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女性は脱毛に通うべき、魅力的でいたいなら痩せるべき、と圧をかける広告について思うこと

デジタル化した社会で、SNSをプラットフォームとした広告がすごく増えましたよね。

TVCMを全く打たないで、デジタル広告にだけ投資しているブランドも多いです。

そんな中、最近、InstagramやYouTubeを見ているときに少し不愉快に感じるというか、疑問を抱く広告があります。

私の理解では、デジタル広告の主目的は、ブランドの知名度・アウェアネスを上げ、実際に購入するというアクションをとらせる(=そこに足を通わせたり、ポチらせる)ことだと認識しています。

その行動に至らせるまでの過程のストーリーは自由にブランドが創作する(もちろん市場や社会のニーズ、情勢に合わせてですけど)という理解です。

だから、セグメント化したターゲットに合わせて、広告を流す。

20代女性という“美意識が高めの世代”の私には、脱毛やパーソナルジム、エステの広告に当たることが多いのですが、そのストーリー性にすごく違和感を感じます。

例えば、

合コンに呼ばれた女の子が脱毛をしていなかったから、男性に相手にされない。

付き合っていた彼氏に脱毛をしていなかったから、振られる。

彼氏の脚より自分の脚の方が太かったから、振られる。

街に女友達と出かけても、隣の子より細くないから、その子だけ声をかけられない。

こういった類の、女性の美容の目的は男性を惹き寄せるため、そして、毛のないお肌と引き締まった体でないと社会から相手にされない、そんなメッセージを暗に伝えるような広告がすごく増えている印象です。

まず、一言言わせてもらうと、外見だけでジャッジしてくるような男性はこちら側も願い下げです。

毛の有無で女性の価値は決まらないし、

脚の細さやくびれの度合いでも女性の価値は決まりません。

男性もそうですよね、別に髭の有無や体型でその人の価値は決まらない。

それだけで決めつけてくるような人は、その人自身の中身を知る貴重なチャンスを逃している、もったいない人だと思いますね。

いわゆる、It’s their lossです。
直訳すると、彼らの喪失、ということになります。

こういった広告を流すことで、私のような20代女性だけでなく、まだ成長期の小中高生にも、“美は異性にアピールするため。そのためには脱毛と痩せることが必須”といった教育をし、偏った美の概念を植え付けてしまっているのではないかと感じ、不安を覚えます。

欧米を中心に広まった“ボディポジティビティ”という概念が日本でも徐々に広まり、多様性を大事にしようという風潮が強まってきている中、

美しさの定義を外見だけに縛り、定義付けてしまうような広告は時代に逆行しているのではないかと違和感を覚えます。

ちなみに、ボディポジティビティに次いで、ボディニュートラリティも誕生していますよね。

「外見や体型へのコンプレックスを受け入れ、自分の体を愛す」というボディ・ポジティビティに対し、「ポジティブになれなくても大丈夫」という考え方を提唱する「ボディ・ニュートラリティ」が、最近では注目を集めています。

私にとって美容は、自己肯定感を高めるための一つの方法で、今より綺麗な自分を見てみたいからやるスタンスでいるのがいいのかなと。

これまでただただ痩せるために絶食と過食を繰り返してきた身としては感じます。(それについては別でお話できたらと思います)

過去の私は、今の自分が醜いから、でぶだから、というネガティブなことを理由に美容に力を入れていました。

でも、それだと、痩せても「いやまだ太い」とか肌が少し綺麗になっても「まだニキビがあって汚い」とか、

せっかく自分を変えたくて努力しているのに全然ハッピーじゃなかったんです。

振り返れば、少しずつ見た目は変わっていたのに、当時の私は、鏡も見たくないし、写真にも映りたくなかった。

だから、今時流れている広告がそういった気持ちをすごく助長してしまうんじゃないかと思って、正直怖いです。

美容は、きっと楽しむのが良いし、別に脱毛もダイエットもエステもしていなくても、絶対皆輝いているし、美しいです。

そりゃ人間なんだから一人一人毛の濃さも体質も体型も肌質だって全部違う。

でも、きっとそれらに対する想いや悩みも皆違う。

それが個性です。

だから、皆が脱毛しているからといって、脱毛したお肌=美じゃないし、痩せている=美じゃないです。

自分をもっと好きになるために必要だと思うなら、すればいいと思います。

でも、それを社会が定義づけて、強要したり、「こうしないといけないんだ」って刷り込んでしまうことで、

社会が敷いた“当たり前”のレールから外れることが怖いから、やらないといけないと思わせてしまうのは防ぐべきなんじゃないかな、と。

人間なので、皆違うから、「あの子の方が」とか「あの人みたいに」と考えがちですが、

私たちは皆それぞれ美しいので、自分が持っている個性を大事にしていくのが良いんじゃないかと思います。

今日も自分を大切にしていきましょうね。

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