか、米国はどのように干渉してきたか、がよくわかる。またインドなどがたくみに立ち回り、どのように核保有を実現してきたか、についても。

 本記事ではその代わりに、伊藤貫氏の言説Youtube番組)を紹介したいと思う。伊藤氏は米ワシントンに30年在住。外交・国際関係・金融問題を専門とする国際政治アナリストだ。
 伊藤氏によれば、核は非常に安く自国を守ることを可能にする。また適度に段階的に核を持つ国が増えることで、地球はより平和になる、という。相手国が核を持っていると分かれば、自分から戦争を仕掛けることができなくなるからだ。北朝鮮を見よ(核を持って米国に対抗している)。また、ウクライナを見よ(核を手放して露に攻め込まれた)。相手国が核を持つということは、自国の都市の住民を人質に取られているに等しい(詳しくは伊藤氏の動画を見て欲しい)。日本の場合は、戦略核を200発、それに小規模の戦術核を600発ほど持てば良い。GDPの0.4%もあれば済む。米国から高いミサイルシステムや型落ちの武器なども買う必要はない、という。
 米ネオコン、軍産複合体、イスラエルロビー、ディープステートと、呼ばれる人たちは、この立場(核兵器による力の抑止)をとらない。なぜなら、自分たちの利益と権力の源泉を失うからだ。また、各国が核を持つことで、自分たち(米国)を頼りにしない国が増えるからだ。米国の一貫した姿勢は、日本とドイツを仮想敵国とみなすことである。こういう全体を見れば、日本が「核廃絶」ということは、日本の独立を遠ざけ、恥ずべきことである。…と伊藤貫氏は述べている。
 例えば米軍によるイラク侵攻。「生物兵器を含む大量破壊兵器がある」という触れ込みで侵攻したが、そんなものはなかった。イギリス首相は「間違った理由で侵攻した」と謝罪した。日本の首相は謝罪しただろうか?今回のウクライナ戦争。もう泥沼化して停戦を勧めてもいい時期だ。それなのにキッシーは米議会で大歓迎され「日本は米国と共にある」と演説した。何十兆円とウクライナを支援する(つまり米国軍産複合体に利益を垂れ流す)という密約があるという。他国の戦争に実質的に首を突っ込み、国会の議決なしに国民の税金を支払い続ける(キッシーの意思ではなくそういう圧力が働いたんでしょう)。これって日本は独立していますかね?こういうことは道徳的に正しいんですかね?
 伊藤氏によれば、独立する気概とともに核兵器を最小限持つならば、「米国とは別行動し」「他国への軍事的な干渉を減らし」「外交的に謙虚な」「中立国」となることは可能だという。
 この議論が、正しいかどうかは、議論を深め、理解を深める中で、わかってくることだと思う。ただ、とても説得力がある。一考に値すると、私は思う。みなさんはどうだろうか?

「プロジェクト・フラ」

 戦後約80年経っても解決されない北方領土問題。当初はソ連と、ソ連崩壊ののちは継承国であるロシアと我が国の間にある領土問題だ。
 私の記事の読者のみなさんは、大東亜戦争終結間際の段階でソ連が千島列島や南樺太に侵攻してきたのは、米軍の協力があったからであることをご存知な人も多いと思う。「プロジェクト・フラ」とは「米ソ合同極秘対日侵攻作戦」の名称だ。
 ソ連は北海道まで侵攻する計画だった。それを阻止したのは、当時北海道、南樺太、千島列島の守りを固めていた樋口季一郎中将だった。書籍『陸軍中将 樋口季一郎の遺訓』に詳しい。私も読書感想記事を書いた。
 ソ連には日本に対する領土的野心があったが、「当時のソ連軍には上陸作戦に必要な能力はほとんどなかった」p213。そのため、将兵の訓練から、軍艦、航空機の貸与まで、何から何までお膳立てしたのは米軍だった。しかも、8月15日を超えての協力体制。詳しくはぜひ本書を読んでほしい。
 その後、米ソは冷戦へと突入する。つまり米国は、対日侵攻でソ連と協力しながら、一方で原爆を開発し、ソ連との軍拡競争に一歩先んじようとする
 日本も対米従属ばかりではなく、米国のこうした一面も正しく知っておく必要があるだろう。

おわりに

 著者 林千勝は近現代研究家で、その著作で、大東亜戦争で日本には勝ちうるチャンスがあったという視点を提供してくれている。そういう中で、現在進行形で起きているコロナやワクチンにまつわる出来事が、大東亜戦争当時と同じ構造、同じテーマの焼き直しに見えているのだろう。
 だからこそ、「レプリコンワクチン」は3発目の原爆であり、被害者であるはずの日本人が再び加害者であるかのようなプロパガンダを流される可能性について気づき、憂慮している。
 著者の言説すべてを信じる必要は、ない。煽られる必要も、ない。
 ただ、いのちと尊厳を大切に思うのであれば、少なくとも一度は、耳を傾ける価値があるように思うのだが、みなさんはいかがだろうか?



引用内、引用外に関わらず、太字、並字の区別は、本稿作者がつけました。
文中数字については、引用内、引用外に関わらず、漢数字、ローマ数字は、その時々で読みやすいと判断した方を本稿作者の判断で使用しています。

おまけ:さらに見識を広げたり知識を深めたい方のために

ちょっと検索して気持ちに引っかかったものを載せてみます。
私もまだ読んでいない本もありますが、もしお役に立つようであればご参考までに。

伊藤貫セミナー

日本も開発していた原爆
 
もし、日本が戦前から核開発をしていたのであれば、核拡散防止条約などに抵触しない可能性も???

樋口季一郎中将

林千勝の著書


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